IVRのタイムアウトと入力誤りを個別に管理する方法:データ入力【応用編】
IVRのデータ入力で、「入力タイムアウト」と「入力誤り」を別々にカウントしたいと考えたことはありませんか?
それぞれのリトライ閾値を管理し、さらにメンテナンス性を向上させたい場合、タスクを分けた構成が最適解です。
この記事では、タスク毎に処理を分ける構成を用いた具体的な設定方法をご紹介します。
なぜ処理をタスクごとに分けるのか?
通常、入力タイムアウトと入力誤りを同じリトライカウントで管理すると、以下のような問題が発生します:
タイムアウトと誤りの区別ができないため、柔軟なリトライ制御が難しい。
フローが複雑になると、設定変更時のメンテナンス性が低下する。
そこで、タスクごとに処理を分ける構成を採用することで、以下のメリットが得られます:
リトライ回数を個別に設定可能。
フロー構成がシンプルで理解しやすい。
メンテナンス性が向上し、設定変更が容易になる。
設定方法:3つのタスクで処理を分ける
以下の手順で、設定を進めます。
1. タスクの作成
以下の3つのタスクを作成します:
初期設定
リトライ判定
番号入力
2. 初期設定タスク
ここでは、リトライカウント用の変数を初期化します。
入力タイムアウト用変数:TimeoutCount = 0
入力誤り用変数:ErrorCount = 0
最後にエンドアクションで「リトライ判定」タスクにジャンプします。
※実際は、その他の初期処理も追加される場合が多いと思います。
3. リトライ判定タスク
このタスクでは、リトライカウントが閾値を超えているかをチェックします。
入力タイムアウトの閾値を超えた場合:参加者データを設定してACD転送。
入力誤りの閾値を超えた場合:参加者データを設定してACD転送。
それ以外:番号入力タスクにジャンプ。
4. 番号入力タスク
ここでは、データ入力とリトライ処理を設定します。
データ入力の失敗パス
入力タイムアウト時:TimeoutCount変数をインクリメントし、「リトライ判定」タスクに戻ります。
デフォルトケース(入力誤り)
ErrorCount変数をインクリメントし、「リトライ判定」タスクに戻ります。
成功パス
入力値に基づいた後続処理を設定します(詳細な処理内容は省略)。
完成した構成の特徴
タイムアウトと誤りを個別に管理:リトライ閾値をそれぞれ独立して設定可能。
タスク分割によるメンテナンス性の向上:フロー全体を直感的に理解しやすく、設定変更時の影響範囲を最小限に抑えられる。
柔軟な拡張性:後続処理やエラーハンドリングの追加が容易。
この構成がもたらすメリット
ユーザー体験の向上:正確なリトライ制御により、適切な対応が可能。
エラー防止:設定の分離により、複雑なエラーが発生するリスクを軽減。
効率的なメンテナンス:ロジックが明確になることで、他の担当者も簡単に理解・修正可能。
まとめ:リトライ処理をタスクで分割してフローを最適化!
入力タイムアウトと入力誤りを別々に管理するには、タスクを分割した構成が最適です。以下のポイントを押さえて設定を進めてください:
初期設定タスクでリトライカウントを初期化。
リトライ判定タスクで閾値超過をチェック。
番号入力タスクでデータ入力とリトライ処理を実行。
この方法で、フローの柔軟性とメンテナンス性が大幅に向上します。
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