コロナ病棟手当がないから病院に要望書出した 7 ~看護部長があらわれた!~
こんにちは、コロナ病棟の看護師です。今回は2500字近いので読んでいただけるか不安ですが、頑張って書きましたのでお付き合いください。
「コロナ病棟で勤務をしているのに危険手当を出してもらえない!」そのような看護師の方たちの参考になればいいなと思って書いています。
1ではコロナ病棟の現状を、2では実際の行動~①味方を増やす~について、3と4では~②事実確認~しました。5と6は~③みんなの意見を集約~し、みんなの合意の下、要望書を作成しました。
7では、「要望書」などを作成していとき必ず起こるであろう、「上司との話し合い(面談)」が当院ではどのような状況であったかを書いています。
さて、本題に入ります。ついに看護部長が登場しました!
1/4(月)仕事始めに、病棟のグループLINEで情報公開と「要望書」を出すことを宣言し、LINEでも口頭でもみんなから賛同を得られました。そうしていたところ1/5の午前中に師長から突然「今日、看護部長が話を聞きに来てくれるみたいなの。話したい人いる?」ときかれ、中堅・ベテラン看護師4人が応じ、看護部長と1人ひとり、1対1形式で話すことになりました。
一般の会社であれ病院であれ、年の仕事始めというのは忙しいものです。当然、看護部長もお忙しいはずでしょう。それなのにわざわざ来たということは、病棟の空気を無視できなくなったということです。ここからは私の推察ですが、病棟での看護師同士の会話やLINEでの意見、私の行動などから、師長から部長に「不満が高まってきている」という話があったかと思っています。そこで、看護部長自ら話を聞くことで、不満のガス抜きをしようと考えていたのだと思います。また「新年会で理事長が『コロナが終息したら病院職員全員に賞与を出そうかな』と言っていた」という手土産で鎮火できるとも思っていたようです。
ですが、看護部長は病棟の空気(切実さ)を読み間違えていましたし、事を起こすには遅すぎました。また手土産も逆効果となりました。
面談を終えて、誰一人「手当がなくても仕方がない」と考える者はいませんでしたし、面談の内容を話しても、その場の全員が「納得がいかない」と言っていました。そして私は面談の内容をすぐに他の看護師に共有しました。なぜなら、面談は1/5だけで済むとは思っていなかったからです。案の定、看護部長は三連続で現れ、他の看護師と面談をしました。このような「上司によるランダムな呼び出し」が発生した時に、意見がバラバラであると、こちらの主張も弱くなりますので、情報共有し方向性の統一を図ることで、「誰に聞いても同じ答えが返ってくる」状態を作る必要があります。今回は年末年始の間に病棟の空気が醸成でき、意見を概ね統一できたため、面談した看護師はみんな同じ内容を発言したと言っていました。
もし看護部長がこのときに不満の大きさに気付き、「私が院長や理事長に手当が出せないか掛け合ってみます」とでも言えば、不満はおさまったであろうと思います。しかし部長は「手当は出せない」「病院中、みんな頑張っているの!(だから我慢して)」の繰り返しであったため、ガス抜きにもならず、確約されていないかつ、対象者が全員である賞与をチラつかせたことが返って、「私たちの不満を全然真剣に考えてくれない!」と不信感と反発を招く結果になりました。
誰かが言いますとおり「やまない雨はないとかじゃなくて、今降ってるこの雨が、もう耐えられないっつってんの」という状況です。
さて、私と看護部長との面談はnote6での質問と要望を話し、「要望書」を出したいことを伝えました。部長からは「私には手当を出す権限はない」との返答であったため、誰に権限があるのかと尋ねたところ、「院長」であると答え、私は「看護部長を通し院長に要望書を持って行ってくれますか?」と尋ねたところ、部長は院長に出すことを約束してくれました。おそらく部長はこのとき私の言葉を単なる牽制と捉え、「要望書が作成されるにしても、もっと後になるだろう」と考えたと思います。師長が病棟の不満の程度をどのように説明したのか分かりませんし、していても部長が楽観的に考えていたのかもしれませんが、それにしても現場への認識が甘いと言わざる得ません。
そもそも中堅からベテランばかりを集めてコロナ病棟を作り、手当があると説明して実際にはなかったらどうなるのか・・・事前に書面で公布するなり、寸志でも手当を付けていたら、「防護服(PPE)をちゃんと用意してやってるのに」という姿勢でなく「本当に我慢させてごめんね」という姿勢であったならば、ここまで事が大きくなることはなかったでしょうし、少なくとも私は要望書を出そうという気にはなりませんでした。
私の推察ですが、看護部長のスケジュールでは1月上旬に個々に話を聞き、"手当が出ない理由"を丁寧に説明したという実績を作り、時間が過ぎるのを待って、みんなの怒りが諦めに変わるのを待つつもりだったのでしょう。そこまで考えていなかったのかもしれませんが、私は早急に要望書を出した方が効果的であると判断しました。モタモタしていたら好機を逃してしまいます。
1/5に面談を終え、みんなに報告をした、その日のうちに私は要望書の下書きを作成し、1/6午前中にLINEで公開しました。下書きの段階で公開するのは、「勝手に出した」と言われるのを避け、みんなから意見をもらうことで「要望の内容」を具体的に詰めていくためです。また「いつ要望書を出すのか?」も重要な問題です。私はLINEの機能にある「投票」を用いました。
意識したのは「匿名投票」にしたことです。ここでは総意があれば十分です。また投票結果が出た1/7夜に、師長に1/8に要望書を出すことを相談し、了解を得ています。
1/5要望書を出すことを部長に伝え、みんなに下書きを見せながら、1/7夜に要望書は完成。あとは1/8にいよいよ提出です。
正直に言いますと、1/5~要望書を出すまでは本当に大変でした。できるならもう要望書など作りたくありません。みんなの意見を聞きながら個別のLINEに返信し、夜勤明けで数時間の仮眠を経て、エナジードリンクとお菓子を摂取しながら、吐きそうになりながら書きました。
さあ、いよいよ要望の提出です!
8に続きます。
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