見出し画像

小さな角砂糖の塔

2024年は毎月新曲をリリースしているsoles。その中でもこの6月の配信曲「Little Sugar Tower」は、バラードに位置づけられると思います。

実はこの曲のタイトルは、ぼくがずーっと前に体験した出来事が基になっています。

あれはぼくが20歳になるかならないかの時だったかな。当時ぼくは地元の友達とBLANKEY JET CITY(以下 ブランキー)というロックバンドのコピーバンドをやっていたんだけど。友達から教わったブランキーは、当時J-POPしか聴いていなかったぼくには刺激的でした。カラオケ屋を改造したような地元の謎のスタジオ(あせいではありません)に集まって、【ロメオ】やら【赤いタンバリン】やらをコピーして、ドキドキしながら危ないロックンローラー気取りで弾けていないギターをベンジーの真似をして弾きまくっていた記憶があります笑。
ある日。いつものようにスタジオで練習していると、下町夜市という地元駅前で月一で開催されているイベントの運営委員会の人がやってきて、『今度の夜市はバンド演奏をやろうと思うんだけど、出演しないか』という話が舞い込んできました。人前で演奏したことがないぼく達は、興奮気味にオーケーをしましたね。委員会の人が帰ってから、これでもかって暴れまわって練習したような気がします笑。

「あ、ボーカル誰がやる?」
そう。練習では誰も歌わず、演奏だけでした。
「いやー、ブランキーやるんだから、やっぱりギターが歌うっしょ!な、シミズ!」
「えええ!…分かった、やるよ…」

…結果から言うと、本番は全然練習の成果が出ず、緊張の為かいつもは弾けていたギターも上手く弾けず、ギターもベースもドラムもめちゃくちゃ。ズレまくった演奏と音程を外しまくったボーカルで、テンションがた落ち状態でその場をピクリとも動けず演奏して最後まで前が見られず、早く終われ!と思いながらゆっくりと進む時間ばかり気にしていたと思います。一番前で見ていた八百屋のおばちゃんみたいな人が、何言ってんだか分んないよ!もっとしゃんとしな!と吐き捨てていました。
ライブ後、心身ともにボロボロになったぼく達は、夜市会場から少し離れたハンバーガーショップにいました。初めてだから仕方ないよな、なんて慰め合いながら、メロンソーダとチリドックを頬張るぼく達は、多分もう集まってブランキーの練習なんてしないんだろうな、とその時誰もが考えていたんだと思います。事実、その後は本当に一度も集まらず、ただの友達に戻ったのだから。

ベースのヤツがメロンソーダを飲みながら言いました。
「…あのさー、俺、いつかオリジナル曲とか作っちゃってさ、自分達でCDとか出しちゃって、音楽活動してみたいんだよな」
驚くぼくとドラム。
「うん…、ちゃんと練習すれば、きっとなれるよ。〇〇くん、ベース弾いてる時カッコイイもんな」
「ありがとう…。でさ、いつかそうなった時の、バンド名、もう決めてあるんだよ」
ぼくとドラムは目を見合わせ、同じタイミングで視線を向かいの席に座っているベースに向ける。
「リトルシュガータワー。小さな角砂糖の塔。なんか、ブランキーっぽくない?」




と、これがLittle Sugar Towerっていうタイトル誕生秘話です笑。曲と全然関係ない笑。結局ベースのヤツは、バンドなんてやらず、別の仕事で海外に住んでいるとぼくは何年か前に風の噂で聞いた。でもなぜかそのネーミングを覚えていて、それが頭の隅にずっとあったみたいだ。いつかどこかで曲名に使おうと考えていて、やっと実現できました。めでたしめでたし。

…ではなくて、ここからが本番。長い笑。

この曲はぼくがアコギで作りました。4月5月とアッパーな曲が続いたので、潜在的に違うテンポと雰囲気の曲が書きたいと思っていたのかも知れません。あとはこの曲をつくり始めた3月くらいには、ねこ君に、こんな感じの曲もいいですよね、なんてスタジオの休み時間に色んなミュージシャンやバンドの音源をよく聴かせてもらっていたので、その情報も頭の中で混ざり合って。あとは、梅雨のしっとりとしたカンジを出したいと思っていたのもあると思います。
歌詞に関しても完全に6月曲として最初から意識的に書いたので、この曲が2024年毎月配信曲の中でもピンポイントで狙って書いた歌詞ですね。アレンジに関しては…、その話はねこ君に任せようと思いますっ…!

で、この曲もミュージックビデオを作りました。久しぶりに完全にぼく一人で動いて作ったビデオでした。曲が完成してからどんな動画にしようかと考えて、女の子2人が雨の日に室内でやることがないので角砂糖を積み上げて遊ぶ、という内容をイメージしました。となると、モデルを探さなければならず、協力してくれる方達が見つかるか不安でしたが、…奇跡的に見つかったのです!
動画を撮る場所も提供してくれる人が見つかり、本当に感謝感謝の中撮影を行いました。すごく楽しく撮影出来たと思います。
思えば今までのミュージックビデオでもそうですが、誰か協力してくれる人が見つかる事が多く、これがいつか大きな輪になってsolesがもっと沢山の人達に聴いてもらえる日が来ればと切に願っています。

独特の雰囲気を持つ良い曲なので、是非聴いてみてください。

出演モデルのミライちゃん(右)とクルミちゃん(左)
笑顔が可愛い
素敵な撮影場所でした
撮影終わりのぼく
ぼくとミラクル姉妹
右 撮影場所を提供してくれた腸活サロン WAMUSUBI オーナー小堀さん
左 ミラクル姉妹のお母様

本当にありがとうございました!!

いいなと思ったら応援しよう!