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刺激過多な日常から逃れて「温泉ワーケーション」へ
「温泉ワーケーション」には、いつもの生活とは違う時間が流れている。温泉地ならではの、ゆっくりとした時間である。
温泉地でのワーケーションは、観光やグルメなど盛りだくさんの旅行と比べて刺激的ではないかもしれない。しかし、刺激で満たされた日常生活とは異なる、静かな空間に身をゆだねることで、心身ともに癒やされる。
そんな「低刺激な時間」を過ごせるのが、温泉ワーケーションの魅力である。
ガッキーも求めている「低刺激な時間」
女優の新垣結衣さんが、星野源さんとの結婚を報告するにあたり、次のようなコメント発表した。
「現場で試行錯誤する日々はそれはそれは刺激的な毎日で、いつしかその分、私生活は低刺激な時間を求め心がけ過ごしてまいりました」
芸能界という華やかな世界に身を置く女優さんならではコメントである。女優の仕事がどれだけ刺激的であるかは想像するほかないが、ワクワクするような高揚感や、ヒリヒリとした緊張感に満たされた現場であることは間違いないだろう。
程度の差はあっても、私たちの仕事にもそうした面がある。高揚感や緊張感は大きな達成感や充実感をもたらす一方で、大きなストレスとして跳ね返ってくる。それが続くと、心身ともに疲弊してしまう。
多くのストレスにさらされる現代人には、刺激と同じだけ、クールダウンするための癒しが必要である。
新垣結衣さんがどういう意図で「低刺激な時間」という表現を使ったかは知るすべもないが、私にとっての低刺激な時間は、刺激的な日常から距離をおき、温泉でクールダウンすることである。
「温泉ワーケーション」で得られる適度な刺激
温泉ワーケーションで過ごす時間は、「低刺激な時間」という表現がぴたりと当てはまる。
ワーケーションで温泉地に滞在すること自体は大いに刺激的だが、ひとたび温泉地についたら、ひたすら温泉につかって体を休める。現地で仕事をしても温泉がその疲れを緩和してくれる。
「温泉ワーケーション」は連泊が基本である。何日も同じ宿で過ごしていれば、その環境にも慣れて、どんどん低刺激になっていく。
泉温の高い湯は、気持ちよくても長くはつかっていられない。一方で、泉温の低いぬる湯は刺激こそ少ないが、ずっと浸かっていられる心地よさがある。低刺激には低刺激なりの快適さがあるのだ。
温泉ワーケーションはそれなりに刺激的ではあるが、同時に心地のよい低刺激状態を手に入れることができる。
「刺激」を求めるがゆえの疲労感
一方で、温泉旅行に刺激を求める人も多い。たとえば、週末に友人や家族と1泊2日の温泉旅行に出かけたとしよう。
せっかくの旅行だからと、普段よりも早起きして車で出発。観光のスケジュールは万全。ランチをする店も決めてある。ところが、渋滞に巻き込まれて、スケジュールは後ろ倒しに。ランチも閉店ギリギリに駆け込んだけれど、まだまだ行きたいスポットを消化できていない・・・。
結局、宿に着いたのは夕食の1時間前。あたふたと温泉につかり、なんとか夕食にありつけた。だが、満腹感と疲れから早々に布団にダウン。気づいたら朝で、眠い目をこすりながら朝食へ。
2日目も観光のスケジュールはびっしり。なんとかスケジュールを消化したのはいいけれど、帰りはまたもや渋滞に巻き込まれ、家に到着したのは深夜0時。明日は7時起きで出社だ・・・。
これは極端な例かもしれないが、温泉旅行に刺激を求めすぎると、スケジュールを詰め込みすぎ、かえって疲れて帰ってくるという結果になりがちだ。温泉で癒されるはずだったのに・・・。これでは本末転倒である。
低刺激なワーケーション
温泉ワーケーションでも、「せっかく温泉地に来ているのだから」と、あちこち観光地をめぐったり、忙しなくアクティビティに興じたりしていては、かえって疲弊してしまう。それでは、普通の旅行と同じである。
それよりも「仕事以外の時間はすべて温泉に費やす」と割り切ってみる。仕事をしっかりこなしながら、ゆっくり温泉につかる。そして、周囲の自然に癒されながら静かな時間を過ごす。このように、温泉とじっくり向き合う「低刺激なワーケーション」を楽しむのもよいのではないだろうか。
日常は刺激が強すぎる。だからこそ、あえて低刺激な時間をつくり、心身をリラックスさせる。そのほうが結果的にアイデアが浮かび、仕事もはかどるかもしれない。
「低刺激な時間」を過ごすための手段のひとつとして「温泉ワーケーション」を検討してはいかがだろうか。
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