愛着障害の人が使う【投影】と未熟さについて

【質問】防衛機制のお話かなり参考になります! 個人的にはこれから何度もリファレンス必至だと感じました。早速質問なのですが「投影」の愛着障害の説明 で「自分の感情は理解している」とありました。 が、以前質問箱の回答で愛着障害は自分の感情に鈍感(わかってないだったかな)との指摘があった気がするのですが... 質問内容は確か「自他の気持ちに敏感な人」とかだった気がします 。
それで回答には、自分の気持ちにだけ敏感なのは愛着不全、人の気持ちにだけ敏感なのは愛着障害、自他の気持ちに敏感なのは普通の人( うろ覚えですが)とあり納得した記憶がありました。
あと愛着不全は「未熟」との言葉が何度かあったのですが、愛着障害は未熟ではないということでしょうか? 愛を知らないのに?1人で大人になるということでしょうか?そんなことは可能なのでしょうか。

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

【お返事】愛着の視点から防衛機制について解説したものは、これまでにないと思いますので、愛着について学んでいるかたは是非参考にしてください。この解説は、私が愛着の臨床の中から学んだものですので、利用価値は高いと思っています。▼

今回は愛着障害について、次の2点を解説していきましょう。

  • 投影についての補足説明

  • 愛着不全の未熟さの違い

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■投影の補足説明

上の防衛機制の話で出てくる投影の部分に、愛着障害についての説明を補足しておきました。太字の部分です▼

投影(Projection) - 自分の中にある受け入れがたい不快な感情を、相手が持っていると思うこと。例えば、実際は自分が相手を憎んでいるのに、「相手を憎んでいる」とは意識できずに、相手が自分を憎んでいて攻撃してくるのではないかと恐れること。例えば、自分が性的な欲望を感じている異性に対し、相手が自分に情欲を感じていると思い、「誘惑されている」と感じること。
愛着障害:× 自分の感情は理解している(理解はしているが、感情として感じていない。客観的に感情を見ている)
愛着不全:○ ひんぱんに使う

https://note.com/soleapsy/n/n43b2862cd537

愛着障害は、「自分の感情は理解している(理解はしているが、感情として感じていない。客観的に感情を見ている)」わけです。つまり感情的には鈍感といえるでしょう。

例えば、愛犬が死んでとても悲しい状況であるのに、そしてそれは悲しいはずなのに、自分は悲しいと感じているはずなのに、感情がついてこない場合です。これは「解離」をしているからこういう事態になっているのですが、それも分からずにただ立ち尽くしている。自分の感情を理解はしているが感じていない(鈍感)ということですね。

自分の感情に鈍感というのは、それを感じないように「解離」という防衛機制を使って、かなり用意周到に(無意識的に)操作しているわけです。

愛着不全の人も、感情に鈍感な人もいます。しかしそれは、浅い部分での鈍感であって、飢餓感はもう目に見える水深の深さでフツフツとしているのです。彼がカウンセリングに来たら、その飢餓感は遅くないうちに噴き出るでしょう。

人食いサメのジョーズがそこまでやって来ている感じです。愛着不全の人は「感情が鈍感+飢餓感」ですね。ただ、この鈍感は、すぐに反転します。表面化し、敏感に転じます。どの感情が敏感になるのか?それは「怒りと恐怖」です。

「感情(怒りと恐怖)が敏感+飢餓感」この状態は大変です。感じなくてよかったものを感じ始めるから。しかし、ここを越えていくしか道はありません。私には、他の道が見えません。(けれど他のカウンセラーはそれが見えている人もいるかもしれません。)

愛着障害の人は、この飢餓感がありません。執着がないので当然ですね。感情を越えるだけなので、ある意味、回復は早いと言えます。

■愛着障害の未熟さについて

まずは、こちらのnoteも参考にしてください▼

愛着障害の人は、幼児ですが大人なんです。精神年齢は幼児期(成人期)なんです。

愛着障害の人は、自分で、社会的資源を探りながら、補助的に大人になっていくのです。ですから、大人の体を成して(ていをなして)はいますが、それは補助的に大人というふうです。本体は幼児期です。これが、タマシイの成長が成されると、幼児期→成人期に発達していきます。

詳しくは上のブログを参照ください。

■まとめ

  • 愛着障害の人は、徹底的に他人に合わせてくるので、自分の気持ちなどたやすくこころの最深部に隠しています。
    「隠している」ということは、そういうものがあることは「無意識的に」あるいは「半意識的に」知ってはいるのです。理解しているまではいかないかもしれませんが、それを知っているのは事実です。気づいています。

  • 愛着障害の人の未熟さは、幼児(成人期)という特殊な発達状態からくるものです。タマシイの成長が始まると、幼児(成人期)→成人期に成長し、場合によっては老年期まで突き抜けます。

⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。

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