側湾症と生きる!ー③母の思いー
母の思い
側湾症がわかってから母親が、家でよく
「もう少し早く気がついてあげられていたら」とか
「小学生後半くらいから一緒にお風呂に入らなくなってしまったからな…」とか言っていました。
私としては、中学生のうちに気がつけただけ良かったと思っていましたが
”母親”はやはりそのように思うようです。
「お母さんが代わってあげたいよ…」
「お母さんの遺伝のせいかなぁ…」
と頻繁に言っていました。
自分自身が側湾症を持っていることよりも
母親のそのような言葉や、
私の知らないところで母親が私について悩み、自分を責めている姿を見ることの方が苦しかったです。
当事者の私は「手術しない」という固い意志のもと
ケロっとしていられましたが、
母は私が想像するよりも色々考えていたと思います。
病院のお話し
それから病院には最初3ヶ月に一度のペースで通い、
毎度レントゲン撮影をしました。
人間の体は、一日過ごすとだんだん圧がかかるみたいで
身長を測ったら朝より夕方の方が身長低いらしいです。
つまり1日過ごすと背骨に負担がかかってくるため
レントゲンは負担が少ない朝撮れるように、毎回病院へ朝イチで通いました。たまに学校を休むこともありました。
手術しない意志が固まっていたので、普段は側湾症のことを考えないで生活していましたが、
病院に行く前日の夜にはいつも恐怖心がありました。
「急に進行してて、手術しないとダメだと言われたらどうしよう…」
しかし、急に進行したことは一度もありませんでした。
診療は毎回、レントゲンを見て角度の確認をして、
母が先生に質問をする形でした。
母は普段思い浮かんだ質問を書き留めておいて、診察の時には
先生が丁寧に答えてくださいました。
「先生に何か聞きたいことないの?」
母が私に尋ねても私は毎回「特にないです!(大きな笑顔)」。
当事者より気になることが多い母。
たまに父も質問を投げかけてました。父も父なりに心配してくれていました。
MRI検査
診察で一度、MRIを撮りました。
MRIは大きな検査器具で、磁力を使って人間の断面を撮影しガンや体の異常を見つけることができます。ドラマでもよくみる白黒の写真のやつです。
先生曰く、特に心配ないけれど、骨の歪みに内臓の病気が関わっていたり
逆に骨の歪みが内臓を圧迫していたりしないか確認するため、とのことでした。
MRIは、ゴーーーっという爆音を放つ筒形の機械に入ります。
音がすごく大きくて、中が狭いので閉所恐怖症の方には難しい検査です。
ピアスやネックレスなど金属類はものすごいスピードで吸収されてしまうので本当に危険です。
興味がある方はYOUTUBEで「車椅子がMRIに吸い込まれる映像」をみてみてください。ゾッとします。
私は普段耳にピアスをつけているので、細心の注意を払ってMRIを撮影しました。とても大きな音がする機械ですが、その病院では
ヘッドフォンを貸してくださり、好きな音楽を聞かせてもらえるとのことで、むしろウキウキしてしまいました(笑)
大好きなONE DIRECTIONを選択して、撮影に臨みました。
確かに中は閉塞的で、身動きは取れず、1時間くらい縛り付けられるようなイメージだったので、入って数分は怖いと感じましたが、慣れれば目を瞑って考え事をしていられました。
結果、MRIで異常は見つかりませんでしたが、
もしものことを考えて、検査を勧めてくださった先生に感謝しています。
その後病院へは、半年に一度ペースで通いました。
内容は変わらず、毎回経過観察や質問。
手術はしない方向のお話でした。
半年に一度になると、前日夜の恐怖心はさらに大きくなっていました。
そうして病院に数回通ううちに、高校生活はあっという間に終盤に差し掛かりました。
高2〜高3の間にはコロナがあり、先生も私たち家族もマスクをつけるようになりました。
私は高3で一般受験をすることになっていて、自粛期間後には塾に通ったり部活を再開したり、忙しい日々に差し掛かるということで
「(するつもりはないけど…)手術のお話は、また受験後に考えます」
と先生にお伝えし、次に病院へ行ったのは大学生になってからでした。
今回の記事はここまでです。
次回は⑤気持ちの変化 です。
ありがとうございました!