愛着からみたエナジーバンパイア|【結論】愛着不全なのにそれに気づいていない人が関係ありそう
【お返事】エナジーバンパイアとは、人からやる気やエネルギーを奪う人のことですね。そして、人からエネルギーを奪うほどに自分は元気になっていく。まさに生き血を吸って元気になる吸血鬼です。この言葉の出典を探したのですが、特定の人物に当たりませんでした。主にスピリチュアル界隈で使われている言葉のようです。
まずは、いったいどういう人がバンパイアに該当するのでしょうか。
この記事では、次の9つの特徴があるようですね。ざっと調べたところによると、言う人によって10個になったり12個になったりしていますが、おおよそこの9つに集約されるようです。
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■エナジーバンパイアを臨床心理学の視点から解説
質問箱では、愛着にどのように関係するかという質問でしたので、スピリチュアル用語の「エナジーバンパイア」を臨床心理学の視点で解説します。便宜的に愛着障害をA、愛着不全をBとして考えてみました。これらの特性の何個あれば「エナジーバンパイア」か?それの記述はありませんので、あくまでも一つのゲーム(お遊び)と思ってよいのではないでしょうか。お遊びですが愛着視点は真剣に考えています。
私の説明の根拠は、臨床から得た体感です。ソレア心理カウンセリングセンターにやってくる4割の人は愛着障害で、3割の人は愛着不全です。ほぼ毎日、彼らには会っていますので、荒唐無稽なことを書いているわけではないと思います。
愛着障害と愛着不全の違いについては、下記をご覧ください。
1.見下す
A : × 愛着障害の基本特性として「人が怖い」があります。ですから見下すなんて、上下関係をつける行為は、ほぼありません。
B : 〇 自尊心、自己肯定感が低いので、人と比べる行動が多発します。自分を保つためには人に対してマウントをとっておかないと自尊心が持ちません。自分よりもレベル(一般的な価値)の高い人を恐れます。あるいは、レベルの高い人に従順になります。
2.脅す
A : ×
B : ×
愛着障害の人は脅すことはなく、愛着不全の人も、ほぼないでしょう。人を脅すということは、何をしたら人は恐れるかを良く知っている人です。人は愛着に関連したことを揺さぶられると動揺します。例えば、身内を人質に取るとか。こういうことは愛着について知り尽くしていないとできないでしょう。よって、脅すのが上手な人は、普通の愛着形成が出来ているということになるでしょう。
しかしこれは、サイコパスは除きます。サイコパスは愛着の有無を問わず、人のこころの弱点を突いてくる人です。エナジーバンパイアというより、もっとパーソナリティ障害っぽい人といえるでしょう。愛着障害、愛着不全の人は、パーソナリティは障害されていませんから。
3.否定する
A : × 相手を否定するよりも、相手に合わせて来ます。よって、否定するよりも、表面的には肯定するでしょう。しかし、これは合わせているだけで、決して肯定しているわけではありません。
B : 〇 自分の自尊感情を高く保つために、相手を否定し、相対的に自分を高い位置に保持しようとします。
4.目立ちたがる
A : × 愛着障害は、反応性アタッチメント障害と脱抑制型対人交流障害の2パターンありますが、反応性の人はなるべく目立たないように生きています。脱抑制の人は、外見的には目立ちたがりの印象を受けますが、付き合い出すと自分をしっかりと隠します。
B : 〇 「見て!」という声が聞こえてきそうなのが愛着不全の人。ですから目立ちたがり屋と言えそうです。目立ちたいのですが、自尊感情がありません。非常にアンバランスです。
5.悲劇のヒロイン
A : × 注目されないようにひっそりと生きる愛着障害の人にとっては、ヒーロー・ヒロインは、もっての外です。
B : 〇 目立ちたがると同じ特性です。悲劇のヒーロー・ヒロインになります。
6.人をこき使う
A : × 全部自分で抱えてつぶれていくのが愛着障害の人の定番の生き方です。ですから人をこき使うなんてできないでしょう。人を頼ることさえできません。
B : × 人を支配することはありますが、こき使うことはないでしょう。影響力が及ぶだけで満足します。ですからマウントはするのですが、それだけです。
7.正論(持論)で言いくるめる
A : × おおよそ自分で正論というものを持っていません。ですから主張するものがありませんし、もとより主張もできません。
B : 〇 主張できない人が多いのですが、主張できなくても持論は持っています。しかし、それで言いくるめることには興味がありません。ただ認めてほしいだけです。
ここまで見て分かる通り、愛着障害の人は、ここまではエナジーバンパイアに該当しないことが分かりました。
