「おはよう」目を覚ますと、
机の上に飾られた向日葵の花がやけに存在感を出している。
花の香りを敏感に感じ、徐に近づいているうちに、
私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
その声はとても温かく、優しい声だ。
それまで花に向けられていた強い意識は、
まるで今どこに向かって歩いているのかを忘れるくらい無意識に声の元へ移っていった。
気がつくと、私はあなたの腕の中にいた。
温かい。優しい匂いだ。
窓際で日差しを浴びながら寝ている、そんな感覚だった。
私の名前を何度も呼び、柔らかい手で私を撫で、
緩みきった表情で私に顔をうずくめるあなたを見て
日向で寝ている時とは違った心の温もりを感じた。
そして、これが「愛情」だと気づいた。
食事をする時も映画を見る時も寝る時もいつも側で見守ってきた私の大事な人。

私はあなたに笑顔を与えたい。
疲れている時は癒しになりたい。
あなたの幸せを近くで感じたい。

そんな事を考えながら今日もあなたの温かい腕の中で眠りにつく。「おやすみ」


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