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ドイツ逃避行2024 ❹ベルリン1日目

ドイツに行きたしと思えども、ドイツはあまりに遠し。
されど、戯言ならべる暇などない、いざ逃げよ。

10/15(火) PM
ベルリン1日目


1400過ぎ、ハンブルクから列車に乗って、ベルリン中央駅に到着した。
実に7年ぶりのベルリン。この間、何度も写真を見返し、ドイツ語を勉強したり、本読んだりしていた。ベルリンはどんなふうに変わったんだろか。
都市間列車(今回はFLIXTRAIN)は1番下の階、地下。そこからエスカレーターで3階まで登り、ベルリンの宿へと電車で向かう。
ベルリンでの24時間乗車券abを購入する。

ちなみにベルリンの電車も、ハンブルク同様改札口がない。
その代わり乗車券に打刻する機械があるため、購入後、必ず最初の乗車時は打刻を忘れてはいけない。これを忘れると、乗車券を持ってても無効。乗車券検査に当たったらアウト。
今回購入した乗車券は、打刻時間から24時間乗車できる。つまり、次の日もまたいで利用可能。明日の14時まで使える。
公共交通機関は地理的に区分分けされており、中心部からAゾーンBゾーンと広がり、空港など郊外となるとゾーンCとなる。つまり今回購入した乗車券のように、ベルリン主要範囲を移動するならABゾーンのチケットを購入しておけば問題なし。

そして補足、ベルリンではSバーン(市内電車)、Uバーン(地下鉄、ただし高架も走る)、トラム(東ベルリン側を走る路面電車)、バスあたりが市内ABゾーンを移動する時によく使う公共交通機関。あとは、REとかRBとか書かれたドイツ交通の便もあるかな。
とくにトラムは、東西分断時に西側がバスに変更してしまったため、現在のほとんどは東側。路面電車なので、車が渋滞すれば一緒に渋滞する時がある。めんどくさいけど、観光客的にはカワイイ。

ベルリン中央駅

Sバーンでアレクサンダープラッツ駅まで向かい、トラムに乗り換えてプレンツラウアー通り駅まで向かい、歩いて宿へ。相変わらずスーツケースを抱えてる。
電車で30分、歩いて10分くらいかな。15時過ぎくらいに到着。
今回も民泊。マンションの呼び鈴を鳴らすと若者が犬を連れて迎え入れてくれた。
犬、かわいい!マルチーズ!AIRbnbで犬がいることを確認してこの宿にした。もしかすると少し接する事ができるかもというスケベ心から引っかかってしまった。
部屋は4畳くらいで、ハンブルクより狭くてベッドがほとんど場所をとってる。スーツケースを2つ開けるのがきつい。ベルリンとハンブルク、宿代は同じくらいだけど、電車で30分くらい離れるし、部屋も少し狭くなる。気にならないけどね。

1時間くらい休憩して、今日の残り時間を精一杯楽しむべく、作戦会議。晩御飯は約束があるので、それまでハンブルガーバーンホフ現代美術館へ行くことに。ベルリン中央駅近くなので、馬鹿馬鹿しいけど、来た道を引き返す形となった。

1700頃、ハンブルガーバーンホフ現代美術館到着。
ここは昔あった駅舎を、居抜きで美術館に改築したもの。どうやら昔はベルリン-ハンブルク間を走る路線の駅舎だったらしい。(バーンホフはドイツ語で「駅」)
7年前にドイツに来た時にこの美術館での展示が面白くて、駅舎をそのまま活用してる雰囲気も合わさり、特に印象に残っていた。今回の旅でも必ず展示を見に行きたいと思っていた。

