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【仙石線廃線めぐり①】仙台駅ホームに謎の地下階段発見
突然ですが、
仙台の街中に廃線跡があることはご存じでしょうか?
廃線といっても「利用客の減少で路線がなくなってしまった」というわけではなく、地下化によって地上部分が廃線となった路線。その路線が、このシリーズでお伝えする仙石線です。
仙石線は、2000年に仙台駅から3つ隣の陸前原ノ町駅までの約4Kmが地下化されました。それから24年経った今、仙石線が走った跡がどうなっているのか? 昔の地図などを頼りに、その痕跡を歩いて探してきました!
「仙石線廃線めぐり」では、2000年に地下化された仙石線の、地上時代の痕跡を紹介していきます。
1回目となる今回は、仙台駅とその周辺
仙石線が地下化された経緯と共に、仙石線仙台駅ホームがあった場所や、仙台駅1番線ホームにある謎の階段などを紹介します!
それでは廃線ウォーキングに出発です!
仙石線廃線跡の概要
廃線位置を確認
はじめに、仙石線地上時代の概要を確認しておきます。
過去の地図や航空写真と見比べて、廃線の位置を書いてみました。
オレンジが地上の廃線跡、青が現在の地下路線です。
仙台駅周辺はかなり違う場所を通っており、榴ヶ岡から先は概ね平行しているといったところでしょうか。駅があった場所に青いピンを立ててみました。仙台、榴ヶ岡、宮城野原の3駅は駅の場所も移動していることがわかります。グレーのピンは踏切跡地です。
地図上でも廃線の形跡が確認できるところや、航空写真にすると見えてくる場所もありました。廃線跡探しはこういう所が面白いです!
地下化理由
地下化された理由は大きく2点あるようです。
踏切による交通渋滞
この区間には、14カ所の踏切があり、開かずの踏切による交通渋滞が問題になっていたそうです。仙石線は仙台のJRの中でも本数が多いですし、かなり街中を走っているので、そりゃそうですね。参考までに、現在朝のラッシュ時は、1時間に上り8本(7時台)程です。
蛇行線形
特に仙台から榴ヶ岡までの区間、地図でもわかるようにかなり蛇行しています。駅間も短いことも加わってスピードが出せず、結果的に踏切が長時間閉まってしまう原因だったそうです。地下化によって、当然踏切は全てなくなり、路線の形状も大通りの下を通る直線的なものになりました!
それではいよいよ、廃線の痕跡を見ていきます!
仙台駅謎の地下施設
1番線ホーム謎の地下階段
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まずは、仙台駅構内。1番線ホーム北寄りにある謎の地下階段です。
柵があり、防犯カメラ作動中の張り紙。たぶん覗くだけなら大丈夫だと思うので下を見てみるとこんな感じでした。
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一体どこに続いているのでしょうか。
手がかりを探していると、他のホームでこんなものを発見しました。
仙山線ホーム北端で見つけたもの
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ここだけホームの床が不自然です。ブロックが敷き詰められ、まるで地下への入口を塞いでいるよう。どのホームにも同じようなブロックの床があり、1番線で見た謎の地下階段の存在も考慮すると、各ホームを繋ぐ地下通路があったのではと想像させます。
これらは一体。。。
旧仙石線地上ホームへの地下道
これらは、仙石線が地上を走っていたころに存在した地下通路への入り口です。地下通路は各ホームと接続し、かつて仙台駅東口に存在した仙石線地上ホームへつながっていたそうです。
仙石線は宮城電気鉄道という私鉄がルーツで、他のJR線のホームとは少し離れた位置にホームが設置されていました。地下道を通って仙石線のホームへ行くことができたのです。
さらにこの地下道、仙台駅の西口駅舎側には北口改札も存在していたとのこと。現在の「エスパル」の位置です。この地下道は基本的に埋められているものの、1番線ホームからは一部が覗ける状態になっていてこれが謎の階段の正体でした。
仙台街並み写真というサイトでかつての北口の様子が確認できます。
そしてなんと、この地下道が利用されていた当時の映像がyoutubeにアップされていたので紹介させていただきます。
日本初の地下路線
実は、この地下道は日本初の地下鉄道に由来する非常に古い場所でした。仙石線は日本初の地下路線とされ、地下鉄銀座線が開業する前に、仙台駅西口側に仙石線地下ホームが存在していたのです。
旧仙石線地上ホーム跡
さて、仙台駅を出て、東口に向かいます。ここが旧仙石線の地上ホーム跡地です。現在は駐車場となっており、地下道が赤い矢印の位置に繋がっていたと考えられます。
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この地上駅跡地にも、直接仙石線地上ホームに行ける改札があったということです。現在の地下駅のように、当時も仙石線用の改札が設置されていたということですね。
まとめ
仙石線廃線めぐりの初回はここまで。仙台駅構内の地下道の跡や、仙石線の旧駅跡地を見て、当時の姿を想像することができました。これらの痕跡を地図や航空写真と照らし合わせると、さらに多くの発見があり、面白かったです。
次回は、廃線の痕跡をさらに探し、榴ヶ岡方面へと進んでいきます。実際に、当時の姿が残っている部分もあるので、今後の発見をお楽しみに!