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愛着障害や愛着不全のあなたが、人生を歩んでいく鍵は何か?

昨日の放送に対して質問が3通ほどいただきました。そのお返事をまとめました。昨日の放送とは▼

愛着をめぐる鍵の話|あなたの人生、彼らの人生で落とした鍵は何ですか?

今日の記事で解説するものは、

  • 落とした鍵の数について

  • 愛着障害を回復させる鍵について

  • 開いたドアの先に広がる世界とは?

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■愛着をめぐる鍵の話

【質問】鍵の話、「愛着障害は1つで、愛着不全はたくさんある」ってことですか?

【お返事】愛着障害、愛着不全のカウンセリングを実践してきて、私が感じているイメージです。

  • 愛着障害の鍵は、車のイモビライザーキーのように、ICチップが内蔵されている唯一無二のキーで、そのキーを使ってあけるドアも、銀行の金庫のような重厚なドアです。
    爆弾ではふっ飛びそうにありません。適切な鍵が必要です。

  • 愛着不全の鍵は、普通の鍵で、ドアも一般家庭の戸建てやマンションのドアのような感じです。泥棒に入られることもない、いたって普通のドアです。
    しかし、感情ごとにドアもキーも、いくつもあるから、やっかいなんですね。何度も何度も違うドアが亡霊のように現れてくるので、当人も、カウンセラーもたいへんです。一難去ってまた一難という感じ。

こんなイメージがあります。そのくらいの覚悟で臨床家は臨みましょうということですね。

■愛着障害の人が探している鍵とは?

【質問】2022/3/26(日)スタエフに質問です。愛着障害の鍵は、基底欠損の世界から抜け出す扉を開けるための鍵とのことですが、それは各々(違う)...って感じでしょうか?想像が全くつかないのですが....
人によってはそれは、例えば、お子さんだったり、流浪の旅そのものだったり、音楽などの表現だったり・・・とかでしょうか。愛着不全の鍵の抑圧された感情は何となく想像つくのですが、 愛着のない世界と愛着の世界を結ぶ鍵って一体何なんだろ?と気になりました。

【お返事】あなたはおそらく愛着のある世界で育ってきたなんでしょうね。愛着障害の世界の鍵がよく分からないというのは、良かったと思います。いたって正常だと思います。

愛着障害の、彼らの鍵は、ひとことで言うなら「安心感」です。その安心感の鍵を使って、重い扉を開けていくのです。

その安心は、子どもとの情緒交流を通して得たり、知らない土地を流転したり、音楽や美術などの芸術だったりします。夕暮れ時に聴いたカラスの声かもしれません。双子のカメレオン、つまり親友の存在も大きいですね。

そういう複数の安心感が、時間をかけて積み重なっていって、愛着障害の症状の筆頭である解離から覚醒へ移行して、その鍵が手の内にあることを自覚していきます。幻のようにうっすらと見えていた鍵が実体化(リアル)していきます。そして、その鍵で自分の扉を開こうと決心します。

■ドアの向こう側の世界

【質問】鍵の話、ありがとうございます。 臨床的な存在の鍵で開けた先の世界に行くと、どんな感じがするのでしょうか? 家族、仕事で 、前とは違うと自覚しますか? 以前とは違う違和感を感じる時間は、普通の世界に居るということですか?

【お返事】なくした鍵を使って開けた、ドアの向こう側の世界の感覚についてですね。

◇愛着障害の人の向こう側

愛着障害の人にとっては、前と状況が同じでも、向こう側の世界へ行くと、「恐怖」を感じることがほとんどなくなっていることに気づくでしょう。親密さも恐くなくなります。

しかし、怖くないけれど、親密関係を率先して作りたいとは思いません。ですから、前と状況は変わりません。しかし怖さはなくなるので、ずいぶんと楽な生活に変化します。

状況は変わっていないけれど、自分が【楽(安心)】な感じになっていれば、普通の世界に降り立っているということでしょう。この世界は愛着障害の人にとっては、未体験ゾーンなので、新たに降り立った感じがします。

◇愛着不全の人の向こう側

愛着不全の人にとっては、向こう側の世界へ行くと、ガマンもすることはなく、東京を一瞬に焦土化するゴジラのような怒りも納まっています。

自己主張も自由に行えるし、自分の気持ちも優先できます。相手の話も、ちゃんと聴けるようになります。前の世界では、相手の気持ちより自分の気持ちを分かれ!という強い訴えがありましたが、憑き物が取れたように変化します。

今いる世界の生活がのびやかに【自由】であれば、純粋な歓びに満ち溢れているのなら、普通の世界に戻ったのでしょう。この世界は愛着不全の人にとっては、かつて居た世界なので、ようやく故郷に戻ってきた感じがするでしょう。古くて新しい感じでしょうか。

◇ラジオのおやすみ談話室:強い怒りを秘めた人は、そのパワーの強大さも同時に感じていて、それを出すことに恐れています。しかし、これをこころに秘めているうちは、そのパワーのコントロールが失敗して、自分を焼き尽くすこともあるかもしれません。

■他の助けを求めるのもいいでしょう

もし、あなたが愛着の扉をあける鍵を失っている場合は、臨床心理士などの心理の専門家とその鍵を探す旅に出るのもいいでしょう。その冒険譚が大団円を迎えますように。

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