ぶらりモラ散歩~モラは、理屈に弱い?~

 タイトルは、適当である。が、周囲のモラ達を綜合して、とても腑に落ちたことがあったので、勢いで書きなぐった。

 昨日、母親に、私の言い方が怖い、嫌いだと言われた。何があったかというと、他階のリフォームの同意をとるために業者がやってきたので、私は散歩と買い物に行く前だったので嫌だったが、母が出られない状況だったので、私が応対し、恐らくその間ドアを開けっぱなしだったせいでゴキブ〇が侵入したらしいということで、私も失敗した!と思った(ちなみに、今年は二匹も巨大ゴッキーと遭ってしまった。ちょっと消えたい)。が、そのことを責められるし、他にも、自分でやらなかったことを私がやった場合の出来栄えについて母から責められることはしょっちゅうなので、そのことはおかしいと一生懸命理屈を伝えたのだ。基本的に、「人に任せる以上、気に入らないやり方でもあまり文句を言うべきではないのでは?」「他人のやり方に文句つけるなら、自分でやればいいんじゃない?」とか、そんな言い方だ。強迫性障害気味の母は、こだわりが強く、とても母に合わせてはいられない。諸々を理解してもらおうと理屈を説明しても、「あなたの、では?って口癖大嫌い」とか色々言われるだけだ。要は、私は理屈っぽくて、理詰めで反論しようとするのだが、母は完全に好きか嫌いか、気に入るか入らないかの感情で語っているので、こうやって理屈合戦になると大体母は泣いたり喚いたりといった手段に打って出る。終いには、「もう、あの人(※リフォームを始める住人。どうもうちとは運命的に相性が悪く、向こうに悪気がないことでもうちにシワ寄せがくるので私も母も関わりたくないと思っている)のせいで傷つけあっても仕方ないでしょ!」と言われるのだが、そこで、腑に落ちるまでやりあってしまうタイプの私は「いや、最初に私を理不尽に責めたのはあなたでしょ。そもそも、いつもそうで、人に任せておいて、結果にあれこれ文句言うってどうなの」とやってしまう。
 後で、少し落ち着いてから話した。これは、もう母自身が私の指摘によって自覚しているのだが、母もモラハラ気質である。何かと、私の罪悪感を駆り立てるような言い方をするからだ。何か失敗すれば私のせい、単に自分にとって気に入らないやり方であるというだけでとてもひどいことをしたような言い回しをする。私は、「悪者にされる恐怖」が身についていて、こちらはこちらで、「私が悪くない理由」を懸命に説明しようとして、勿論通じないし、癖みたいなものに理屈で立ち向かってもそもそも無駄な勝負なので怒鳴り合いになるか、食事時には母が台所ふて食いに走ったりする。不貞腐れて無視されたりもしょっちゅうだ。モラハラ夫あるあるであることを伝え、当人も驚いていて、「私モラなんだ…」と納得するあたり、モラ夫ガチ勢よりだいぶマシで、素直な時は素直なので何とかやっているが、母親の母親(つまり私の祖母)も大変なモラハラ気質で、母の元夫、つまりクソ父も大変なモラハラDV男だったので、私の周囲は大変モラモラしいのである。私自身にも、多分モラハラっぽいところがあるとは思う。ネチネチ言ってしまう時もあるし、つい、「普通はこうでしょ」なんて言い回しをしてしまう辺りだ。これだけモラモラ環境で育ってしまうと、本当に正常な運転をするのは結構難しいと思う。「クズ」「〇チガイ」なんて子供のころから日常茶飯事のように聞いていた言葉だから、今更、使わないほうが良いなんて身につかない。その辺りはあきらめた。
 さて、これだけ母親のことを書いたが、それには理由があり、母が私の反撃によって恐怖を感じるということだったので、なぜ、自分から攻撃しておいて怖くなるのかということについて話していたのだが、その時に思い出したことがあった。最近、シリーズ化した稲田のことだ。

