イギリスの大学を卒業しました
私は今アブダビ空港にいる。
定価より安価な航空券を購入した結果空港で11時間の乗り継ぎ時間を持て余している。
そうだ、私はこの夏ついにイギリスの大学を卒業したのだった。
そして、数年ぶりに日本に帰国する途中だ。
これはイギリスの大学で過ごした数年間を振り返る機会だ!
と思いこの記事を執筆している。
どこ大の何学部を卒業したの?
私はイギリスの北部(スコットランド寄り)に位置されているランカスター大学という大学にてBachelor of Arts (Hons) Sociology(社会学士)を取得した。
イギリスでは偏差値というものが存在しないため、大学のレベル感を数量的に評価することは難しいのだが、QS世界ランキング150位以内の大学ということで日本でいうところの名古屋大学・九州大学に近い位置付けであると言えるのではないかと思う。
ランカスター大学の特徴としては、
ど田舎なので、治安がよく勉学に
強制的に励める環境が整っていること。羊さんと牛さんに囲まれた平穏なキャンパスライフを送りたい方には最高の環境!ロンドンと比較して、生活費が安い。寮費も安い。
大学の寮が比較的新しく設備が整っている。(だがフラットメイトは選べないので、キッチンやトイレなどの共用部分での騒音や清掃に関しては運次第のところもある。ちなみに私が1年目にお世話になった寮では1週間に1度しか皿洗いをしない人がいて、初めて放置され腐って黒くなったご飯を見た。)
イギリスでは数少ない入学した学部が気に入らなかったら2年時に変更できるという柔軟なカリキュラム。私自身も政治学と社会学部のダブルメージャー(2つの専攻を同時に主専攻として学ぶ)で入学したのですが2年目で社会学部に完全移行した。
日本人が少ない!学部や博士課程の教員を合わせても多分20名以下。
インターナショナルな学生がイギリスのアカデミック文化に適応できるようさまざまなサポート体制が整っている。実際私も何度かエッセイライティングのサポートを受けた。おかげ様で苦手だったライティングの実力を着々と向上させていった。
社会学部の名物教授が何名かいらっしゃる。特に故ジョン・アリーの功績もあり、私の尊敬するモビリティー関連の研究者が多数在籍している。
3年間を振り返って
コロナ禍での授業
この3年間を振り返って、最も印象に残っている出来事ことを一つ述べよと言われたら、私は間違いなく「コロナ」を選ぶだろう。
コロナ禍に突入し私の大学の授業は完全にオンラインに移行した。
外出の制限も設けられ必要最低限の移動のみを余儀なくされた。
スーパーに買い出しに行く際、違法行動を監視する警察にその主を伝えなければならない、そんな緊迫感漂う状況だった。
私はいわゆる陰キャと呼ばれるカテゴリーの人間のため、必要最低限以上のコミュニケーションが必要ない環境はありがたかった。
しかし、私はメキシコで中高を過ごし、ラテン国特有の人の温かさに慣れていたこともあり、その温かさを感じられないイギリスでの孤独な環境はとても苦痛であった。
生活費
ただ高い、の一言。
どんなに、田舎と言えども、イギリスであること、そしてむっちゃ高いポンドが通貨だという事に変わりはない。
私は、イギリスに渡航する前某コンビニでアルバイトをしていたのだが、その時の私の時給は1080円だった。
しかし、イギリスでは最低時給ラインでも1700円で、それ基準で物価が定まっているためとにかく何もかもが高い。
唯一安いのは多分ALDIもしくはASDAと呼ばれる格安スーパーのお野菜達なのではないかと思う。
あとバターも日本に比べると安いかもしれないが、私はパンより圧倒的にごはん派なので全くだ。
友情
前に少し触れた通り、私は人生の大半をメキシコで過ごした。
メキシコの友情関係というものは少し特殊で、友人ら家族含めてみんな友達という印象だ。
だから、私は親友のメキシコ人のお母さんのお誕生日に参加するということもあった。
しかし、イギリスに来てみるとそんなことは全くと言っていいほどなかった。
とても濃い友好関係を築いていた私にしてみれば新鮮だった。
いい意味で言えば個人主義が浸透していて、サバサバした人が多い印象だ。
イギリスで友達が出来なかった訳ではないけど、なんというか中長期的に連絡を取り合える仲の人には出会えなかった。
バイト
私は、主に2つのバイトをしていた。
1つ目は大学のアンバサダーとして、大学の広報活動を行う業務。
バイト代:£9.5
2つ目は研究員として、リサーチ業務やソーシャルメディアマーケティングに携わる。
バイト代:£11.10〜15
ポンドでお給料を頂くことのありがたさはもちろん、リサーチスキルの基盤を形成してくれたこのアルバイトにつけたことを感謝している。
勉学
1年目は…
要領が分からないこと
ディスカッションに参加できない事
いきなり1,000文字以上のエッセイを短期間で提出しなければならない事
など様々な課題があった。
高校時代は、成績が比較的に良い部類に
入っていたこともあり
50点代(C評価)の連続は辛いものであり
帰りたいなと思うことも度々あった。
だが、授業に真面目に参加し
教授に恥を凌いでOffice Hour(執務時間)に分からなかった部分を全て聞きに行き
(行きすぎ、かつバカな質問をしすぎで嫌われていると思う…)
時間をかけて復習を重ねることによって
なんとか成績を着実に上げることができた。
結果、卒業時には
First Class Honours(優等学位)を得ることができた。
海外大学生の就活
私の周りに限った事なのかもしれないが、コンサル志向がめっちゃ高い!
2年生になる頃にはみなインターンに積極的に参加し、3年時にはボストンキャリアフォーラムと呼ばれるアメリカで開催される日英バイリンガルのための就職イベントに参加する。
私も2年まで皆と同じペースで就活をしていたが、心が疲弊しすぎたのと勉強が楽しくなってきた事もありそのまま就職活動はフェードアウトという形になった。
しかし、学んだことを一つ述べるのならば、
同年代の大学生への尊敬だった。
私は、日本語から10年程距離を置いていた事に加え、とても不器用な性格ので勉学と就職活動を両立することがとても難しく感じてしまったが私の周りの海外大学生は皆努力を重ね、自分のベストの就職先を探求していたのだから尊敬しかない。
これからどうするの?
大学院に行きます!
専門科目を極めに行きます!と強気に言いたいところなのですが、不安しかありません。
でも、大学生になってやっと勉強が好き!
と思えるようになったのでその思いを胸に少しでも「今日も生きていてよかった」と思う人が増えるような社会構築のための研究を続けていきたいと考えています。
では、
長くなりましたが、
世界のどこかで素敵な1日を!
そる