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Genesys Cloudでキャンペーンの留守番電話対応を自動化する方法
キャンペーンを実行し、留守番電話に繋がった際に自動でメッセージを吹き込む設定をしたい!
そんなとき、適切なフローを作成しないと、うまく動作しないことがあります。
特に「インバウンドフロー」と「アウトバウンドフロー」を間違えて設定してしまうと、キャンペーンに適用できません。
この記事では、正しい「アウトバウンドフロー」の設定方法と、キャンペーンに適用する手順を分かりやすく解説します。
なぜアウトバウンドフローが必要なのか?
Genesys Cloudには、通話を処理するための「フロー」がいくつか用意されています。
その中で、アウトバウンドキャンペーンで使用できるのは「アウトバウンドフロー」のみです。
フローの種類
フローの種類 主な用途 インバウンドフロー 受電(着信)処理を行うフロー アウトバウンドフロー 発信時の通話処理を行うフロー ボイスメールフロー 留守電メッセージを再生するフロー
キャンペーンは**発信(アウトバウンド)**の仕組みなので、アウトバウンドフローを使用しないと設定できません。
つまり、「インバウンドフロー」を設定しても、キャンペーンでは適用されず、意図した動作をしないというわけです。
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アウトバウンドフローを作成する方法
キャンペーンの留守番電話対応を自動化するには、**「アウトバウンドフロー」**を作成し、録音したメッセージを再生する設定を行う必要があります。
手順
フローを作成
[管理] → [Architect] → [フロー] に移動
「アウトバウンドフロー」 を新規作成
フローの基本設定
フロー名を入力
「連絡先リスト」 を選択(任意)
ここで選択すると、フロー内で連絡先の情報を取得できます(ただし、キャンペーンで設定するリストとは別)。
「デフォルトのラップアップコード」 を選択(必須)
これは、オペレーターが応対しなかった場合に適用されるラップアップコードです。
例:「留守番電話対応済み」「不在」など、後でレポート分析に役立ちます。
留守番電話を判定した際に再生したいメッセージを設定
新しいタスクを作成
タスクを開始タスクに設定
音声の再生アクションを配置し、メッセージを設定
フローを発行
フローを保存し、「発行」をクリック
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コール分析応答を設定する
1.[コール分析応答] → [新規作成]をクリック
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2. 応答アクション
ここでは、発信された通話に対するコール分析の動作を設定します。
接続後コール分析を無効にする
説明: 通話が接続された後に、コール分析(留守番電話の検出など)を無効化します。
留守番電話の検出を無効にする
説明: コール分析による留守番電話の検出を無効化します。
ビープ音の検出を有効にする
説明: 留守番電話が検出された場合に、ピー音(録音開始の合図)を待つ機能を有効にします。
3. 留守番電話
説明: 留守番電話が検出された場合に実行するアクションを選択します。
選択メニュー:
アウトバウンドフローへ転送: 留守番電話と判断された場合、アウトバウンドフローに転送します。
転送するアウトバウンドフローを選択する必要があります。切断: 通話を切断します。
転送: 別のフローやエージェントに転送します。
4. 調節可能なライブスピーカー検出レベル
説明: 通話相手が「ライブスピーカー」(人間)であるかどうかを検出する際の感度を設定します。
選択メニュー:
無効: 検出を行わない。
低・中・高: 感度のレベルを調整します。高に設定すると検出精度が向上しますが、誤検出の可能性が高くなります。
5. ライブ音声
説明: 通話相手がライブスピーカー(人間)であると判定された場合のアクションを設定します。
選択メニュー:
アウトバウンドフローへ転送: 相手が人間であると判断された場合、アウトバウンドフローに転送します。
転送するアウトバウンドフローを選択する必要があります。切断: 通話を切断します。
転送: 別のフローやエージェントに転送します。
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キャンペーンにアウトバウンドフローを適用する
フローを作成しただけでは、キャンペーンには適用されません。
次の手順で、作成したアウトバウンドフローをキャンペーンに設定しましょう。
手順
アウトバウンドキャンペーンの設定を開く
[管理] → [アウトバウンド] → [キャンペーン管理] に移動
コール分析応答を設定
キャンペーンの詳細を開き、「コール分析応答」の設定を編集
先ほど作成した「アウトバウンドフロー」を選択
キャンペーンを保存し、開始
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「連絡先リスト」と「デフォルトのラップアップコード」の重要性
アウトバウンドフローを作成する際に、「連絡先リスト」と「デフォルトのラップアップコード」を設定する項目があります。
これらを適切に設定することで、キャンペーンの管理がスムーズになります。
🔹 連絡先リストとは?
ここで設定した連絡先リストをフロー内で使用することができます。
例えば、フロー内で「顧客の名前」や「顧客の契約状況」を参照し、
個別のメッセージを再生するといった対応が可能になります。
🔹 デフォルトのラップアップコードとは?
フローが終了した際に、自動で適用されるラップアップコードです。
例えば、「留守番電話が検出されたら、"留守電対応済み" という
ラップアップコードを設定する」などの処理が可能です。これにより、エージェントが応対しなかった場合でも、
通話の結果を管理・分析しやすくなります。
※あくまでも一例であり、様々な活用方法が考えられます。
まとめ
💡 留守番電話に自動でメッセージを吹き込むためには?
✅ 「アウトバウンドフロー」を作成する(インバウンドフローは使用不可!)
✅ 「コール分析応答」にフローを設定する(キャンペーン設定から適用)
✅ 「連絡先リスト」は必要に応じて選択(顧客情報を利用したい場合)
✅ 「デフォルトのラップアップコード」を設定(通話結果を適切に分類)
✅ 発信時に留守番電話と判定された場合に、メッセージを自動再生する
この設定を行うことで、キャンペーン実行時に留守番電話へ自動的にメッセージを吹き込むことが可能になります。
うまく設定できない場合は、Architectのデバッグ機能を活用してみてください!
関連リンク(公式ドキュメント)
これで、キャンペーンの留守番電話対応をスムーズに自動化できます!
Genesys Cloudのパワフルな機能を活用して、より効率的なキャンペーン運用を実現しましょう 🚀
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