見出し画像

大切な人の大切なもの

私は犬を飼ったことがありません。
両親が動物嫌いで、幼い頃何度お願いしてもダメで、、犬どころか、猫やハムスターすら飼ったことがないです。

なので、犬や猫にどう接したらいいかわからないし、ペットが家族という感覚も、「そうなんだろーなー」と想像することはできても、正直わからないです。

一方、私の夫は動物大好き♡
小さな頃から、うさぎ、リス、犬など常に家にペットがいる環境で育って、動物園も大好き!

そんな夫の実家で飼っているワンちゃんが病気になったと聞いたのは、2ヶ月ほど前。
病気が見つかったときにはもう治療する手段はなく、ゆっくりとその時を待つ生活が始まりした。

夫はもちろんそのワンちゃんが心配。
実家のお義父さん、お義母さんからワンちゃんの様子を聞いては会いたくなり、片道2時間かけて実家に帰り、一泊して自宅へ戻るということが毎週続きました。

私はというと、夫の実家と私の実家が近いということもあり、私は娘を連れて自分の実家に帰ることができたので、毎週実家に帰ることはそこまで苦ではありませんでした。

ただ、まとまった買い物に行く時間がなかったり、冬物のショッピングに行きたいなーなんて気持ちもたまに湧いて来て、その度に「今はそんな場合じゃない」とかき消していました。

正直、私にとってそのワンちゃんは「よそのワンちゃん」であり、そこまでの思い入れはありません。
でも、夫にとってはかけがえのない家族。

私は夫が後悔する姿を見たくありませんでした。
だから、自分の小さな欲求はネットショッピングで満たしたり、別の方法で叶えることを選択しました。

金曜の夕方にお義父さんから「ワンちゃんが調子が悪そう」と連絡があり、夫は会社から帰宅する前に「土曜の早朝に帰ろう」とメールしてきました。
私は直感的に「今晩帰ったほうがいい」と感じました。
夫が帰宅して開口一番「今日帰ろう」と伝えたら、夫は目を真っ赤にして「ありがとう」と言いました。

そして、夫はワンちゃんと再会を果たし、その数時間後にワンちゃんは天国へと旅立ちました。

その知らせを聞いた時、「よそのワンちゃん」としか思っていなかった私ですら、涙が止まらなかったし、夫の気持ちを考えると胸が詰まりました。

そのあと、私は夫に何と言葉をかけていいか分からずにいたのですが、半日ほど経って夫から連絡がありました。


「帰ってきて一番に『今日帰ろう』と言ってくれてありがとう。間に合ってほんとによかった」

大切な人が大切にしているもの

毎週末の帰省も、「今日帰ろう」と言ったのも、夫のためにやっていたことだけど、私にとっても悔いなく過ごせたなと思っています。

【大切な人】が【大切にしているもの】を【大切にすること】は、自分にとって大きな意味があると知った経験でした。

そんなことを教えてくれた「よそのワンちゃん」

どうか安らかに

天国から夫を見守ってください

ありがとう

ゆうこ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?