VOL.708 バルサミコ 〜用語辞典

バルサミコは、ブドウの汁を煮詰めたものからつくる甘みがかった醸造酢。

原材料や熟成期間、産地などによって、味わいや香りが異なり、樽に栓をしないで寝かせるので、年代物ほど濃度も甘みも強くなり、高価になります。

イタリア語の「Balsamico(バルサミコ)」は、英語の「aromatic(かぐわしい、芳香の)」という言葉に対応します。バルサミコは、そもそも殺菌作用に優れた「酢」であるため、薬用として評価が高く、媚薬としても有名でした。

17世紀には、うがい薬にしたり、強壮剤、養毛剤として用いたり、疫病、特にペストに対する予防効果があるとして使用されました。そのため、持ち運びに便利なように小さな樽に入れて売られるようになったようです。特に、サクラ材の樽で長年熟成をさせたバルサミコには、ポリフェノール成分が大量に含まれるそうです。現在でもその名残なのか、メーカーによっては薬の瓶に似た形で売られています。

肉料理や魚料理のソース、サラダのドレッシングに。料理に深みのある美味しさが加わります。調理法によって、必要量を小鍋で弱火にかけて煮詰めてから使うことで、普及品でもより高級品に近い味が得られます。また、サラダなどのあっさりした料理では、熟成が浅く酸味が強いものは、通常の酢に近い使い方をします。

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