見出し画像

【総評】ボーンマスの前半戦の選手通信簿と冬の移籍市場の考察

こんにちは!お久しぶりです。
冬場の寒さも厳しくなってきたところですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私は10か月の留学期間を終え、日本に帰国しました。
さて、今回の記事では前半戦のボーンマスの選手の通信簿と冬の移籍市場の考察を行っていきたいと思います。冬の移籍市場に関しては半分以上が終わってしまいましたが、残りシーズンの展望も絡めて考えていきますので、ぜひ最後までご覧ください!

前半戦の選手通信簿


ボーンマスは22節を終えた現在、ニューカッスルとマンチェスター シティに続く7位に位置しています。第10節のマンチェスター シティの撃破を皮切りに、アーセナル、トッテナム、マンチェスター ユナイテッドも撃破するなどの番狂わせを起こし続け、クラブのプレミアリーグ史上最高順位で前半戦を終えました。故障者の続出に苦しむもイラオラ監督の手腕と選手たちの魂のこもったプレーで直近11試合負けなしを記録しています。加えて、クライヴァ―トとPKハットトリックやエバートン戦の大逆転勝利などのドラマも多く、日本のニュースで報じられる機会も大幅に増えたのではないかと思います。さて、ここからは選手個人の通信簿という形で、さらに詳しく振り返ります。通信簿では、選手の活躍と期待値などを考慮し選手評価をS~Eで格付けしていきたいと思います。

GK 13 ケパ アリサバラガ ---->B+

徐々に自信を増す守護神

リーグ戦:15試合0得点4CS
カップ戦:1試合0得点0CS

前半戦を通じて守護神としてゴールに君臨した30歳は、15試合中4試合でクリーンシートをマーク。セーブ率はリーグ平均を上回る73.6%、ゴール阻止数もプラスの1.97を数えるなどストッパーとしての役割を全うしたことに加えて、平均を超えるロングボール正確率(44.1%)など攻撃の起点としても活躍しました。加入直後はゴールの直接関与するミスや間接的にゴールにつながる流れを作ってしまうミスが重なった上にけがで欠場した試合にサブキーパーのトラヴァーズが活躍するなどケパの守護神という立場に対するサポーターからの疑問が多く聞かれ本人も自信を失っていたように見えましたが、徐々に自信を取り戻し始めパフォーマンスが大幅に向上しました。クリーンシートを記録し勝利したアウェーのマンチェスター ユナイテッド戦では7セーブを数える大活躍を見せました。序盤戦の低調なパフォーマンスを考慮して評価とB+としましたが、前半戦の終盤のパフォーマンスはAクラスと言えるでしょう。チェルシーからのローン加入でありイラオラ監督が完全移籍での獲得を望んでいるという報道も出ており、後半戦の活躍はチームのパフォーマンスだけではなく今後の彼のキャリアを左右するかもしれません。

GK 40 ウィル デニス ---->C

ここまで出場機会がないデニス

リーグ戦:0試合0得点0CS
カップ戦:0試合0得点0CS

昨シーズンはローン先のキルノーマック (スコットランド1部)で大活躍を収め今シーズンはクラブのトップチームメンバーとして残留しましたが第3GKとしての立ち位置でここまでは出場がありません。主戦場はDevelopment Squadで出場機会はありますが、一度スコットランドのトップリーグでシーズンを通じて活躍した24歳にとってプロでの出場0はあまりにも寂しいものです。一方でここまでリーグ戦6試合のベンチ入りとカップ戦2試合のベンチ入りは記録しており、主力陣にケガなどのトラブルがあれば出場機会が訪れる可能性もあります。

GK 42 マーク トラヴァーズ ---->B-

トラヴァーズは再びローンか

リーグ戦:5試合0得点1CS
カップ戦:0試合0得点0CS

昨シーズンに続き今シーズンもサブキーパーとして「出場すれば一定の活躍ができる」ことを示しました。序盤戦に不調のケパがローン規定により出場できなかったチェルシーに今シーズンのリーグ戦初出場を記録し、ケパが負傷離脱したヴィラ戦で7セーブ1失点 (被xG3.23)、マンチェスター シティ戦で3セーブで歴史的勝利に貢献する大活躍を見せサポーターの中では彼を守護神にするべきだという声が大きくなりましたが、以降パフォーマンスを向上してきたケパとのポジション争いに勝てず彼の離脱時のみの出場になっています。圧倒的な反射神経でスーパーセーブを連発する一方で不安要素として考えられるのが若干の安定感不足と足元の技術不足です。特に足元の技術に関して、パス成功率62.8%はリーグ平均を大きく下回っており、バックラインからのビルドアップを重視するイラオラ監督からするとこの点が大きなマイナスになっているのかもしれません。複数の有力ソースによればチャンピオンシップ (2部) のミドルズブラがローンでの獲得に近づいているということで昨シーズン前半戦以来2度目のチャンピオンシップへのローン移籍になることが濃厚です。

DF 2 ディーン ハイセン ---->A+

一瞬にしてスターダムに躍り出たハイセン

リーグ戦:16試合2得点0アシスト
カップ戦:16試合2得点0アシスト

今シーズン最大のサプライズで現在リーグでもトップクラスの注目を集めるヤングスター。夏に€15.2Mで加入し、開幕前はセネシのサブとして将来性を買った形で考えられていましたが、セネシが離脱していた開幕戦に活躍し、一度セネシにポジションを奪い返されるも彼の長期離脱に伴い再びポジションを獲得しCBながら複数MOMを獲得するなど信じられないほどの活躍を見せています。元々パスセンスの高さが売りだった一方守備の固さは疑問視されていましたが、長身を活かしたエアバトルの強さとクレバーなポジショニングと距離感の取り方で相手を封じました。また、コーナーの際にはオフェンス面でエアバトルに強さを見せ2得点をマークし、ゴールパフォーマンスも話題を呼びました。19歳にしてプレミアのCBとして異次元の活躍を見せ始めたスペイン人には一気に世界のスカウトが注目しだし、現在ではプレミアのビッグクラブのみならず「白い巨人」レアル マドリードが獲得をもくろんでいるとの報道が出ています。しかし少なくとも夏まではクラブに残留する見込みのようで後半戦も更なる活躍が期待されます。

