視界良好|パーソナリティ障害は愛着の視点でみると霧が晴れる
今回は2大パーソナリティ障害についての質問を取り上げています。NPDとBPDです。
※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■自己愛性パーソナリティ障害(NPD)と愛着の関係
自己愛性パーソナリティ障害(人格障害)には2タイプあるとされています。
①誇大型(カーンバーグ)DSM-5は誇大型のみ
②過敏型(コフート)
質問者さんのおっしゃる無自覚型とは誇大型のことですね。
◇自己愛の2タイプ
DSM-5の自己愛性パーソナリティ障害の診断は、カーンバーグの理論によるもので誇大型のみです。過敏型の記述は出てきません。しかし、臨床的には過敏型もあり、これはコフートによるものですが、コフートは先見の明がありますね。
誇大型は、脳機能の問題か、一部の愛着不全がかぶってくるでしょうか。
過敏型は、かなり愛着障害よりの概念です(イコールではないと高橋和巳先生はおっしゃています)。ですから、反応性や脱抑制は過敏型に近いタイプになります。ですから、DSM-5が記述する病態像とは大きくかけはなれています。
反応性も脱抑制も、ルーツは同じ愛着障害ですので、同じ場所(過敏型)にいます。外見的に見た目が違うだけで、こころの中の状態はほぼ同じなんですね。ですから、反応性も脱抑制も回復すると同じような感じになります。
■境界性パーソナリティ障害(BPD)と愛着の関係
境界性パーソナリティ障害(人格障害)と愛着の関連についての質問をいただきました。
境界性パーソナリティ障害については、この回答を読むまでに、私の小冊子を参照ください。こちらからダウンロードできます▼
この小冊子の区分は、私の臨床経験によるものですが、境界性パーソナリティ障害には、3つの病態がごちゃっと入っていて、これらは区別しないといけないものです。それは何かというと、
愛着障害
思春期心性(愛着不全)
発達障害(知的障害を含む)
そして、愛着障害は基本的信頼感がありませんが、思春期心性(愛着不全あるいは10代のお子さんたち)の人々は基本的信頼感があります。
◇境界性パーソナリティ障害(BPD)の特徴
DSM-5を見てもらえばわかりますが、BPDの問題は、3つの「こ」の特性に集約されるでしょう▼
「こ」ども:子どものような未熟さがあります
「こ」うどうか:リストカットのような行動化が激しいです
じ「こ」どういつせい:自己(自我)というものが形成されていません。
これらを上の3つの病態にあてはめると、
愛着障害:自己同一性、(未熟)
思春期心性(愛着不全):未熟、行動化、自己同一性
発達障害:未熟、自己同一性
基本的信頼感は獲得しているのは、思春期心性と発達障害です。
それを獲得していないのは愛着障害です。しかし彼らは「かりそめの成人期」を獲得していることが多いので、その分、未熟さを感じさせません。
■まとめ
パーソナリティ障害は、愛着の視点で見直すと、その状態像がはっきりと見えてくる。つまり、パーソナリティ障害は誤診のことが多い。
◇追記
愛着障害の人は回復中に、どこでつまづくか?それは▼
自分は知的障害ではないか?
自分は発達障害ではないか?
◇ラジオおやすみカフェ:今宵のメニューは…花がキレイな季節です。ひたちなか海浜公園ではネモフィラが見事です。
■パーソナリティ障害と診断されている場合はセカンド・オピニオンもいいかも?
もし、あなたがパーソナリティ障害ではないかと思っているときは、愛着に詳しい心理の専門家にアドバイスを求めるとよいでしょう。時間はかかるかもしれませんが、あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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