またこれらの特徴が出てくる愛着不全の人は、自分の不全さに気づいていない人の場合に、より強く出る傾向がみられます。
自分の愛着の不全感が分かっている人や、自分がAC(アダルトチルドレン)という自覚のある人は、愛着不全であっても、ここまでの特性は影を潜めるでしょう。ということは、愛着不全の人も、これほどまではエナジーバンパイア化しないかもしれません。カウンセリングには、そういう愛着不全の人がやって来ます。自覚はあるわけなので回復の可能性もアップします。
8.引きこもる
A : 〇 ときどきあります。
B : 〇 少なくない割合で存在します。
ひきこもりについては、愛着に関係なく起きる事象です。体感として、愛着障害よりも愛着不全のほうが、ひきこもる傾向は強いと思います。なぜなら社会化に対しての不安が強いのが愛着不全の人たちだからです。
愛着障害の人は、社会では生活できないくらいの恐怖を持っていますが、それが自分の義務であることも認識しており、社会に出る行動につながりやすいからです。それでも「社会にちょっと出ては疲れて怖くなってひきこもる」ということを繰り返すときもあります。
9.小悪魔(あるいは、ちょいワル)
A : 〇
B : ×
小悪魔は女性に対して使われる言葉ですので、男性に対してはちょいワルでしょうか。愛着障害の人は「小悪魔」が当てはまる場合もあればそうでない場合もあります。当てはまらない場合が多いかもしれません。幸薄い印象ですから。当てはまる場合は、自分で意識していない感じです。世間でいう小悪魔ってそれを意識している女性が多いかなと思いますが、愛着障害の小悪魔(ちょいワル)にはその意識がありません。「天然の小悪魔」のような感じ。それが異性を魅了するのでしょうね。意識していないので、それを指摘されると、小さくなります。外へ出てこなくなります。それを利用して異性をたぶらかそうなんて考えは微塵もありません。
愛着不全の人は小悪魔っぽくはなれないかもしれません。なぜなら執着が前面に出てきますから。小悪魔って執着があっても、それを隠していたりするじゃありませんか。見せないようにしている。しかし愛着不全の人は愛情飢餓の中を生きていますから、隠す余裕などないでしょう。
9つの特性を見てきました。ここまでをまとめると、
愛着障害の人はエナジーバンパイアになれない。
愛着不全の人はエナジーバンパイア化しますが、自分の不全感に気がついてくると【脱バンパイア化】するのではないかと思います。苦しいんですけど、バンパイアになってしまった身体が、また人間に戻ろうとします。バンパイアにはすぐなれるけれど、人間に戻るのはとっても苦しい作業ですが…
■エナジーバンパイアに出会ったらどうすればいいか|結論は一択:距離を取る
紹介したサイトにはエナジーバンパイアへの対処法も書いてありました。9つありましたが、実際は1つに集約されます。この1つを自分なりにアレンジして使ってみてはいかがでしょうか。
自覚していない愛着不全がエナジーバンパイアの実態だとしたら、( )はやらないほうがいいでしょう。
姿勢についてはどうでもいいですが、愛着不全の人は微妙な態度を鋭く察知します。ですから重心を後ろにして聞いていたら、その変な聞き方に感づかれるでしょう。
本音は伝えないほうがいいでしょう。本音を伝えても、自分の気持ちのほうが勝っているので、受け入れてはもらえないことが多く、より執着(しつこく)されるのがオチです。
【 】はやったほうがいいものです。
距離を取るのは定番です。これは、
物理的に距離を取ることもできますし
心理的に距離を取ることもできます
両方とも実践しましょう。物理的な距離は、環境を変えると同義です。遠くに引っ越す等です。
心理的な距離は、会う回数をだんだん減らしていく等です。だんだんと距離を取ることで、過度に拒絶することも回避できますし、距離を取っているために過度に共感しなくて済みます。親密(仲良く)もなれないでしょう。
■まとめ
エナジーバンパイアを愛着から考えると、愛着障害あるいは自分が愛着不全と自覚している人はなりづらく、愛着不全の人で、かつそれを自覚していない人はなりやすい。
ひきこもる、あるいは小悪魔なバンパイアの中には、愛着障害や愛着不全の人がいる可能性がある。
エナジーバンパイアへの対処の定番トップは「距離を取る」です。これ一択でいいでしょう。自由度の高いやり方です。ご自身に合った色々な方法を考えてみましょう。
Another Side of This Narrative Essay
雑談です。冬枯れのこの時期、ヘルシンキのビル・エバンスいいですよ。優しくて内に秘めた熱さ。映像も抜群です。私の定番のYouTubeです。
Bill Evans in Helsinki (1970 Live Video)
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