DF 3 ミロス ケルケス ---->S (MVP)

今季のケルケスのパフォーマンスは抜群

リーグ戦:22試合2得点3アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

今シーズンかなりの成長を遂げ完璧なほどのパフォーマンスを見せる若きハンガリー人には文句なしのS評価で前半戦のMVPに選出です。AZから加入した昨シーズンも20歳でプレミア1年目とは思えないほどの堂々としたプレーを見せましたが、今シーズンは得意の攻撃だけではなく課題だった守備の粗さも大幅な改善を見せています。攻撃面ではここまでリーグ戦で2得点と3アシストをマークするなど数字に表れる結果も残し、守備面ではファイナルサードでのポゼッション勝利数やリカバリー数、インターセプト数などハードワークを要する項目でリーグトップクラスの数字を記録しています。このように攻守ともにチームを引っ張っている彼ですが、夏の移籍はかなり高い確率だといわれ、リヴァプールやマンチェスター ユナイテッドなどのBIG6クラブがこぞって継続的に興味を示しています。ですがこの冬はひとまず残留が確定的で、後半戦でのさらなる活躍が期待されています。何度もアップダウンを繰り返すハードワーカーですがここまで一試合もリーグ戦を欠場しておらず、ケガ人が続出しているチーム状況を考えると体力やコンディションをシーズン終了時まで維持できるかが課題になってきますが、このタフガイは前節のニューカッスル戦も終盤に激走からの得点を記録するなどの疲れを一切見せず、むしろパフォーマンスが向上しているように感じます。

DF 5 マルコス セネシ ---->B

長期離脱中のセネシ

リーグ戦:11試合0得点0アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

アルゼンチン代表にも選出されたテクニカルで熱いセンターバックは開幕戦をけがで出遅れるものの、第2節でスタメンに復帰し相手エースのイサクを封じ、そこからレギュラーとして再び起用され始めました。武器である攻めのパスを積極的に放り、パス正確性はリーグCB最低水準の77%にもかかわらず11試合の出場のみで同対象トップクラスのロングボール成功数(59本)、クロス成功数(3本)、チャンスクリエーション(5回)を記録しています。また、フィジカルのフォワードの対策が課題でありデュエル・エアデュエル勝率は相変わらず低いものの、第10節のマンチェスター シティ戦では怪物FWハーランドを完封するなど成長を見せました。しかし11月最終日に行われたウルブス戦で負傷し大腿四頭筋の手術を行い長期離脱を余儀なくされ、復帰目安は3月中期とされています。これまでザバルニーとともにセンターバックコンビとして不動の地位を築いていましたが、離脱中に大覚醒して一躍スーパースターになったハイセンの影響で復帰してもスタメンの座を取り戻すのは難しくなったと思われます。本人としてもファンとしてもとても残念な負傷離脱になってしまっていますが、早く治して再びピッチに立つ姿を早く見たいですね。

DF 15 アダム スミス ---->B

33歳でも元気なスミス

リーグ戦:17試合0得点0アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

ボーンマス所属12年目を迎えた33歳の右サイドバックは今シーズンもチームの主力として活躍しています。一昨シーズンはブライトン戦での三苫に代表されるような守備のもろさを見せ、限界説がかなりささやかれていましたが昨シーズンはパフォーマンスを向上させ、今シーズンも十分なパフォーマンスを見せています。スタッツ面ではほぼすべての項目でリーグの右サイドバックの平均を下回っていますが、狡猾なプレーや試合終盤での全力ダッシュなどで大きく貢献しています。開幕当初は新レギュラー候補のアラウホの加入によって完全に控えに降格するのではないかという予想がなされていましたが、彼の低調なパフォーマンスやケガによる長期離脱の影響もあり計17試合に出場し14試合にスタメン出場するなどレギュラーメンバーとして12月までフル稼働しました。しかしマンチェスター ユナイテッド後に負傷し1月はここまでベンチ入りすらありません。その一方で復帰目安は1月下旬とライバルのアラウホよりの約1か月早く、アーロンズもローンで移籍したため間違いなく復帰後は即スタメンだと思われます。

DF 22 フリアン アラウホ ---->C-

ここまではインパクトを残せていないアラウホ

リーグ戦:8試合0得点0アシスト
カップ戦:0試合0得点0アシスト

今夏に€10Mでバルセロナから加入した快速右サイドバックで、メキシコ代表でもレギュラーとして活躍する選手です。今夏のソランキ移籍確定の直後に獲得が発表され、その週末には開幕戦のノッティンガム フォレスト戦に途中出場しプレミアデビューを飾ると、新スタメン候補だけあってニューカッスル戦でいきなりスタメンに抜擢されます。しかし特に目立つパフォーマンスはなく、逆に同点となってしまう失点にも大きくかかわってしまいました。続くエバートン戦でも低調なパフォーマンスを見せ、チェルシー戦ではスタメンを外れてしまいました。リヴァプール戦ではスタメン復帰を果たしたものの同サイドのマッチアップ相手のルイス ディアスに2得点を許し再び2試合スタメン外に。続くアーセナル、アストン ヴィラ戦ではスタメン起用も2試合連続で前半交代でピッチを後にする屈辱を味わいました。不運なことに2節後のブレントフォード戦でハムストリングを負傷し手術を受けたため長期離脱となってしまい、復帰目安は2月中旬だとされています。スピードはあるものの攻撃面では積極性不足、守備面ではマークの受け渡しと距離感の曖昧さが課題であり、これらの課題を抱えたままでは復帰後もローテーションレベルの役割ととどまってしまうのではないかと思われます。アップグレードして再びピッチに立つ姿を見たいという期待を込めて、厳しめではありますがC-評価としました。