ということで窓口で三日間ミュージアムパスを購入することに。これは購入日から三日間、ベルリン市内の主要博物館を利用できるパス。三日間で3〜4館回れば元取れる仕組みになってる。
受付のお姉さんにパスを買いたい、というと「は?当館はもうあと1時間で終わるで?」と言われる。17時到着、18時閉館、1時間しかない。
知っとるし、それを承知で買いたいと言ってるんだけど…。
「でも明日明後日(10/16〜10/17)と時間あるから買いたいんです」というと、「は?そう?まじで?」みたいな感じ。
もう一度、当館はあと1時間、、みたいなことを隣の受付のお姉さんまで説明してきた。
なぜだ、なぜ売ってくれないんだ。
どうせ3〜4館回ればもう元取れるパスだから、明日明後日で回れば、得なんだけど。
そりゃ、本当なら少しでも多く活用するためにも、明日10/16からスタートして10/16〜10/18の三日間使った方がお得だろうよ。でも10/18は予定ありで回れないし…。だから、たとえ1時間でもパス買って回った方が得なんだけどな。
いや、こんな客って普通にいるのでは?とモヤモヤしてきた。お姉さんはため息混じりで、はいはい、といった感じ。午前中のハンブルクの美術館と全く違うな。
「ミュージアムパスに名前書いて」と言われたが、ペンがないというと、あーって感じでペンをわたされた。なんか、都会の洗礼受けたなー。いいけど…。昔もベルリン動物園のチケット購入でクレカの操作を間違え、マダムにブチギレられた事があった…。

さて、気持ち切り替えて。
展示は7年前と様変わり、そりゃそうか。というか、相当な部分が展示入れ替え期間だった。中央の展示スペースは、砂山とブルドーザー。各国の来訪者が各々の言葉で、「逆にこういう展示に見える…」と言ってたと思う。

建設中でも解体中でもワクワクする
ある展示。現代アートは掘り出されたか、
埋められたか、一時的なものになった

いくつか展示があったけど、特に面白かったのはダンスの映像。
Jeremy Shaw 「Phase Shifting」

広い真っ暗の部屋の中に、8つくらいの大きなスクリーンモニターが点在。モニターに映し出されているのは、いろんな時代・メンバー・人種・ジャンルのダンサーたち。モニターごとにまったく別の踊りをしている。モニターの近くにはスピーカーがあり、音楽が聞こえる。しかしある時、ふと気がつくと、どのモニターのどのダンサーも、全く同じタイミングで踊りを始めてることに気づく。シンクロ率が高まりだすと、ストロボのように画面はチカチカと光だして、観客はブレインウォッシュされ始める。そしてある瞬間からダンスミュージックではなく、アンビエントのような音楽に変わる。一方で画面はビットが下がったような状態になり、なんとかそれはまだダンサーの顔を映してる事がわかる程度にぐっちゃぐちゃのエラー画面のようになる。
まったく異なるダンスを踊っていたものたちが、同一の身振りを手に入れ、しまいにはぐちゃぐちゃとかき混ぜられて、粒子のような単位で大きな一つになっていくよう。
また見たいな。

別々のモニターでダンスが揃い始める
崩れだすダンサーたち

その後、残りの展示に入ろうとすると警備員に止められる。「18時閉館だから」。あと10分あったのに、入れてもらえなかった。
しかし、終了の看板も立てる権限がないのを見ると本当は入れたんだろうけど、定時上がりしたいからだろな。仕方なくショップに行く。
カーリーさんはMaximilan Krimseの画集を購入。前から買いたくて、ここなら買えると思ってきてたらしい。確かにすごく良い。ぼくもファンになった。


1800頃.博物館を出て周囲を散歩。
街を歩くと至る所にベル壁の跡の展示がある。分断の感覚を、散歩する人々の歩く身体のなかに刷り込ませる。
途中、謎の急勾配のモニュメントがあり、登ってみる。どうやら春夏はここが水が出て、噴水ならぬ落水モニュメントになってるらしい。ところどころモニュメントの周りに水溜りが残っているのはその名残だった。大型犬2頭が水溜まりの水を飲んでいた。

夕方の落水モニュメント


さて、そろそろ晩御飯に向かわないと。
今晩は僕たちのお気に入りのケバブサンドの店で、急遽、人と会食することになった。
というのも、遡ることになるけど、ハンブルク初日に予定してたのに会えなかったSくんがいたと思います。
その時紹介されるはずだったJNくん(ドイツ人20代前半)が、ベルリン在住で日本語勉強中。とにかく日本の知り合いをつくって話したい!とのことで、僕はSくんも会ったことないんだけど、カーリーさんすら知らないJNくんと晩飯を食うことになった。

