「skeb依頼絵1」イラスト制作記事
先日投稿したskeb依頼絵の制作記事です。
■清書までの過程
・エスキース
大雑把なポーズ構想です。
帽子を被っているのと左肩が出ているのが特徴的なデザインだったので、右手で帽子の鍔を摘まみ、左肩をやや前にして右上から光を当てられるようなポーズにしました。(結局右手は帽子の後ろに回して楽してしまいましたが…)
・カラー大ラフ
エスキースを基にした大雑把な全体像確認です。
細かい部分は気にせず、イメージが掴めるくらいの雑さで描きます。(流石に目くらい描けやって感じですが…)
・人体ラフ
ここではある程度バランスに気を付けて素体を描きます。
今回は両腕が服でほぼ隠れるので結構雑目です。頭部は3Dモデルを使用して線に起こしています。
本来はこの時点でしっかりとした人体バランスの素体が描けていると良いのですが、肩幅や腕の角度、頭の大きさ等に違和感があったので後々修正することになりました。
・ラフ
素体を基に服や髪のラフを描きます。
この段階では服の穴開きをどう描こうか考え中でした。
髪は髪の毛ペンでシルエットを作ってから線に起こしています。
・下描き
ラフをコピーして色を変え、雑だった部分もある程度綺麗にして下描きを作成します。
キャラが左に傾いている感じがあったので時計回りにやや回転させた他、後ろ髪の修正や服のダメージ部分を描きました。
服のダメージ部分に関しては、レイヤーマスクに対して以下のブラシを透明色で使い、服の凹凸に合わせてゆがみツールで歪ませることで表現しました。(清書の方ではもっと丁寧に形を整えています。)
色を付けてみないと気付けない違和感などもあるので、最終的に色を塗って清書前の最終確認を行います。
・線画
下描きを基に線画を描きます。
今回は普段よりもキャンバスサイズが大きかったのもありますが、輪郭線等は気持ち太めにし、色トレスを丁寧にして馴染ませるようにしました。
■各パーツの振り返り
・顔
今回は特に顔周りの出来が非常に良かったように思います。
普段は目の大きさや位置のバランスに苦戦しているのですが、今回は下描きの時点で割としっくりくるバランスで描けていて、結果的に清書でもよいバランスで描くことができました。
顔に限った話ではないですが、面倒臭がらずに清書前の段階でしっかり調整しておくのはやはり重要だと感じます。
・髪
髪の塗りで大きく変更した部分はありませんが、オーバーレイで今までよりもグラデーションを強めにかけてみました。見栄えは割と良くなった気がするので今後も続けていく予定です。
また、前作から髪の艶を描く際に以下のブラシを使用してみたのですが、艶が格段に描きやすくなりました。上下から透明色で削っていくだけでいい感じの艶が描けるのでおすすめです。
・服
今回は服のテクスチャ表現で大きな発見がありました。
具体的にはテクスチャの画像素材をラスタライズ後、服の凹凸に合わせてゆがみツールで歪ませることで自然なテクスチャ表現ができるというものです。ニット部分を見ると分かりやすいかもしれません。
今回はテクスチャ表現のためでしたが、服の模様を凹凸に合わせて変形する際にも非常に有用だと思います。簡単なものであれば自由変形やメッシュ変形でもいいですが、個人的にはゆがみツールによる変形の方が自由度が高くてやりやすいのではないかと感じます。
服の皺は相変わらずド下手糞ですが、右袖の皺は比較的マシに描けました。今後も練習必須です。
・身体
人体バランスは特に問題なかったかなと思いますが、普段から貧なキャラばかり描いているせいか、胸回りのバランス調整に苦労しました(スズカさんゴメンナサイ)。
そのためか、ラフ段階ではもう少しアオリ気味の構図になるはずだったのですが、最終的にはそれほど角度のない構図になってしまいました。角度が付くと人体バランスも難しくなるので、角度の付いた構図を描くのは今後の課題としていこうと思います。
・総評
今作は特段上手くいかなかった部分があった訳でもなく、全体的に高いクオリティで描くことができて満足しています。
課題としてはやはり服の皺表現と作業時間が挙げられます。初の依頼絵で高いクオリティの絵を描きたかったのもありますが、依然として1枚に時間がかかりすぎているのはどうにかしたい問題です。細部まで拘るのは悪いことでは無いのですが、拘りすぎるのも良くないので、その点のメリハリをつけていくことを意識して今後は取り組んでいきます。
今回は初めてのskebリクエスト絵を描かせて頂きました。何の実績もない自分にリクエストを送って頂き、クライアント様には本当に感謝しています!
有難いことに新しいリクエストも数件頂いているので、今後は依頼絵と趣味絵を両立させつつ描いていこうと思います。
この記事は以上になります。最後までお読み頂き有難うございました!