CTOにお会いしてきた(2) 株式会社justInCase 小泉洋夫さん 「データサイエンティスト出身、ビジネスオリエンテッドなCTO」
日本経済新聞社でチームメイクアプリ「SOLMU」のマーケティングを担当している井木康文です。好きなプロレスラーは、飯伏幸太選手です。
「CTOにお会いしてきた」第2弾
CTOに実際にお会いしてインタビューを行い、キャリアや出会いについて伺う連載の第2弾となります。この連載シリーズはマガジン化もしているので、合わせてよろしくお願い致します。
今回は、テクノロジーの力を使い、保険をより効率的にし保険業界に革命を起こそうとしている株式会社justInCaseのCTOである小泉洋夫さんにインタビューをさせて頂きました。
Q.貴社の業務内容を教えてください。
保険業のスタートアップとして2年前に立ち上がった会社です。
CEOの畑も私も元々は保険業界におり、もっとテクノロジーをつかって保険を身近にしたいという思いが一致して立ち上げた会社になります。
スマホ保険として少額短期保険サービスから始めて、現在、第2弾・第3弾の商品を開発しているところです。B2Cだけでなく、B2B向けのサービスも提供予定です。
Q.貴社でのCTOとしての役割を教えてください。
スタートアップのCTOはもっとテック寄りの人が多いと思いますが、私はデータサイエンティスト出身ということもあり、ビジネスオリエンテッド寄りのCTOであると思います。ビジネスオリエンテッドなCTOには下記の様な強みと弱みがあると実感しています。
強み:ビジネスドメインやビジネスモデルを理解している。サービスの発想が技術に寄り過ぎない。
弱み:技術的な細かい専門性は足りていない。アーキテクチャー設計等の細部のノウハウは持っていない。
Q.ビジネスオリエンテッドなCTOになった背景をお聞かせください。
新卒は保険会社でキャリアをスタートしました。どちらかというと財務的な仕事や保険商品の収益の計算シミュレーションのような業務を主としていました。
データ分析や統計のスキルを身に着けつつ、業務の効率化や深い分析などを行うために必要性を感じて、独自にエンジニアリングは学んでいきました。
そのため、データサイエンティスト出身(ビジネスオリエンテッドな)のCTOという他にはあまりないキャリアになったと思います。
Q.CTOになって現場で働いていた頃と違いはありますか。
CTOになって思うことは、全体の手綱をどこを強めてどこを弱めるとかというコントロールが難しいということです。
フルコミット/業務委託/副業など様々な契約形態のエンジニアがおり、フルコミット以外のメンバーの時間調整は難しいです。
人的リソースを上手く工面してチケットベースでアジャイル開発していくために、全体感を見合わせて調整していかなければならず、どこを緩めてどこをきつくするかがチャレンジングなところだと思います。
Q.CTOになって新しく勉強した分野
まず行ったのは、iOSのアプリを作ったことがなかったので、Swiftで作ってみることでした。
自分で作らないと、どのようなことが技術的に可能なのかを理解することができないためです。
現在は、アプリ開発チームを離れ、サーバーサイドの業務に注力する中でAWSの細かい部分などを学んでいます。
CTOという立場上、手を動かすことよりは全体を見ていることの方が多いとはいえ、常に新しいことに挑戦しているイメージです。
Q.CEOとの技術部分での意思決定において衝突はありますか?
意思決定は、CEOがビジョンを決めて現場に落としていく形になります。実行プランも強いデッドラインがあるわけではなく、緩めのデッドラインがあるだけです。なぜならば、色々な不確定要素があるので、柔軟に行えるようにしているからです。
意思決定は話し合って合理的に決めることが多いが、折り合わない場合はCEOが決めていく。
Q.起業や独立は元から念頭にあったのでしょうか。
自分で事業をしたいというのはありました。
一方で、キャリアをプランすることや「CTOになりたい」みたいなものはなく、肩書きはなんでも良いと思っています。
Q.キャリアを変えた出会いやきっかけはありましたか。
出会いでいうと、justInCaseのCEOの畑さんだと思います。
元々は新卒の会社のクライアントが畑さんでした。そこでお互い強烈なキャラクターだなーと思ったのが印象的でしたが、当時はお互い下っ端同士なので、そこから事業化に繋がることはありませんでした。
数年後に会社辞めますメールを送ったタイミングで、畑さんと飲みに行くことになりました。
その時、たまたま2人ともオライリーの機械学習の本を読んでいたことで盛り上がり、justInCaseの立ち上げに繋がることになりました。
Q.これまで歩んできた職種についてそれぞれの醍醐味を教えてください。
データアナリスト/サイエンティスト
さまざまな施策をデータで定量的に示し、実際にアクションにつながることと思います。一方で、提案が実行されるかどうかが上役の理解度に関係してしまうので、そこを意識しながら作ることに難しさはありました。
インフラエンジニア
アナリストよりも実は先のところを見据えて、こういう土台が必要などを考えてつくっていくところが楽しいです。どのような目的でデータを集めていくべきかという議論から参加できます。
CTO
全体感をみれるところです。
裏腹に、カバー範囲が広く情報の漏れがないようにすると、細かいところまで把握することは難しく、専門のスタッフに任せて把握してもらうことになるので、そこのバランスは難しいです。
Q.エンジニアのキャリアついてどう思いますか。
会社ドリブンではなく自分の腕を軸に、2-3年をスパンにプロジェクトをやりきった後に次にいく、これからのエンジニアはますますそういう人が多くなると思います。
Q.小泉さんが思う優秀なエンジニアとは。
1.自分で動ける人。自分一人で抱え込むのではなく、自分が動いて周りも巻き込んで動ける人。
2.技術と経験があれば優秀といえるが、それをチームに広めていくことが出来る人。例えばプルリクエストのレビューの緩急がしっかりと出来る人。
3.コミュニケーションスキルが高い人。コミュニケーションという言葉の定義は曖昧ですが、飲み会のコミュニケーションではなく、ローコンテクストで伝えることができる技術です。ハイコンテクストな言葉を使わずに共有し、理解ではなく同意を得られるような技術です。
Q.今SOLMUを利用してどういう人に会いたいですか?
1.インフラ知識など、技術的に尖っている人。人間的にぶっ飛んだ人
2.スタートアップから規模を大きくしていく時を経験したことがある人、10→50、50→100でまたステージが変わってくるのでその経験がある人。
Q.最後に告知がありましたらよろしくお願い致します。
インフラエンジニアを中心に採用を強化しています。保険テックに興味がある方、よろしくお願い致します。
スマホ保険サービスを提供しています。iOSユーザーはインストール可能です。Androidユーザーは、事前登録受付中です。
以上です。本日はありがとうございました!
SOLMUを通じて素敵な仲間とのワクワクを共有できる仲間作りを支援できればと思います。
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