さて、Naturkundem駅からトラムに乗って、Eberswalder駅に向かう。ところが1830頃、大変な帰宅ラッシュ。路面上に走るトラムは遅延。遅刻するかとヒヤヒヤしたけど、JNくんも遅刻するとのこと。
すこし周囲を散歩することにした。散歩中に、ちょうど今晩のライブのチラシを見つけた。ノイズとかハードコアパンクのイベントっぽい。
よく見ると日本のバンド、HYPER GAL。
名前を拝聴したことあるので調べたら、面白そう。観たい。行きたいけど、20代前半の初対面の子にノイズとかそういうの誘いづらいな。
諦めて、ケバブサンド屋の前で待つ。カーリーさんはこの7月にベルリン来たとに寄ったばかりで、僕は7年ぶりの念願のケバブサンド。
昔行ったのは1号店で、ここは2号店らしい。2号店作るくらい大人気らしい。
…その割にはお客さんいないし、なんかケバブよりファラフェル推しじゃない?と思ってたら、全然違う店だった。数ヶ月前きたというカーリーさんを信じていた。すごい記憶力!数分、関係ない店の前で待っていた。ゲラゲラ笑いながら、信号を渡りホンモノの店の前に。人気の証拠に確かにしっかり並んでる…店内に10人、外に6人くらい。とは言ってもわりと回転早そうだ、JNくんが来てから並ぼうか、と道沿いで待つ。
JNくんの顔も分からないけどちゃんと出会えるのかなと話していると、僕たちの背後から、ゾロゾロと30人くらいの子供たちが歩いてきた。あれよという間に、待ち人の列を2倍以上に延ばしてしまった。ポカーンとしてるうちに、先導しているコーチらしき大人が「みんな自分のメニューを選んどけよ」的なことを言ってる。映画でしか観たことないけど、なんかの試合に勝ったからコーチが全員に奢るやつかしら、こ、こ、この人数、ちょっとヤバくない?店員さんもビックリしてる。
急いでいまさら列の最後尾に立って後悔してると、「こんにちわー」と日本語で話しかけられる。JNくんだ。こんにちわー。って感じで、自己紹介を済ませて、すごい行列に驚いてる。合流後も30分くらい待った。

やっと食えたのは2000時。
僕はGemüse Kebap 、カーリーさんはVegetarisch Döner、JNくんはFalafel Wrapを食べた。
久しぶりのケバブサンド、うますぎる!ああああああ!
今回食って気づいたのは、かなり照り焼きマヨっぽい瞬間がある。もう一個食いたいくらいだけど、量がすごくて腹一杯。これ食うためにベルリン来てるかも。

好きな食べ物ベスト5にはいる


JNくんと日本語で会話。どうやら、将来は日本の大学院にいって日本で就職も考えてるとのこと。そのために日本語をたくさん喋れるようにならないといけない。かなり日本語が上手で、言葉に詰まる時はあるけど9割日本語で会話をした。今日がほぼ初めて日本語だけで会話した日とのこと。全然英語もドイツ語も実践できてない自分が恥ずかしい。
アニメが好き、とのことで、おすすめは何?と聞くと「日常」と答えた。アニオタのドイツ人オーストリア人のなかで流行ってるのかな、前もそういう人に出会った。

ドイツで食べれるオニギリは高いし小さい、という話。こないだ4週間ついに日本に来てあちこち回ったけど、丼ものが美味かった。寿司はドイツでも食えるから最終日にしたけど後悔した、日本の寿司は全く別物で、もっと早く食ってあちこち食べまわりたかった、と日本の好きな点をたくさん挙げてくれた。
面白いエピソードばかりでニコニコと聞き、日本を誉めてくれることに感謝。
しかし大学生が旅行で4週間も日本に滞在して、寿司を何度も食おうとしていたあたり、いかに日本の円安&物価の低さがヤバいかを再認識してしまった。ドイツで高級レストランに行くこともなく、このファストフードのケバブサンドを食うことを7年間も楽しみにしてる身分だし(まあ美味しいからなんだけど)、カフェやらスーパーに入ってはなんだかんだ値段を見てるせせこましさ、お土産すら安いお菓子を探してる。
明日からもこのケバブサンドの味を思い出しながら生きてくのである。お互い幸せに生きようね。


21時頃、JNくんとお別れ。
HYPER GALは諦めて、Späti(遅くまでやってる売店)でBecksビールとレモネードを買う。ほいさ、とトラムに乗ったが、トラムの乗る方向を間違えた。
乗り換えでクソ寒いベンチで待つ。22時頃、宿に到着。最後、むだに疲れた。
23頃ビールとレモネードを飲む。宿主寝てるっぽいし、シャワーはうるさそうだから、歯だけ磨いて寝てしまった。

次回はベルリン2日目。博物館とオーケストラを巡ります。

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