DF 23 ジェームズ ヒル ---->B-

万能DFのヒルは予想を上回る活躍

リーグ戦:5試合0得点1アシスト
カップ戦:2試合0得点0アシスト

元U20イングランド代表でRBとCBをこなす万能型ディフェンダーで、ボーンマスがチャンピオンシップ時代に当時リーグワン(3部)のフリートウッドから、チャンピオンシップの上位クラブとの争奪戦を制し獲得し、今シーズンが所属4シーズン目になります。しかしこれまでの3シーズンでは通算10試合の出場にとどまっており、その間に2回のローンを経験するなどチームでの立場はまだ控え要員兼プロスペクトで、今シーズンも第4CB・RBという低い立場でシーズンをスタートしました。しかしRBのレギュラー争いをするスミスとアラウホがともに負傷し第3RBだとされたアーロンズも評価が上がらない状況の中12月30日のフラム戦で今シーズン初スタメンをマークし、地震プレミア初アシストを記録しました。その後のエバートン戦、カップ戦のウェストブロム戦もともにスタメン出場し勝利に貢献しました。しかしつづくチェルシー戦ではスタメン出場も22分で筋肉系のトラブルに見舞われてピッチを後にしました。そこまで大けがではないとされているものの本人としてもせっかく回ってきたチャンスで存在感を示し始めていた中でのアンラッキーな離脱は悔しいでしょう。コンスタントに出場機会を得ることができればB+程度の活躍は少なくとも期待ができるほどに成長を見せているので今後が楽しみな選手です。

DF 27 イリヤ ザバルニー ---->A+

今シーズンも鉄壁のザバルニー

リーグ戦:22試合0得点0アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

昨シーズン、21歳ながらプレミア38試合中37試合でスタメン/フル出場を果たし一気に注目の的となったウクライナ代表のスターディフェンダー。フィジカルとスピードが脅威的というわけではないものの、距離感や読みなどディフェンスにおけるクレバーさはリーグトップクラスでビルドアップ面でも著しい成長を見せています。PSMでは軽い守備やパスミスなどが目立ち新シーズンでのパフォーマンスを不安視する声が多く聞かれましたが、シーズンが始まると安心できるパフォーマンスを見せここまで22試合全試合フル出場で固い守備を支えています。昨シーズン見せた守備能力の高さに加えてバックラインからの運び屋や前への姿勢も向上し、攻撃の起点としての貢献度も抜群です。ミスを恐れない攻めのパスも積極的の放り込み、パス成功率はリーグ平均を大きくしたまわっているものの、リーグナンバーワンレベルのロングボール成功本数(82)とチャンスクリエーション(9)をマークしています。昨夏にはチェルシーやPSGからの興味がささやかれており、それらのビッグクラブからの興味のうわさは日を追うごとに増し続けていてついにはレアルマドリードが獲得に興味を示しているという報道も出ています。世界中のビッグクラブから関心を集める若きスターですが、ひとまず冬のうちは残留をするということシーズンの残りもA+、はたまたS級の活躍が期待できます。

DF 37 マックス アーロンズ ---->D+

バレンシアのローン移籍したアーロンズ

リーグ戦:3試合0得点0アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

昨シーズンの開幕前にスタメン候補としてノリッジから獲得した元トッププロスペクトでU21イングランド代表経験者。昨シーズンはケガがありながらもプレミア20試合に出場し、従来のオーバーラップ型のみではなくインバーテッドな役割をこなしました。しかしもともと大きな課題として挙げられていた守備力不足に加えて、全体的にプレミアのスタメンを張るクオリティーに達していない部分が多くみられたためチームは今夏にアラウホを獲得するとレギュラー争いはスミスとアラウホの間に絞られてしまったため自動的に第3RBに降格し、プレミアではベンチ外の試合も少なくありませんでした。加えてヒルが台頭してきたこともあり第4RBまで降格し実質的な構想外として扱われてしまいました。RB全員が負傷してしまったことによってなんとかプレミアでも3試合に出場しスタメン出場も記録しましたが印象に残るプレーを見せることはできませんでした。一方でもともとポテンシャルが高い選手だということもありリールやローマなどヨーロッパでも名の知れたクラブからの関心が寄せられ、最終的にはスペインの古豪バレンシアが買い取りオプション付きローン (買い取り額€9M)で獲得しました。そのため、スタメンで出場したFAカップのウェストブロム戦を最後にチームを離れ、今シーズン終了までバレンシア所属になります。

MF 4 ルイス クック ---->A+

誰より忠誠心の強いクック

リーグ戦:21試合1得点3アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

今シーズンで所属9年目を迎えるボランチの要で契約延長の際には「できるだけ長くこのチームでプレーしたい」とチームへの忠誠を誓う27歳は今シーズンもここまで21試合に出場しています。今シーズンはネトの移籍とスミスの負傷離脱に伴いキャプテンマークを巻く機会が増えるなどクラブのリーダーの1人としてリーダーシップを発揮しています。プレー面では驚異的な読みとポジショニングの良さで積極的なインターセプトを狙い相手の攻撃の芽を摘み、どんどんボールを前に供給して攻撃にもっていく攻守の要として不動の役割を築いており、リカバリー数・インターセプト数・チャンスクリエーション・アシスト期待値などの数値で同ポジションのリーグトップクラスの数値をたたき出しています。特に攻撃面に関しては昨シーズンからさらに成長を見せており、エバートン戦の大逆転に貢献したヘディングのゴールに加えて、サウサンプトン戦では2アシストを記録しています。また今シーズンは昨シーズンも数回トライした右サイドバックでも遜色ない活躍を見せており、ボランチがアダムスとクリスティーがそろっていて右サイドバックが全員離脱している現状を考えると当面の間は右サイドバックでの起用が増えると思われます。期待値比較でA+にとどまっているものの貢献度を考えるとSに近いような活躍を見せており、後半戦もチームを引っ張っていく活躍が期待できそうです。

