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記憶の記録15

定時制は基本的に4年間通うこととなる。
ほとんどが日中仕事をして、夕方から登校する、という生活を送っているが、中には無職で高校に”遊びに来ている”タイプの人もいる。

私の場合は入学後2ヶ月ほどしてから、バイトの話をもらった。
高校側に在学生向けの求人が来たり、担当の教諭が求人をもらってきたりするのだ。
私は自動車免許を早く取りたかったので、教習所代を貯めるためにそのバイトを始めることにした。
仕事先は高校近くの小さなスーパーマーケットで、同じ高校の先輩達も在学中からバイトとして入社し、多くが卒業後そのまま正社員として働き続けているような、高校と付き合いの長い会社だった。
勤務は朝の8時~夕方の16時までだったように記憶している。土曜も仕事をした。
レジ担当だったが仕事の内容は色々ある。開店前の毎日の売価変更は、売り場担当と時間との戦いで、1日の中で一番忙しかった。
生鮮品は特に取り扱うものが毎日変わる。その毎日変わるプリセットを開店前の5分間で頭に叩き込み、開店と同時に来るお客様(個人経営の飲食店などが多かった)を迎えた。
忙しかったし嫌なお客さんに当たったりして大変ではあったが、先輩たちや常連さん達にもかわいがってもらい、1年ほど楽しく働いた。
最後の日、レジ長からお手紙をもらい、自分で思っていたより周囲から評価されていたことや、可愛がってもらっていたことを正しく認識した。また、いつも私のレジに並んでくれていた常連さんからは、ぶどうやパイナップルなど少しお高めの果物をたくさんもらった。「いつもあなたの笑顔に癒されてたんだよ」といったことを言ってもらい、本当に嬉しかった。

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