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【経験重視】で本当に大丈夫?

「経験は宝」という言葉があるように、仕事においても「経験」は重視されますよね。しかし、経験だけに頼ってしまうことには、大きな落とし穴があることにお気づきでしょうか?

今回は、経験重視の罠と、それを乗り越える方法について、書きたいと思います。


1. 経験重視の落とし穴

社会人1年目の頃、先輩から「まずは経験を積め」「理屈より慣れろ」と言われた経験はありませんか?
私は、嫌ほどありました。そして、「それって説明する能力がないだけでは…」なんて心の中で思っていました。(生意気)

もちろん、現場での経験は非常に重要です。しかし、経験だけに頼ってしまうと、以下の様な落とし穴にハマってしまう可能性があります。

  • 目の前の業務で精一杯になり、視野が狭くなる

  • なぜそうするのか?という根本的な理解がおろそかになる

  • 新しい環境や変化に対応する柔軟性が育ちにくい

  • 応用力が身につかず、言われたことしかできない人材になってしまう


2. 知識軽視が招く、負の連鎖

経験に偏った学習は、知識軽視にも繋がります。

新しい知識を学ぶことを怠り、「今まで通り」のやり方に固執してしまう。

その結果、

  • 非効率な仕事の仕方から抜け出せない

  • 変化への対応が遅れ、時代の波に乗り遅れてしまう

  • 周りの人と差がつかず、成長を実感できない

といった負の連鎖に陥ってしまう可能性もあります。


3. 帰納的学習と演繹的学習の両輪で知識を深める

では、どのように学習すれば良いのでしょうか?

一般的に、経験から学ぶ学習方法は「帰納的学習」と呼ばれます。多くの事例から共通項を見出し、法則やルールを導き出す方法です。

「まずは経験を積め」と言われる学習は、こちらに分類されます。

一方で、「演繹的学習」は、「全体から部分へ」という流れで学習を進めます。まず、既存の法則や理論を学び、次に具体的な事例に当てはめて理解を深めていく方法です。

例えば、「適切な契約事務を行う」行うために、地方自治法や関連する条例・要綱を学び、契約事務の基本原則(公平性、透明性、経済性確保など)や、手続きのルール(入札方式の決定、契約書作成、契約履行の監督など)について体系的に理解します。
その後、個別の契約事務について、契約金額や内容に応じて適切な入札方式を選択し、法令に則った手続きで契約を締結する。といったものがあげられます。

帰納的学習演繹的学習両方をバランスよく活用することで、より深く、応用可能な知識を身につけることができます。


4. アウトプット中心の学習で知識を定着させる

せっかく学んだ知識も、アウトプットしなければ定着しませんし、実務で活かすこともできません。そこで重要になるのが、「ラーニングピラミッド」の概念です。

ラーニングピラミッド(アメリカ国立訓練研究所)

「ラーニングピラミッド」とは、学習方法と定着率の関係性をピラミッド型で表したもので、「人に教える」というアウトプット型の学習が最も学習効果が高いとされています。

アウトプット中心の学習方法の例

  • 学んだことをブログやSNSで発信する

  • 組織内の勉強会を開いてみる

  • 誰かに教える

  • 実務で意識して使ってみる

  • わからないことを質問する

アウトプットを意識することで、

  • 知識の抜けや曖昧な部分が明確になる

  • より深く理解しようと努めるようになる

  • 自分自身の言葉で説明することで、記憶に残りやすくなる

といったメリットがあります。


5. まとめ:経験と知識を融合させ、成長し続ける人材へ

「経験は宝」という言葉は真実だと思っていますが、経験だけに頼っていては、真の成長は得られないばかりか、最低限の業務ができない状況もあり得ると思います。経験を通して得た学びを、知識と結びつけ、体系化していくことが重要です。

  • 帰納的学習演繹的学習をバランス良く活用する

  • アウトプット中心の学習を習慣化する

これらのことを意識することで、応用力があり、常に学び続けることができる人材を目指す必要があるのかと思います。

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