MF 7 デイビッド ブルックス ---->B

復活の予感があるブルックス

リーグ戦:15試合2得点0アシスト
カップ戦:1試合0得点2アシスト

大病を乗り越えプレミアのピッチに立ち、地元のサポーターに愛されるウェールズ代表ウインガー。ガン発覚前はプレミア時代にもクラブの中心選手として活躍していましたが、治療からの復帰後は以前の輝きが取り戻せずベンチを温める時間が長くなっており、昨シーズンは後半戦にサウサンプトンへのローン移籍を経験しました。ローン先ではプレータイムを確保し結果も残しましたが、その昇格POで肩を負傷し手術を受けたため今シーズンの開幕には出遅れてしまいました。10月に復帰したまに途中出場をするも印象を残せない時期が続きますが、ブライトン戦で久しぶりのゴールをマークし、続くウルブス戦にはスタメン出場。その後5試合も短いながら出場は続け、セメンヨが出場停止のフラム戦でスタメン出場しインパクトを残すと、エバートン戦に途中出場ながら値千金の決勝弾をスーパーボレーで決めました。ストライカーが二人とも離脱しワッタラがストライカーになって以降は3試合連続でスタメン出場を果たし、カップ戦のウェストブロム戦では2アシストをマークし、ニューカッスル戦では何度もチャンス作り守備でもハードワークをこなし勝利に貢献するなどかつての輝きを取り戻してきています。

MF 8 アレックス スコット ---->C-

新8番スコットは早期復帰が期待される

リーグ戦:8試合0得点0アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

2022/23シーズンにチャンピオンシップの年間最優秀若手選手賞を獲得し複数クラブの争奪戦の末ボーンマスに加入したスコットですが、昨シーズンに引き続き今シーズンも期待に応えられているとは言えません。守備力や低い位置でのプレー判断などの課題を抱えながらもそのボールコントロールやパススキルの高さを買われ新背番号8番をつけて開幕に臨みましたが、スタメンだった開幕戦では中盤で相手に何度も突破されてしまうなど守備の課題を露呈しました。その後はベンチからの起用のみとなってしまいその中でも印象を残すことができていませんでした。そしてついにサウサンプトン戦・レスター戦で印象を残し大金星を挙げたアーセナル戦でスタメン起用され活躍しますが、この試合で負傷し手術を受けることになってしまい2月くらいまでの離脱という不運にも見舞われてしまいました。21歳でまだまだこれからが楽しみな選手でありますが、PSMはかなり好調で今シーズンはキープレイヤーになるのではないかという予想さえなされていたことを考えるとここまで全く印象を残せていないのは少し残念でかつ長期離脱をしていることを考えると厳しめではありますがC-が妥当だと判断しました。

MF 10 ライアン クリスティー ---->A+

頼れる10番クリスティー

リーグ戦:21試合1得点2アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

リーグで最も過小評価されているという声もある貢献度抜群の10番。昨シーズンにボランチにコンバートされて覚醒し、今シーズンもボランチでプレーしています。PSMでは不調でかつ同ポジションのスコットが好調だったことから開幕戦はスコットの控えとしてベンチスタートでしたが、パフォーマンスが振るわなかったスコットに代わって第2節にスタメン出場すると持ち味の高い位置でのボール奪取でチャンスを複数回演出し、以降は出場停止とその他1試合を除き全試合でスタメン出場を果たしています。元々ウインガーやトップ下を務めていた選手であり攻撃センスはもちろんありますが、守備でもとにかくハードワークをこなしクレバーにボールを奪います。リカバリー数は同ポジションに限らずプレミアの全フィールドプレイヤーの中で圧倒的No.1、インターセプト数やブロック数も同ポジションでリーグトップクラスの数字をマークしています。加えてここまで彼の唯一の弱点とされてきたシュートに関しても久しぶりのゴールを大一番アーセナル戦のスーパーボレーという形でマークしました。昨シーズンの終盤や開幕直後などは限界説もささやかれていましたが、ここまで毎試合のように驚異的なハードワークをこなしながらパフォーマンスとコンディションを維持し続けており、まだまだ限界は来ていないようです。

MF 12 タイラー アダムス ---->A-

アダムスはフル稼働に期待がかかる後半戦

リーグ戦:12試合0得点1アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

昨シーズンの開幕前に£20Mごえの移籍金でチームに加わるも、繰り返すケガの影響でほとんどプレーできていなかった「キャプテン アメリカ」が本格稼働を始めました。今シーズンも開幕はケガで出遅れましたが予想以上に早戦列復帰を果たし10月20日のアーセナル戦でマッチデースカッドに、アストンビラ戦でピッチに、ブレントフォード戦でスターティングラインナップに戻ってきました。するとスタメン復帰初戦のブレントフォード戦から中盤を支配し信頼をつかみました。そこから4試合連続でスタメン入りし、ボクシングデー近辺ではリスクを管理しながら控えとスタメンを混ぜて起用されました。特に12月のトッテナム、マンチェスター ユナイテッドとの対戦では圧倒的な守備力を武器に相手を中盤で圧倒し勝利に貢献しました。持ち味は何といっても守備であり90分間あたりのタックル成功率とインターセプト回数はリーグNo.1で、俊足も生かしてしつこく相手についていきます。攻撃面においてはクックやクリスティーらには劣っているもののニューカッスル戦にアシストをマークするなど一定の結果を残しています。出場試合数や期待値を考慮してA-をつけましたが、出場試合での活躍ぶりはSに近いほどのものがあり、後半戦もケガなく稼働することができればシーズン終わりのA+もしくはS評価もありうるかもしれません。

