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愛着が突然切れるようなことはありますか?|母性よりも大切なものがあるー安倍元総理の述懐より

愛着って分かりづらいですね。愛着の復習をしましょう。虐待のある場合は、愛着不全でなく愛着障害になります。

愛着があったのに、突然愛着が切れるような出来事が起こることはありますか?愛着って一体なんなんでしょうか?
お母さんから心理的虐待 (暴言や情緒的ネグレクト)があっても、お母さんが大好きな気持ちが消えないなら愛着障害にはならず、愛着不全になるんでしょうか?

高間しのぶの質問箱より

【お返事】愛着とは「人生を生きる安心感」です。赤ちゃん時代(2歳くらいまでの間)に確立された「基本的信頼感」ですね。

  • 自分の生まれてきた世界は大丈夫だ、という感覚です。

これが愛着です。普通ですと、この愛着が突然切れることはありません。なぜなら「確立」されているからです。しかし、例外はあります。それは…

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■PTSDが愛着を壊す

PTSDという不条理な出来事によって、いま生きている人生への安心感に亀裂が入ります。日常生活を送っているだけでは、不条理な出来事は想定することができません。それはある日突然、あなたを襲います。あなたは何も悪いことをしていないのに、人生最悪の事態に巻き込まれます。これがPTSDです。

この不条理な出来事は、世界への安心感に深い溝を作ります。氷河のクレバスのように。それは深く深く溝を作ります。この溝によって安心感が、一時的に、部分的に、破壊されてしまいます。

このクレバスに否定的な体験が染みわたっていき、あなたの恐怖感情が刺激されます。そのため、過覚醒・解離・回避などの症状が出現します。これがPTSDの症状ですね。

このクレバスへの手当ては、安心感を与え続けること。この一択です。これには親の存在は大きいでしょう。子どもに安心感を与え続けること。3.11の東日本大震災で子どもたちがPTSDにならなかったのは、この親たちの存在が大きいのです。親たちが子どもをしっかりと守っていたからPTSDは免れたのです。クレバスはすぐ閉じました。

しかし親たちにはPTSDが広がりました。親たちは自分の人生をしっかりと生きていたため、それを破壊させるような不条理な出来事をまともに受けてしまったからです。逆に、さほどしっかりと生きていなかった大人は、皮肉ですが、PTSDにはならなかったことが推測されます。

子どもが、途中から養親が変わって虐待を受けた場合は、このPTSDに準じます。参考記事は▼

親による虐待が小学生の頃から始まった場合、子どもは愛着障害になるのか?

■母からの虐待は愛着障害になります

心理的虐待やネグレクトばかりでなく、情緒的ネグレクトがあると、子どもは母親から安心感をもらうことができません。お母さんが大好きでも安心できないのです。これによって愛着障害になります。

お母さんが大好きな気持ちは、愛着障害の場合、ファンタジーからくるものです。子どもがどんなにお母さんが大好きでも、母親から返ってくるものがないと、安心感など到底得ることができません。

この状態が長く続く(人生早期の数年間)と、子どもは愛着障害になります。

■虐待する母親が大好きな僕

こんなマンガがあります▼

母さんがどんなに僕を嫌いでも(歌川たいじ, 角川書店, 2013)

僕はお母さんに虐待されたけれど、お母さんが大好きだ、ということを宣言しているマンガです。実話です。

そうなのですが、ラストのシーンを見ると、友だち(双子たち)と一緒に生きる人生を、自分の羅針盤として大々肯定しています!このカメレオン(親友・双子)的な生き方がベースにあるので、母親からの虐待生活を、ダブルファンタジーとして生き直せたのかもしれません。

彼を救ったのは、母親ではなく、友だち(双子たち)なんですね。つまり、双子のカメレオンは母性以上のものとして機能するのです。表面的には「母親と僕のダブルファンタジーへ至るストーリー」ですが、根底では、「双子の友だちと僕のストーリー」です。それがあったからこそ、母親がダブルファンタジーとして再生できたのではないでしょうか。

双子とは、「同じ影をもった同士」でした。▼

母性よりも大切なものがあるということです。それは友だち(双子)です。このマンガのラストは、次の言葉で締めくくられています。

人は 寄り添いあわなければ 生きていけないのだから 寄り添うひとりとして そこに生きているだけで 君には価値がある。(中略)だから 生きてゆけ。

母さんがどんなに僕を嫌いでも

この話は、ラジオおやすみカフェに続きます。

■まとめ

  • 愛着とは絶対的安心感、基本的信頼感のこと。

  • 愛着に亀裂が入るのはPTSDを受けたとき。

  • 母親のことが大好きでも虐待されていたら愛着障害になる

  • 双子の友だちは母性以上のものとして機能する。母親は求め続けるものではない。


□夫婦関係は「戦友」|ラジオおやすみカフェ

今日のラジオおやすみカフェのテーマは…双子の友だち。詳細はラジオをお聴きください。

  • 安倍元総理の夫婦関係は、理想的な双子自己対象。戦友とは双子のこと。

  • あらゆる人間関係は双子を求める。つまり親友・同士・カメレオンを求める。

  • 人間関係に、母性・父性は求めるものではない。つまり家族の中で成長した子どもは、家族(父・母)を離れ(切って)、双子たち(親友)とともに生涯を全うする(こども家庭庁ってホント?)。

カメレオン、双子については、ソレアの記事をご覧ください。

■他の助けを求めるのもいいでしょう

あなたが愛着の問題を抱えている場合は、自分の物語を十分に話せる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。

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