Architectの変数の種類を徹底解説!用途別に使い分けよう
Genesys CloudのArchitectを活用する上で、**変数**の理解は欠かせません。変数をうまく使えば、フローの柔軟性や効率性が格段に向上します。
この記事では、Architectで使用できる4種類の変数について、それぞれの特徴と用途をわかりやすく解説します。
1. 組込変数
組込変数は、システムが自動的に設定する変数です。これらはあらかじめ用意されており、ユーザーが特別に設定する必要はありません。
特徴
- 自動設定: Genesys Cloudが自動的に値を割り当てます。
- 代表例:
- Call.Ani: 発信者番号
- Call.CalledAddressOriginal: 着信番号
活用シーン
- コールルーティング: 発信者番号に基づいて適切なエージェントに転送。
- データ分析: 着信番号や発信者情報をトラッキング。
2. Task.変数
Task.変数は、タスク単位で使用できる一時的な変数です。タスク終了時に値がリセットされるため、タスク間で値を保持することはできません。
特徴
- 任意で作成可能: 例: Task.Ani
- スコープ限定: タスク内でのみ利用可能。
活用シーン
- 短期的な値の格納: タスク内で計算した結果を一時保存。
- 個別処理: タスクごとに異なる処理を行う場合に利用。
3. Flow.変数
Flow.変数は、フロー全体で使用可能な変数です。タスクをまたいで値を保持できるため、長期的なデータ管理に適しています。ただし、フローが終了するとリセットされます。
特徴
- 任意で作成可能: 例: Flow.CustomerID
- スコープ広め: フロー内の全タスクで利用可能。
活用シーン
- 顧客情報の保持: フロー全体で一貫して顧客IDを保持。
- データ共有: タスク間で値を渡す場合に便利。
4. Common.変数
Common.変数は、共通モジュールで利用できる変数です。特定のフローに依存せず、複数のフローで共通して使用できる点が大きな特徴です。
特徴
- 任意で作成可能: 例: Common.CustomerPreference
- スコープ広範: 共通モジュール内で利用可能。モジュール呼び出し時に入出力として使用。
活用シーン
- 再利用性の高いモジュール設計: 複数フローで共通するデータ(例: 顧客の設定や選択肢)を管理。
- モジュール間のデータ共有: 複数のフローで同じ変数を参照。
変数を使い分けるポイント
- スコープに注目: 必要な範囲に応じて変数を選択。
- 一時的な値はTask.変数。
- フロー全体で共有する値はFlow.変数。
- 共通モジュールを使う場合はCommon.変数。
- リセットのタイミングを把握:
- Task.変数: タスク終了時にリセット。
- Flow.変数: フロー終了時にリセット。
- Common.変数: モジュールの入出力でリセット。
まとめ
Architectの変数を正しく使い分けることで、効率的かつ柔軟なフロー設計が可能になります。それぞれの変数の特徴を把握し、用途に応じた選択を心がけましょう。
「適切な変数選びは、成功への鍵です!」