MF 19 ジャスティン クライヴァート ---->S

チーム得点王のクライヴァート

リーグ戦:21試合10得点3アシスト
カップ戦:2試合1得点1アシスト

チーム得点王のオランダ代表。今シーズンもトップ下でプレーしながらここまで約2試合に1点ペースの10得点をマークし、PKのみハットトリックというプレミア史上初の偉業を含む2度のハットトリックを達成しています。加えて3アシストを記録するなどリーグトップ10に入る13ゴール+アシストを数えてエース級の活躍をしています。全体のプレー内容で見ればA+級とAの中間レベルと言えると思いますが、ソランキの移籍やエヴァニウソンの無得点スタート、ストライカー2枚の長期離脱によって圧倒的な点取り屋がいない中で大きな得点源になっていることを考えるとA+評価をつけるのが妥当という判断になりました。加えてハードワークを惜しまず行うことも彼の大きな特徴の一つで、同ポジションのリーグ平均を大きく超えるインターセプト数やファイナル3度でのポゼッション勝利数に加え、リーグトップクラスのファウル数が守備面でのハードワークさや意識の高さを物語ります。昨シーズンも今シーズンも頑丈に怪我無くシーズンを戦っているという点も、特に2列目とストライカーにケガ人が続出するチーム状況なのでかなり評価できる点であり、シーズン後半も攻撃の軸として得点やアシストを量産することに期待がかかります。

MF 29 フィリップ ビリング ---->D+

功労者ビリングはチームを去る

リーグ戦:10試合0得点0アシスト
カップ戦:0試合0得点0アシスト

2021-22シーズンのプレミア昇格時の中心選手、2022-2023シーズンの奇跡の残留の立役者でかつチームの年間最優秀選手賞を受賞した功労者かつ元スターのビリングは、今シーズンはほぼ構想外となってしまい冬にナポリに買い取りオプション(€10M)付きのローンで移籍しチームを去りました。2022-23シーズンでオニール前監督のもと圧倒的なパフォーマンスを披露しましたが、イラオラ監督就任後はレギュラーの座を追われて昨シーズンもほとんどが途中出場でした。それでも昨シーズンは計29試合に出場し2ゴール2アシストをマークしましたが、今シーズンはここまで10試合176分の出場にとどまっており、先発出場はたったの一回のみとなっていました。いきなり途中出場でシーズンデビューを果たしたジェビソンへのほぼアシストといったボールを放り込むなどクオリティの高さを見せましたが、以降は印象を残すほどのプレータイムを与えてもらえず。2列目に出場可能選手が不足していたフラム戦にはスタメン出場し十分な活躍を見せましたが、おそらくその時点である程度移籍に話が進んでいたのではないかと思われます。この夏移籍のうわさが盛んに出ていたものの結局残留したことから今シーズンの活躍にある程度の期待がされていた上に過去のプレーを考慮に入れるとD+評価やむなしとなりました。

MF 47 ベン ウィンターバーン ---->C

ウィンターバーンは念願のプレミアデビュー

リーグ戦:2試合0得点0アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

今シーズンプレミアデビューを果たした20歳のウィンターバーンは、アカデミーを含めクラブに9年間所属しています。元々は左ウイングとして入団し、センターハーフ、ボランチ、センターバックでのプレーを経てトップ下としてプレミアデビューを果たした超ユーテリティープレイヤーです。ケガなどで一時期は振るわない時期を経験するもその万能さを生かして昨シーズンはU21で背番号6をつけてボランチとセンターバックの両方で上場のパフォーマンスを見せました。今シーズンは背番号10番のセイディがカーライルにローン移籍しポジションが空いたトップ下で主にプレーし、背番号10を背負いながら評価を上げていきました。そして2列目の出場不可選手が続出したフラム戦でプレミアデビューを果たしました。出場は8分間ながら劇的同点ゴールの歓喜の輪に入るなど、思い出深いデビューとなりました。その後のFAカップのウェストブロム戦ではトップチームで初スタメンを果たすとトップ下としてフルタイムプレーし、目立った活躍はできませんでしたがシュートも1本放ち大勝の喜びを分かち合いました。ニューカッスル戦でも1分ながら出場するなど今後も出場機会が増えることが期待できそうです。

FW 9 エヴァニウソン ---->B+

新エースのエヴァニウソン

リーグ戦:19試合5得点0アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

昨シーズン20得点の大エースソランキの後釜としてポルトから高額で移籍してきた新エースストライカーはいきなりプレミアの洗礼を浴びます。第2節のニューカッスル戦でプレミアデビューを果たし可能性を感じさせるシュートを複数放つもゴールは奪えず、そこから5試合ゴールレスと数字が出なかったことに加えてその他の部分でも何度もボールロストをし攻撃のチャンスをふいにし続けたため痛烈な批判を食らいました。それでもポテンシャルは本物でサウサンプトン戦での初ゴールを皮切りに徐々に適応し始めると、アーセナル戦では大金星の最大要因であるサリバの退場を誘発し、アストンビラ戦からマンチェスター シティ戦も含む3試合連続ゴールをマークし、ウルブス戦では1試合で3つのPKを1人で獲得するというプレミア新記録を打ち立てました。そこからいったんゴールからは離れますがパフォーマンスは確実に向上し、負傷者続出のフラム戦では久しぶりのゴールをマークしました。ところがエバートン戦の終盤に足を痛めて交代すると、後々骨折が判明し4月ごろ復帰予定、最悪シーズンアウトと長期離脱を余儀なくされてしまいました。プレミア1年目で順応するのに時間がかかっていたがついに本格的に順応してきたタイミングでの離脱はとても残念です。

FW 11 ダンゴ ワッターラ ---->A-

しっかり数字を残しているワッターラ

リーグ戦:19試合3得点4アシスト
カップ戦:2試合2得点0アシスト

昨シーズンの途中にケガ人の兼ね合いでサイドバックを任されて想像以上の活躍を見せたウインガーは今シーズンもウイングをベースに時々サイトバックをこなすユーティリティさを見せています。そんな彼は今シーズン3得点4アシスト、VARでの取り消しが3得点分と積極的にゴールにかかわっており、ウインガーとしてはリーグ平均を大幅に上回るXG4.75も記録しています。ストライカーがいなくなったニューカッスル戦は1トップを務め勝利に貢献しNo.9としての才能の片りんを見せており、本来のフォワードとしてのパフォーマンスが特に向上しています。守備ではやはりウインガーとして超トップクラスの数値を軒並みたたき出しています。特に空中戦勝利数やタック勝利数はリーグ全体で上位5%に入ります。その一方でボール扱いは相変わらず粗く、多くのボールロストやパスミスが多く散見されるなどプレー全体でみればまだまだ成長の余地が多く、その点を考慮してA-となりました。それでも前述のようなゴール関与を数字で残している点や怪我無くシーズンを戦っている点はとても評価できます。後半戦、ストライカーとしての覚醒が期待されます。