 シリーズでもやがて書こうと思っているが、稲田は理屈に強い人間に反論されて、手足どころか口も出ずに、私の前で泣きそうになっていたことがある。サークル内で一応重鎮ではあった彼だが、彼の後輩であり私の一つ上の先輩(私と年齢は一緒だが)であるI先輩が、はじめは稲田にとって可愛い後輩であったに違いないのだが、私が三年生になった時、舞台監督をやることになり、みるみる内に頭角を現していった。I先輩と、やはり実務に長けた頭の良い衣装係の女の子と、舞台のことで相談をした際、演出として王様気どりであった稲田が、自分は舞台であれをやりたい、これをこうしたい、と展望を語ると、予算や諸々の実情的な観点から色々と手痛い指摘を受けたらしく、「理屈で」攻められてしまい、何と、あまり逆らわない私や多くの後輩には滅法強い稲田は何も言えなくなってしまったらしいのだ。その話を聞いた際、私と稲田は大通りを歩いていたが、稲田はその話をしながら、「Iのやつさ……理屈でさっ……」と悔しげに噛んだ唇を震わせ、押し黙った。明らかに涙を堪えていたのである。何と、後輩に理屈で言い負かされて、25歳の大学生は泣いてしまったのだ。その時の私は、正直面倒くさかったのだが、大通りで泣いている長身の男を連れているのは見栄えが悪くて嫌なので、なんだか子供を慰めるように色々言ってあげたのだったと思う(ただし、真心がこもっていなかったので自分でも何を言ったのか覚えていない)。
 この、理屈では勝てない人間だったということに加え、「そういえば、私、稲田に正論で論破されたこととかないんだよね。理屈で納得したことない」と、母に告げると、母は稲田の気持ちがわかるらしかった。「これをやってみたい」なり、「なんか気に入らない」でもなんでもいいのだが、モラにとって主張するところは自分の感情であり、そこで正当な理屈など要求されても困るというのがぶっちゃけた真実であるようなのだ。だから、私は、稲田をふった時に「二番目に好きになった人と結婚する」などと吠えられたのが未だになぜそうなるのか理屈で理解できないのだが、母には、わかるらしいのだ。モラのことを理解できるのは、モラだけなのである。例えば、クソ父もそのタイプで、よく母の私物をくすねたり、私の玩具まで勝手に使っていたのだが、母がそのことを責めると「でも欲しかったんだから」という答えばかりで、「欲しいからといってなぜ勝手にとるのか」への答えは永遠に得られない。「俺は芸術家で、大変なんだから皆が俺のことを助けるべきだ」という謎理論も持っていたが、なぜ冴えない自称芸術家である彼を周囲が世話しなければならないのかという客観的な理由は永遠に出てこない。モラは大体こうなのだ。
 更に、私の周囲にもう一人モラがいた。女性で、これもサークルとコースの先輩で、稲田の同期であるが、これは稲田を少し超えるモラで、当人自身も豊田〇〇子に親近感を感じるというほどのヒステリー気質である。そんな彼女は、昔、稲田と二人がメインの芝居をやったことがあるのだが、夕方にかけて練習をした際、何か熱が入ったのか、なんと彼女の差し歯が引っこ抜けてしまったというのである。その時、彼女は怒髪天をつく勢いで、「お前のせいだ!!あれもこれも、お前が悪い!!!お前なんか私と同じコースには絶対くるな!!!」というようなことを怒鳴り続けたのだという。後に稲田はこの時のことがトラウマになり、「言葉が通じないという初めての体験をした」と語っている。お前にも通じないだろう!と言いたい所だが、稲田は敢えて言えばソフトモラなので、モラハラモンスターとしては雑魚の類。マサラタウンを出て最初の草むらか、よくてトキワの森で出くわすくらいのものだろう。この女の先輩Cは、他にも色々と奇行で有名な人だったが、その後稲田が夜もやっている歯科医につれていき、気分が落ち着くと、稲田に「他の人には話さないで」と恥じ入ったという。
 え、なんで私が知っているかって?稲田が話したからに決まっているじゃないですか。モラは口も軽いのです。え?私?私が口留めされた訳じゃないんで!(屁理屈)

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