映画スタンドバイミーが意味するもの|あなたにとって大切な思い出「永遠の12歳」は?
思い出というものはあなたを遠くから見守ってくれていて、ときどき「やぁ」とやってきて励ましてくれるものです。Stand by me で描かれるものはそういうものですね。今回は、スタンドバイミーに描かれる「永遠の12歳」について考えてみました。
■映画スタンドバイミーで描かれるもの~友情
ホラー小説で有名なスティーブン・キングの原作を映画化したもので、12歳の4人の少年の物語です。森の奥に捨てられていると噂される死体を探しにいく冒険物語というフォーマットで書かれています。そして、この物語は、「永遠の12歳」について書かれたものです。人生を生きるために結んだ友情を育んだ時期、それがあの物語では「12歳」だったわけです。
I never had any friends later on like the ones I had when I was twelve. Jesus, does anyone?
ここまで人生をやってきたが、12歳のときに出会った友だちのような奴とは、もう二度と出会うことはなかった。
そのようにスティーブン・キングの小説は終わります。
物語は4人の少年の友情物語ですが、これは別に特定の人に限った話ではなく、「そのような時代」と考えてもいいでしょう。「永遠の12歳」という時代ということです。そう考えると、人によっては「永遠の〇〇歳」という表現になるでしょう。○○には、17歳、19歳、20代なんて数字が入るかもしれませんね。
■裏のテーマ~新しい時代へ入っていく不安へのエール
12歳という年代ですが、この年代は【学童期が終わって思春期へ入っていく】頃です。ここにこの物語の裏のテーマがあるでしょう。つまり、
・学童期が終わることへの郷愁
・思春期(大人への階段)が始まる不安
「学童期の卒業冒険旅行」という物語のフォーマットが、思春期への不安を軽減しています。あの Stand by me の音楽もより一層勇気づけられますね。あの歌を聴いて涙する人も多いのではないでしょうか。なぜなら郷愁とともに勇気づけられるからです。私にとってはジョンレノンの Stand by me です。もうすぐ彼の命日ですね。
思春期は、もう子どもではいられないと思い始める時期です。おっかなびっくりで大人の世界を垣間見る時期です。実際はまだまだ子どもですが、大人への期待と大きな不安が入り混じっていく時期です。そんな時期に対して、学童期に培(つちか)った友情を育みながら生きなさいとエールを送ってくれる物語なのでしょう。
■私の「永遠の12歳」の記憶
60年余生きてきた自分の記憶を振り返ると、私にも「永遠の12歳」はありました。小学校6年生ですね。まさに「12歳」の時です。大学の頃にもこころの大きな変化があるのですが、そういうものにも比較にならないくらい、私の「永遠の12歳」は今も「永遠」であり続けています。皆さんはどうでしょうか。
しかし、私には、この「永遠の12歳」以前の記憶がほぼ失われているのです。記憶というものは不思議なものですね…(この続きはラジオで☺)
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