FW 16 マーカス タヴァニア ---->B

復調しているタヴァニア

リーグ戦:15試合4得点0アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

昨シーズン、大きく調子を落として批判の的となり続けてしまったレフティーのウインガーは今シーズンの開幕から復調の兆しを見せました。ストライカー不在で迎えた開幕戦では前線が機能せず彼自身も試合を通じて消えてしまっていましたが、第2節のニューカッスル戦では久しぶりのゴールをマークしました。そこからコンスタントに出場を重ねながらパフォーマンスも安定し始めて、サウサンプトン・アストンビラ・ウルブス・トッテナムとの対戦でいずれも1アシストずつ記録し合計1ゴール4アシストをマークするなど結果が数字として表れ始めました。元々独特なドリブルが売りでチャンピオンシップ時代には唯一無二でかつリーグ屈指のテクニシャンとしてプレミアの複数クラブから注目を集めていたポテンシャルを持っており、15試合でリーグ同ポジション平均を大きく上回るチャンスクリエーション数がそれを物語っています。加えてハードワークを惜しまないことから守備貢献度もとても高く、タックル勝利数は同ポジションのリーグ上位10%に入る18回、ファイナルサードでのポゼッション勝利もトップ10%の14回を記録しています。しかし残念ながら12月のイプスウィッチ戦後にハムストリングを負傷し、現在離脱中です。復帰は間もなくだとされていますが、冬場の重要な時期を欠場してしまったことはチームとしても本人としてもかなりの痛手でしょう。

FW 17 ルイス シニステラ ---->C

俊足だがとにかくケガの多いシニステラ

リーグ戦:8試合1得点1アシスト
カップ戦:1試合0得点0アシスト

昨シーズンはローン選手として、今シーズンは完全にチームのメンバーとして開幕を迎えたコロンビア代表のシニステラですが、今シーズンはエバートン戦以外で特に見どころなしと、フィットネス含め満足のいかないシーズンになっています。10月の番狂わせアーセナル戦で筋肉系のトラブルを発症し途中交代して以降、1月まで3か月以上の離脱が続いており出場試合数はリーグ戦に関してたったの8試合と、£20M超えの移籍金に見合った活躍はここまで全くできていないといえるでしょう。基本的には途中出場から卓越したドリブルスキルとスピードで左サイドを突破しゴールに迫っていくスーパーサブですが、ストライカーのいない開幕戦はワントップとしてスタメン出場を果たしますが結果は残せず。その後は従来の使われ方をされ効果的なドリブルで左サイドをえぐるも決定打にかけるという印象を持ちました。それでもC+の評価で踏ん張っているのは歴史に残るエバートン戦での活躍があったからです。試合を通じて相手にペースを握り続けられていた試合で2点ビハインドの66分に途中投入されると、彼の積極的な仕掛けやシュートで少し勢いを取り戻し、86分からの世紀の大逆転が始まります。その大逆転の中心的存在がシニステラであり、勢いづけだけではなく同点ゴールとなる90+2分の2点目 (クック)のアシスト、そして90+4分の決勝弾を決める活躍をみせました。

FW 21 ダニエル ジェビソン ---->C

ジェビソンは今後の成長が気になる

リーグ戦:4試合0得点0アシスト
カップ戦:1試合1得点0アシスト

疑いようのない身体的なポテンシャルを持ち大きなストライドでボールを動かすNo.9。この夏フリーで加入したプロスペクトの21歳は加入後のPSMでそれなりの活躍を見せるとストライカー不足の開幕戦に途中出場でシーズンデビューを果たすも試合終盤で大チャンスを逃す失態。その後ワトフォードへローン移籍しますが文字通り全く活躍することができず、かなりの批判を浴びた状況の中ストライカーがいなくなったチームにリコールされチームと再合流すると、カップ戦のウェストブロム戦ではダメ押しとなるゴールをマークするなどいきなりファンを驚かせました。その後も途中出場のニューカッスル戦で千載一遇のチャンスを自ら演出するなどの活躍を見せました。しかしゴール前でのクオリティは大きな課題であり、カップ戦でゴールは決めたものの一度キーパーに引っかかって決まった形であり、開幕戦のチャンスミスやニューカッスル戦でのキーパーとの1対1でのミスショットを見るとプレミアのNo.9として戦うのはまだまだ厳しいと思えます。また、ボールコントロールの粗さも課題の一つで身体能力を活かしたポストプレーを積極的に行うも落としのコントロールミスでボールを失うシーンも多くみられます。後半戦はそのような課題をいかに改善しまず試合にかかわり、結果を残すか注目です。

FW 24 アントワーヌ セメンヨ ---->A+

攻撃陣MVPの活躍を見せるセメンヨ

リーグ戦:21試合6得点3アシスト
カップ戦:2試合1得点0アシスト

適応に苦しんだ初年度が嘘のような活躍を見せた昨シーズンを経て、攻撃の要として風格さえ出てきた25歳のガーナ代表ウインガーはここまで出場停止の1試合を除く全21試合にスタメン出場し6ゴール3アシストをマークし、全ポジションにおいてリーグ3位の82本のシュートを放つなど攻撃陣をけん引する活躍を見せています。スピードとフィジカルに加えて、両足を同レベルで使いこなす多彩なドリブルは相手にとって大きな脅威で、実際にドリブル成功回数は同ポジション比較でリーグ2位と数字にも表れています。シュートに関してはあらゆるレンジから利き足関係なく積極的に放ってくるためディフェンスは常にゴールを警戒しながら守る必要があり、そのためよりドリブルが活きています。ロングレンジからのシュートの一定の正確性があり、枠内シュート数は同ポジションでリーグ上位6%、XGも上位8%の6.58をマークしています。開幕戦からゴールを奪い、続くニューカッスル戦にはアシストをマークし、2節後の大逆転エバートン戦も反撃ののろしを上げる1発を決めました。その後は一時期ゴールから遠ざかるも積極的なドリブルで相手を脅かし続け、12月末のマンチェスター ユナイテッド戦に再びゴールをマークして以降は6試合で2ゴール2アシストと数字を残し始めました。間違いなく前半戦の攻撃陣MVPの6得点ウインガーはこのままの勢いで後半戦を走り切ればS評価の活躍も十分に考えられる選手なので、注目です。

