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つくる人の想い【No.1 楢葉町_後藤采納さん】


SOKOAGE CAMPは運営団体である認定NPO法人底上げのスタッフだけでなく、過去の参加者やSOKOAGE CAMPに共感する仲間が企画や運営に携わっています。今回は、そんな仲間の想いを紹介する「CAMP AND READ」企画の第1弾!

今回は、インタビューの様子をお送りします。お話してくださったのは地域コーディネーターという役職で、福島県楢葉町でのSOKOAGE CAMPを企画する「ならは探検隊」の後藤采納さん、日野涼音さん。前編では、後藤采納さんの想いに迫ります。

プロフィール

SOKOAGE CAMP楢葉町地域コーディネーター:後藤采納(ごとうさな)

さな

PROFILE
2000年3月8日生まれ。大分県津久見市出身。
新潟県・長岡造形大学建築環境デザイン学科4年生。
大学在学中に福島県楢葉町で復興・創生インターンに参加したことから、
楢葉町と密な関わりを構築している。現在は楢葉町に移住し、卒業研究に勤しむかたわら、地域コーディネーターとしてSOKOAGE CAMPの運営をしている。


聞き手:高田嶺佑(たかだりょうすけ)

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PROFILE
1998年6月11日生まれ。福島県郡山市出身。
山形県・東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科卒業。
在学中は、山形市での市民活動支援や若者の集うゲストハウス設立のプロジェクトなどに参加。
認定NPO法人底上げ理事長・矢部寛明のゼミに所属し、コロナ禍における市民活動の必要性を研究。
現在は、未確定のこれからを愛している。

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「実際に現地を見たい、見よう。」

長岡造形大学建築環境デザイン学科に在学中ということですが、建築か都市計画のどちらかに興味があったんですか?
 最初はハード(建物)よりもソフト(環境)が大事なんじゃないかと思っていました。でもそれだけじゃダメじゃないとと思って。無機質な建物立てるよりはみんなで話し合って建てたりとか。(ハードとソフトの)両方できるようになりたいと思って建築に興味持ちました。

・ハード面に興味を持ったのは高校時代ということですか。
 きっかけは部活で青少年赤十字の海外派遣事業に参加してベトナムに行ったんですよ。児童施設で子供たちが人身売買にあっていたり、親がいない捨てられたりと複雑な背景を持った子供たちの生活の場がコンクリートのアパートで。なんか施設自体が暗くてつまらない建物でもったいないなと思って、ハード面も大事なんじゃないかと。そこが大きいですね。進路に迷っていた時にそのときの出来事を思い出して、結果的にたどりついたのがその大学でした。

・たしかに環境を変えることで精神的にも変わるものですからね。それで在学中に、復興創生インターンに申し込んだのは何でですか?
 震災について全然知らなくて、震災後から実際に現地を見たい、見ようと思っていて。大学に入って自由度も増して動けるようになったので、高校までは行けなかったけど大学1年の春休みに何かしようと思って申し込みました。

「楢葉町をもっと知りたい」

・移住を決断したきっかけはあるんですか?
 インターン期間が終わった後、短い期間で(楢葉に)遊びに行ったときにお客さん目線というか全然見えていないところが多すぎて、もっと知りたいという気持ちになったんですよ。仲良くしてくれるおばあちゃんたちや先輩ともっと同じ時間を過ごして、暮らすってことをしてみたいって思って。移住したら良いところも悪いところも見えてくるんじゃないかと思って移住しました。

・長岡から住民票も移したんですか?
 そうですね。大学の活動は基本リモートですね。便利な時代になりました。

・研究はどういうことをしていますか。
 楢葉町には昔から住んでいる人や震災後から住んでいる人などいる中で、そういう人たちの話とか思いを、何か形にしたいと取り組んでいます。

