高齢者に対しての言葉かけは?|受容しながら相手を思いやること
【お返事】高齢者施設での介助、ごくろうさまです。認知症の人でも、そうでない人でも、言葉かけは同じです。こういう言葉かけがいいよ、というものはありません。その場、その場で、臨機応変な対応が求められます。しかし、いい言葉かけが浮かぶ方法はあるでしょう。キーワードは【受容】です。
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■いい言葉かけが浮かんでくる方法
目の前の人の人生を思いやって【大切に扱う】ことです。これって、当たり前のことですが、難しいことでもあるでしょう。朝の忙しい時間帯に、利用者が暴れているのを取り押さえながらやる必要があるからです。
でも、これしかないとも思います。以前海外から専門家を招聘したBPDの研修に行ったことがあります。心理職は少なく、病院のコメディカルの人たちが多かったかな。そこでいろいろとワークをやるのですが、質問は忘れたのですが、「その人のそばにいよう」とか私が答えました。すると間髪入れずに、看護師さんでしたか、「この状況で「今ここ」をやってもしかたがない」という指摘が入りました。私は、それしか、この場ではないだろうと思いつつ、BPD治療の暗い未来を思い描いたものです。
この体験から言いたいことは、大切なことは外さないこと、ということです。忙しいときこそ、問題が勃発しているときは、基本に忠実にやることです。
利用者が騒いでいたとしても、対応する人が、ちょっと一息いれて、「この人の人生にも色々あったんだな。受け止めてもらいたいんだな。」と思えれば、「つらいですね。」という言葉が自然と浮かんでくるでしょう。そして、その人の背中をさすってあげたくなるでしょう。これは、本心の言葉かけといえるでしょう。こういう思いやりと行動によって認知症の人々の暴言が収まることだってあるのです。
こうやって【目の前の人を大切に扱う】こと。これは高齢者施設だけでなく、日常生活でも同じことでしょう。
■行動や言葉の背景にあるものを思いやる
認知症に限らず、統合失調症や発達障害の人々も、その問題となりそうな行動の背景には、何らかの理由が潜んでいることも多いです。高橋和巳先生のどこかの本で、統合失調症の患者さんの話がありました。詳細は忘れましたが、特定の記憶の話ばかりをする患者さんです。そのことを注意深く聴いていると、それは患者さんとお父さんとの心温まる思い出だったのです。その思い出が彼の人生を支えるものになっていたのです。
そういうこともあるのです。行動がどんなに変だったとしても、少し立ち止まって、分からなくてもいいので、患者さんのその行動を観察していると、患者さんにとって大切な鉱脈に突き当たることもあるかもしれません。あなたの共感が患者さんのこころを開くかもしれません。もし、そういうものを発見できたら、それは支援者としてもほのぼのとした記憶になるでしょう。
質問者さんの「もうこんな身体なんだから生きていてもしょうがない」と言われたら、体が言う事をきかない事実を受け止めてもらいたいんだなと思って、「つらいね。」と言って、その人の痛がっている膝などをさすってあげるのはどうでしょうか。
■興味関心チェックシート
興味関心チェックシートについて調べてみました。医療や介護現場で使用されるもので、日常生活動作(ADL)や家事動作(IADL)、趣味・余暇活動、スポーツ、社会参加などの項目から、通所介護を利用している高齢者のニーズを把握するための検査ということです。内容は、以下です。デート…ありますね。車の運転が入っているのは、どうでしょうね。免許返納の時代ですが、田舎では車がないと死活問題ですし、難しい問題です。そのうち自動運転になると、また話が違ってくるかもしれませんね。
・自分でトイレへ行く
・一人でお風呂に入る
・自分で服を着る
・自分で食べる
・歯磨きをする
・身だしなみを整える
・好きなときに眠る
・掃除・整理整頓
・料理を作る
・買い物
・家や庭の手入れ・世話
・洗濯・洗濯物たたみ
・自転車・車の運転
・電車・バスでの外出
・孫・子供の世話
・動物の世話
・友達とおしゃべり・遊ぶ
・家族・親戚との団らん
・デート・異性との交流
・居酒屋に行く
・ボランティア
・地域活動(町内会・老人クラブ)
・お参り・宗教活動
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