FW 26 エネス ウナル ---->C

不運に見舞われているウナル

リーグ戦:17試合2得点1アシスト
カップ戦:0試合0得点0アシスト

昨シーズンの冬にローン加入し夏前に€16.5Mで買い取ったトルコ代表フォワードはその大柄な体格を活かしたポストプレーやヘディング能力、そしてゴール前でのワンタッチスキルを武器とする選手で、リーガに2シーズン連続で二桁得点をマークする実績を持つ選手です。今シーズンはイプスウィッチ戦での87分の同点弾、ウェストハム戦での今シーズンのチームベストゴール候補となる90分の同点フリーキック弾という印象に残るゴールを決めています。しかし今シーズンの得点はそれがすべてで20本のシュートを放ち得点はたったの2点、昨シーズン(後半戦のみ)も全く同じく17試合2ゴールだったため丸1シーズンの期間で34試合4ゴールとNo.9として金額に見合ったかつやくは全くできていません。チームの中の役割はサブフォワードであることから後半途中にジョーカー的存在として投入されるも、スピードがない選手でオープンな展開が増える試合の終盤で一人遅れをとるというシーンが何度か見られているため、フィットできていないという印象が強くなってしまっています。そしてエースエヴァニウソンの長期離脱が発表されてスタメン出場にチャンスが巡ってきそうになった直前、ここ3年間で2度目の前十字靭帯断裂という悲劇に襲われました。ケガでEUROも欠場しており、本人にとってはとても苦しい1年になっていますが、何とかケガを治してピッチで元気な姿をまたみたいですね。

以下にローン選手や新加入選手等のここまでに関して簡単にまとめました。

大活躍のトラオレ

GK アレックス ポールセン (オークランド/AUS1) 13試合0得点7CS
→新設チームでここまで7CSを記録するチームの大躍進の中心的存在
GK ネト (アーセナル) 0試合0得点0CS
→守護神ラヤのけががなく出場機会なしも第2GKとしてチームを支える
DF クリス メファム (サンダーランド/ENG2) 22試合0得点0アシスト
→大躍進の若手軍団の中で不動の地位を築き経験値と安定感を加える
DF マタイ アキンボニ 0試合0得点0アシスト
→ついにDCユナイテッドから加わった18歳は早速ベンチ入りを果たす
DF マクスウェル キンゼー 1試合0得点0アシスト (カップ戦)
→何度もベンチ入りしたアカデミーの守備の要がシニアデビューを果たす
DF フリオ ソレール 1試合0得点0アシスト (カップ戦)
→ラヌースから獲得したU20アルゼンチン代表は加入直後スタメン出場
MF ジョー ロスウェル (リーズ/ENG2) 27試合0得点2アシスト
→チャンピオンシップ首位のリーズで中盤の主力としてここまで27試合出場
MF ロメイン フェーヴル (ブレスト/FRA1) 12試合2得点2アシスト
→CLにも出場するがリーグ戦は控えからの登場が多い左利きファンタジスタ
MF ドミニク セイディ (カーライル/ENG4) 22試合2得点1アシスト
→主力として活躍し攻守ともに抜群のスタッツを記録しリコールされる
FW ハメド トラオレ (オセール/FRA1) 16試合8得点1アシスト (写真)
→2試合1得点のペースで得点を量産しチームの躍進を支える活躍を見せる
FW レミー リース=ドッティン 1試合0得点0アシスト
→アカデミー育ちの18歳ウインガーが一気に台頭しプレミアデビュー
FW ダニエル アドゥ=アジェイ (カーライル/ENG4) 14試合2得点2アシスト
→2得点にとどまるも17試合に出場し一定の印象を残しリコールされる
FW ゼイン シルコット=デュベリー 1試合0得点0アシスト
→チェルシーアカデミーから加入し即プレミアデビューの19歳のウインガー
FW ジェイドン アンソニー (バーンリー/ENG2) 25試合3得点2アシスト
→恩師パーカーのもとで加入後全試合に出場し攻守ともに貢献している

前半戦の通信簿は以上になります。チーム全体のパフォーマンスが良いことはもちろん個人個人の好調なパフォーマンスに起因しており、選手ごとのパフォーマンスを見ても全体的に高い評価になったという印象があります。

冬の移籍市場の考察

さて、続いては間もなく閉幕を迎える冬の移籍市場のここまでの動きをおさらいしながら、残りの市場における動きについて残りシーズンの展望を交えながら考察していきたいと思います。

将来性抜群のソレール

まず、ここまでの冬の移籍市場では、アルゼンチンのラヌースからU20アルゼンチン代表サイドバックのフリオ ソレール、アメリカのDCユナイテッドから17歳のセンターバック マタイ アキンボニ、チェルシーアカデミーからウイングバックをこなすこともできるウインガーのゼイン シルコット=デュベリーを獲得しました。いずれも基本的にアカデミーでのプレーが中心になるとされていますが、将来を見据えた補強を行っているという形です。また、故障者続出で本職選手がいなくなったストライカーに関してはワトフォードにローンで移籍していたものの結果を出せていなかった ダニエル ジェビソンをリコールしました。アカデミーからカーライル(4部)にローン移籍し17試合で2得点2アシストをマークしたダニエル アドゥ=アジェイジョニー スタットルのアカデミーエース2本柱をリコールし、チェルシーアカデミーからゴールキーパーのカイ クラプトンを獲得しました。一方でチームを去った選手はトップチームから2名で、イタリアのナポリに買い取りオプション付きでローン移籍した元チームのスター選手 フィリップ ビリングとスペインのバレンシアに同じく買い取りオプション付きローン移籍したサイドバック マックス アーロンズです。前者はイラオラ体制下になって以降、後者は移籍2年目の今シーズンなかな出番を得ることができなくなっていたため、どちらも妥当なローン移籍だと考えられます。以上のように複数の選手がこの冬に動きを見せていますが、現在ケガ人が続出しているトップチームの主力九選手の新加入はソレールしかおらず、少なくとも1人は主力級の選手を追加補強すると考えられます。また、チームを去る選手もほぼ確実にいるといえます。ここからは、これらの冬の移籍市場閉幕までの動きの予想や考察を行っていきます。

