「湯の川温泉」でワーケーションをしてきた話【旅館編】
前回に引き続き、6泊7日の北海道・湯の川温泉での「温泉ワーケーション」の模様をお伝えしたい。
今回は滞在の拠点となった宿のすばらしさを紹介したい。
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「シャンパン飲み放題」のラウンジ
宿泊したのは湯の川温泉の「笑 函館屋」さん。
函館の湯の川温泉は、海の温泉地。海岸線に大型の旅館が並んでいる。いずれもオーシャンビューが自慢の宿である。
一見、こちらが温泉街の中心地に見えるが、湯の川温泉の発祥の地は、内陸(北側)に1キロほど入ったところに鎮座する湯倉神社である。ざっくり言うと、海岸と湯倉神社の間のエリアに温泉宿が点在している格好だ。
今回お世話になった「笑 函館屋」は、どちらかという海岸に近いロケーションだが、海岸線の大通りから一本小道に入ったところに位置するので、静かな環境である。
部屋数26なので、湯の川では小規模旅館といえる。2016年3月にリニューアルオープンされたこともあり、館内は全体にキレイで快適な空間が広がる。ちなみに、以前は「温泉旅館 丸仙」という旅館だった。
館内で特徴的なのが、ロビー奥にある囲炉裏を囲んだラウンジスペース。ところどころソファやイスが設置され、居心地の良い空間。中庭でもくつろげる。
うれしいのは、フリードリンクコーナーがあること。函館の老舗「美鈴珈琲」のコーヒー、函館牛乳のソフトクリーム、そしてスパークリングワインが飲み放題、食べ放題。
提供時間は15時から22時までと余裕をもって利用できるので、連日、仕事終わりや湯上がりにシャンパンやコーヒーをいただいた。個人的に酒やコーヒーは好きなほうなので、フリードリンクサービスはうれしい。なお、シャンパンは業務用でよく見かけるポールスターだが、甘すぎず、なかなかおいしい。結局、滞在中に外で飲み物は購入しなかった。
ラウンジはとにかく居心地がいい。宿泊客が多い週末はチェックイン直後から夕食前までは満席に近い状態だったが、平日は利用者もちらほら。座り心地のよいソファでゆっくり時間を過ごすことができた。仕事終わりにクールダウンしたいときなどは最高である。
ワーケーション仕様の客室
ラウンジ以上に気に入ったのが、今回滞在した客室である。チェックインを済ませて部屋の扉を開けた瞬間、「おーっ!」とひとりで声を挙げてしまったほど。
部屋自体、モダンでオシャレな空間だが、それ以上に感動したのが部屋の中央に置かれたデスクワーク用のチェアとデスク。
旅館にテーブルとイスがあること自体めったにないが、長時間のPC作業に適したオフィス仕様のチェアがあるのは珍しい。しかも、ソファのほかに腰かけるイスが4つも! 気分や作業に応じて座る場所を移動できるのはうれしい。
これまで温泉ワーケーションを目的に全国の温泉地を訪れたが、部屋だけにクローズアップすると、この部屋ほどワーケーション向きの部屋はない。最高である。
今回の6泊7日の温泉ワーケーションでは、1日8時間くらいのボリュームの仕事を持ち込み、がっつりと仕事を進めるつもりでいたが、部屋の環境のおかげで順調に仕事を進めることができた。もちろん、Wi-Fiもまったく問題なし。
仕事が捗ると休憩タイムも充実する。1階のラウンジコーナーでコーヒーが飲めるのは15時からだが、部屋にもコーヒーが用意されている。しかも、コーヒー豆を自分で挽くスタイルでコーヒーミルもついていた。
ガリガリとコーヒー豆を挽く感触が懐かしい。実家でコーヒー豆から淹れていたのを思い出した。
滞在中、何度もコーヒーを淹れたが、湯の注ぎ方によってコーヒーの濃さや味わいが変わる。初日はだいぶ薄いコーヒーに仕上がったが、最終日には満足のいくコーヒーを淹れられるようになっていた。
1泊4000円のお値打ち価格
まるでワーケーション仕様の部屋だが、実際にワーケーションニーズのために改装したそうで、2部屋同じタイプの部屋が用意されている(基本は畳敷きの和室や洋室などのタイプ)。
予約段階では、洋室にビジネスホテルでよく見るタイプのデスクとイスがついているのは写真で確認していたが、ワーケーション仕様の部屋があることは知らなかった。おそらくワーケーション利用に特化した予約サイトから申し込んだので、ワーケーションタイプの部屋を用意してくれたのだろう。
今回利用した予約サイトは「The Worke」。長期宿泊プランに特化した予約サービスだ。平日の連泊が基本なので、その分、1泊あたりの料金が抑えられているのが特徴だ。
ちなみに、今回は(日曜から土曜までの)6泊7日のプランを利用したが、料金は24300円(素泊まり)。1泊あたり4000円程度である。2名まで利用可能な部屋なので、その場合は1人2000円で宿泊できる。
ちなみに、同宿の1泊2食付きの一般的なプランは1万円台前半から半ばなので、かなりお得だといえるだろう。
湯治宿やビジネスホテルでも1泊4000~5000円するのは普通だ。部屋や施設の快適さや、フリードリンクのサービスなども考慮に入れれば、「掘り出し物」といえるだろう。しかも、肝心の温泉も源泉かけ流しである。
次回は温泉についてくわしく書いていこう。
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