・研究とSOKOAGE CAMPのコーディネートに加えて、バイトもされているとのことで、とても忙しいですね。その忙しい活動の原動力は何ですか?
  楢葉町に関わっていたい!町の人と関わりたい!みたいなのがあって、町で何かするとか街のイベントだったりとかの手伝いに呼ばれた時は全部行っています。
 地域のイベントや地域の活動に混ぜてもらうときは楽しいしワクワクするし楢葉にいてよかったと思う瞬間です。田んぼでラグビーするとか子ども食堂とか。この間も餅つきをしてきて、そういうのとかすごい嬉しいし。

ともに移住した日野さんとの関わり

・一緒にSOKOAGE CAMPのコーディネートをしている日野涼音さんとはいつ出会ったんですか?
 楢葉町で初めて出会って。2年半前の復興創生インターンで出会いましたね。
 こんな気が合うことってあるんだって自分でもびっくりしています。

・楢葉町では、日野涼音さんと共同生活していますよね。共同生活はどうですか?
 苦痛じゃないです。私も他人と暮らすことってできないと思っていたんですよ。プライバシーとか1人の時間欲しいってなりそうだなと思ってて。でも涼音とならいけるなと、いけましたね。

・辛い時とか困難に直面したときどう乗り越えていますか?
 住んでみてすごい悩むことは確かにあって、被災地での当事者じゃない生きづらさや震災について触れるのが苦しい時とか。乗り越えるのには涼音に相談というか。涼音や誰かに話して乗り越えていました。涼音との日常的生活が一番楽しくて、語り合ったりとかふざけて走り回ったりとか。それないと生きていけないと思います。

・一緒に住んでて相談できる状態だから乗り越えることができた2人だと思うので。そういう話しやすさが楢葉のSOKOAGE CAMPならではだと思います。
 「話せる同世代って必要だよね」って思って。病んだりとかしていてどうしようなったときに同世代が大事だわという会話になって。同世代で話せる相手、それが大事だと思います。

SOKOAGE CAMPの魅力、想い

・SOKOAGE CAMPにきてくれた人にどんな時間を過ごしてほしいですか?
 人に出会う、震災に触れることは(コロナの状況)次第で変わってくると思っています。少なからず楢葉の今を知ったりとか人と出会ったりして、自分で価値観や考え方が変わって成長できる機会がいっぱいあるので、刺激と成長を感じて欲しいと思っています。

・もしかしたら震災の印象や偏見を持つ人もいると思います。そのことはどういうことを考えていますか。
 正直考えたことがなくて、多分そういう人に会ったことがない。でも今の真実を伝えていきたいと思うし、地元の人にも伝えていくのは自分の役目だなと思いながら活動しています。

・後藤さんは昨年の山形県飛島で開催されたSOKOAGE CAMPに参加していましたが、SOKOAGE CAMP自体の魅力って一言で表すと。
 変われるきっかけになる場ですかね。即興で作っちゃった。

・変わったんですね
 変わりましたね。特に目的を持たずに参加したんですけど、根本にあった自分を見せないところとか親友にも絶対隠しているところがあると言われるくらいで自覚してい。見せれない、怖いというところが、根本で何が原因で悪かったのか知れたし、このままじゃ自分が自分を好きになれない、変わりたいというのがありました。涼音と大号泣しました。

りょうさな

後編予告


 今回インタビューさせていただいて、後藤さんからは「とにかく出会った人ひとりひとりへの愛を大切にしている」印象を強く感じました。SOKOAGE CAMPに参加する大学生のみなさんにも、コーディネーターとしてだけではなく等身大の同世代として向き合う。そのような姿がイメージできました。
 後編は、この記事も登場していたもう1人の地域コーディネーター、日野涼音さんへのインタビューです。そちらでは町暮らしでのエピソードや、楢葉町について色々紹介していきますので、ぜひご覧ください。


【SOKOAGE CAMPについて】


【2022冬開催日程】参加者募集中!!
大崎下島:2月19日(土)~ 2月23日(水)4泊5日
庄内地域:3月 3日(木)~ 3月 8日(火)5泊6日
楢葉町:3月 9日(水)~ 3月14日(月)5泊6日

【2022冬オンライン説明会申し込み】

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