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年末のApple銀座でvision proを体験して感じた未来

2024年の年末、多国籍の人々が往来する銀座の街は、煌びやかなイルミネーションに色取られていました。
その異国とも感じられる時間の流れの中で、私は過去の記憶との違いに違和感を感じていました。
apple銀座の店舗が見当たらなかったのです。あのガラス張り壁にAppleのリンゴマークがある建物がありません。

私は、戸惑いながらipone13miniを取り出します。小さいけれど、手に収まりやすい私の相棒です。
検索すると、どうやら2022年の8月から一時的に移転しているようでした。現在の場所は銀座8丁目。歩いてみれば、新橋方面に近い辺りで、博品館のすぐそばでした。
ちなみに元の場所は改装中で、2025年中には再開する模様。

銀座店舗に入るといつも通りの風景です。並べられた木製のテーブルに、apple製品たちが陳列されています。
最新版のiphone16を始め、私が一昨日にこの店舗で購入したipad mini7も多くの人々が手に取って試しています。

今日の目的であるvision proは地下にあるようでした。webから時間予約をしていましたが、少し早く着いてしまいました。
スタッフの女性と目があったので、声をかけてみるとすぐに始められとのことでした。一階と同じように並べられた木のテーブルの一つに案内され、そこの丸椅子に腰掛けると、ナビゲーションしてくれる別のスタッフがやって来ました。

その人は、一昨日にipad mini7を購入した際に担当してくれた女性スタッフでした。私はそのことにすぐに気が付きましたが、素知らぬ風に女性スタッフの話に耳を傾けることにしました。

まず、彼女は私にいくつかの質問をしました。それは、私用に用意するvision proのセッティングに関することでした。普段からメガネをしているかなどの視力に関することから、興味のある動画のジャンルなどを聞かれました。
その後、vision proが用意されるまでの間、彼女が話しかけてきました。
「apple銀座には、よく来られるのですか?」
「ええ、実は一昨日も来ました」
そこで、彼女は考えを巡らせるような表情をします。
「そうなんですね」
「ipad mini7を買いました」
ふいに、彼女は、閃いた時の表情を私に向けました。
「やっと、思い出しました。ipad miniの色で悩まれていた方ですよね。なんか、前にお会いしたことがある気がしていたんですよ。スッキリしました」

そんなやり取りをしていると、私用にセッティングされたvision proが運ばれてきました。
まずは、持ち方から教えてもらいます。正しく持って、顔に当てると、先ほどまでの女性スタッフが、後ろからバンドを締めてくれます。
「どうですか、しっかり固定されていますか?」
「はい、ええ、大丈夫だと思います」
私が曖昧な返事をしたのは、vision proが重かったからでした。両方の頬骨にずしりとした重みを感じます。

「では、始めましょう」
装着したばかりは、いわゆるサングラス越しに現実風景を見ているような感じでしたが、ふいにその空間にウインドウが現れました。パソコンの画面によくあるアレです。
私の視界の右側にウインドウがあり、そこに外国の女性が写っています。正確に言うと、停止状態の動画のようです。

「まずはそのウインドウを正面に移動させてみましょう。目でウインドウを見て選択して下さい」
「はい」
「違いますよ。顔を向けるのではなく、目線だけをウインドウに合わせるのです」
優しく注意されたことが、少し嬉しくもあります。新たな、チャレンジの場なのです。

「次は、ウインドウを引っ張ります」
どうにか選択に成功した私に、次のミッションが与えられます。これには、実際の体の動作が必要でした。
親指と人差し指を実際に動かすのですが、不必要に腕まで大きく動かしてしまいます。

試行錯誤をして、どうにかコツを掴むのに成功します。
「上手ですよ」
今度は褒められました。
私は、恥ずかしくなりながらも、ウインドウを中央に移動させました。そして、思いました。
ーなんてシュールな光景なのだろうー
側から見える光景が想像できます。綺麗な女性スタッフの横で、大きなゴーグルをつけた男性が手をバタバタと動かしてニコニコしている光景。
でも、楽しいんです。ついでに、側から見てるみんなにもこの楽しさも伝わることを望みます。

親指と人差し指のタップで、動画再生ボタンをクリックします。
視界の中のウインドウで、外国の女性が動き始めます。まあ、普通の動画です。
「次は、もっとすごくなりますよ」
女性スタッフが言いました。
次の瞬間、私は衝撃を受けました。

ゴーグル越しの室内の景色が一切消えてヴァーチャルの景色のみが広がりました。その没入感は素晴らしく、目の前に広がる映像に、私の五感が反応します。
目の前に広がる風景には、大地と空の奥行きがあり、そこで動く人や動物は躍動感で満ち溢れています。
急に画面が切り替わり、バスケットの試合で動き回る選手たち足が、私の身の前で次々に交差します。続けて、草原の動物の群れが私に向かって迫ってきたので、思わず身をのけ反らせます。断崖で綱渡りをしている女性の足元の深淵を覗き見える映像では、そこに吸い込まれる不安まで感じました。

やがて、体験時間の30分の終わりがやってきました。ゴーグル越しに元の店内の風景が戻ります。
私がゆっくりとゴーグルを外すと、女性スタッフがたずねます。
「どうでしたか」
「すごかったです。ヴァーチャルの世界がこんなに進化していたなんて驚きです」
おそらく、私は少年のように目を輝かせていたことでしょう。店員さんもにこやかに笑います。
「でも、55万円するんですよ。vision pro。今はまだ高いんです」
最後の彼女のセリフは現実世界のそれでしたが、もっと未来には手頃な値段になって皆がヴァーチャルを楽しむ未来がやってくることでしょう。

あー、楽しかった( ´∀`)
一年の締めくくりに、素晴らしい体験ができました。
ありがとう、apple 。私は、これからもapple製品を愛していくよ。


この記事は、appleの(ipad mini7)とロジクールのキーボード(keys to go2)を使って、日曜日の午後にマクドナルドで作成しました。
(この組み合わせ、最高です!)

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