争奪戦のファーガソン

まずはこの冬の残りの期間で補強ポイントとなりうるのがストライカーです。新エース エヴァニウソンとリーガで2年連続で2桁得点をマークした実績を持つエネス ウナルの2枚で開幕を迎えたストライカー事情ですが、冬の移籍期間中に2選手ともに大けがを負い、ウナルは確実にシーズンアウトとなってしまいました。その中でイラオラ監督はウイングのダンゴ ワッターラをストライカーにコンバートするとカップ戦のウェストブロム戦で2得点を、リーグ戦のフォレスト戦でハットトリックをマークする大活躍を見せました。しかし本職ではないワッターラをストライカーとして使い続けるのは限界があり残りシーズンの試合数や現在のポジションを考えるともう1枚 (ジェビソンはいるものの第2ストライカーとしては頼りない)彼を支えるストライカーを獲得する必要があると考えます。その中で実際に名前が挙がってるうちの一人がブライトンのエヴァン ファーガソン (写真)です。18歳で頭角を現し19試合で6得点をマークし若き新エースとして名を挙げたアイルランド代表選手ですが昨シーズン途中から調子を落とし大けがを負う不運も。今シーズンは新体制下で12試合でたったの2先発1得点と全く結果を出せず移籍は確実となっています。基本的にローンオファーを、高額なオファーがあった場合のみ完全移籍を受け入れる姿勢を見せるブライトンに対して、多くのチームが問い合わせをしているようです。その中でもボーンマスやウェストハムは継続的かつ真剣な興味を示しているようです。しかしここにきてドイツのレヴァークーゼンが強い興味を示し始めたことで、彼の獲得レースはさらに厳しいものになりそうです。そのほかにはシャルケのムサ シッラやロリアンのヤングスターであるエリ ジュニオール クルピに興味を示しているとの報道があります。同オーナークラブであるロリアンのクルピに関してはすでに交渉の席についているようで、最も可能性の高い話だと思いますが、どうやら獲得後ロリアンにローンで戻るという話のようでサブストライカーとしてではなく先行投資だと考えられます。これらの話がある中で私が残りシーズンの戦力として獲得するのではないかと考えているストライカーはミランのノア オカフォーです。この冬に一度だけ獲得の興味を示しているという報道が出ていた選手ですが、スピードとフィジカルを兼ね備えておりプレミアの激しさにも耐えることができると考えられ、スイス代表としても24試合に出場をしている実績もあります。ミラン側には放出の意思はあるようでこの冬にも一度移籍が決まりかけています。守備面での貢献度が期待できればこの選手はチームが求めているストライカーのペルソナに合致するのではないでしょうか。

新たなソランキが加入?

そのほかのポジションに関しても離脱者は相次いでいます。特にアーロンズを手放し、フリアン アラウホアダム スミスがケガで中期程度の離脱をしている右サイドバック、マーカス タヴァニアルイス シニステラが負傷離脱し常に誰かがいない2列目に関しては今現在で頭数の少なさに悩まされており、アカデミー選手の途中出場やコンバートなどが行われている状況です。しかしこれらのポジションに関しては離脱している負傷者がある程度の時期で復帰することを考慮してフォーカスせず、全ポジションを見てプロスペクトが足りない・重要なポジションの先行投資として若手を獲得することがメインになってくると思われます。候補として名前が挙がっているのはフィンランドの17歳で中盤をメインポジションとするマティアス シルタネン、アイルランドのシャムロックに所属する17歳の左サイドバック アデ ソランキ (写真)などで、元エースと同じ同姓のソランキに関してはすでに進んだステージでの交渉がなされているという報道も出ています。

再ローン間近のトラヴァーズ

一方でチームを去る選手に関しては、ゴールキーパーのマーク トラヴァーズのミドルズブラへのローン移籍がほぼ確定し、メディカルチェックまで行われたということです。ここまで守護神ケパの欠場試合で活躍を見せるも彼の牙城を崩せずベンチを温めてていたトラヴァーズが出場機会を求めチャンピオンシップへ再びわたりますが、どうやら買い取りオプションはなくドライローンのようです。ほかの選手の退団は考えにくく、チームのスターでビッグクラブから興味を集めるディーン ハイセンイリヤ ザバルニーミロス ケルケスアントワーヌ セメンヨらはひとまずこの冬は残留するようで、後半戦に向けてチームの軸は変更なく臨めそうです。ケガ人を多く出しながらもうまくチームをマネージし好調を維持するイラオラ監督のチームは基本的に大きな変更を加えずにケガ人の復帰を最優先し、後半戦も自分たちのサッカーを徹底的に貫いていくものでしょう。

いかがでしたでしょうか。多くのケガ人を出しながらも歴史的な大躍進を見せるイラオラ監督と選手たちですが、この冬の移籍市場の動きが残りのシーズンにどう影響を及ぼすのか、注目ですね!今シーズンの活躍で日本での知名度も少し上がったのではないかと思いますので、これを機に私も発信のほうを頑張っていきます。これからもよろしくお願いします!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!


SNS情報】
X (旧Twitter):@timo_afcb

フィードバックや希望コンテンツ、コラボなど等のご連絡お待ちしています!


いいなと思ったら応援しよう!