MID環境スタンダード構築ガイド
こんにちは、そこー(@uNemrit)です。
まずは自己紹介から。AFR環境で、Mazuku94氏のリストを参考にした『黒単信心』を使い、勝率6割ほどでミシックに到達させていただきました。
ただ、彼のプレイヤースキルが高すぎるせいか、最終的には彼のリストに大きく手を加えることとなりました。というのも、メイン戦もサイド戦も、私には『根本原理』に勝てるビジョンが一切見えなかったのです。
そのため、私が『根本原理』に勝てるサイドボーディングを検討した結果、「《スカイクレイブの影》か《不死の騎士》を出す」というサイドプランに落ち着き、無事ダイヤ沼を駆け抜けることができました。
まぁ、その辺りの話はどうでもいいです。軽い権威付けをしたかったのです。
さっそく、MID環境スタンダードで使うデッキを考えていきましょう。
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突然ですが、構築シーンにおける使うべきデッキとは、どのようなものになるのでしょうか?
答えは明確ですね。それは、強いカードだけを入れたデッキになります。
有名なところで言いますと、《黄金架のドラゴン》。
とても強いカードです。《黄金架のドラゴン》を30枚、土地を30枚入れたデッキが強いかと言われるとそういう話ではないですが、ともかくマジックにおける最大限の4枚は入れたくなってしまう。そんな、魅力的なカードです。
デッキ構築をする際に、よくこんな話を耳にします。
「アグロの土地枚数は23枚以下、ミッドレンジは24~26、コントロールは27枚以上がベスト」
時代はもう令和ですので、必要な土地枚数くらいは確率論で考えていきましょう。
まず、私の構築手順を簡単に示します。
①強いカードを必要な枚数だけ入れる。
②その強いカードを使いたいターンで出すための望ましい土地枚数を算出する。
何が言いたいかというと、私は始めに土地枚数を定義していません。
土地っていうのは、使いたいカードを出すために必要なマナを出すカードであり、したがって使いたいカードが存在していなければ本来は調整することができないはずなのです。
簡単に例を示しましょう。
ここに、《隠棲した絵描き、カレイン》がいます。
とても強いカードです。ボードに圧をかける赤黒を組むにあたって、絶対に入れたいカードだと考えます。
さて、このカードを先行2ターン目に出すために必要な《山》と《沼》の枚数は、それぞれ何枚でしょうか?
うわ〜めんどくさそ〜って思った人は、ここから先は読まない方がいいです。
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とはいえ、前提条件が足りないのは事実でした。「出す」の定義があいまいですからね。
そこで、私はこの文脈における「出す」を「87%以上の確率で出せる」と定義します。すべての強いカード達を、87%以上の確率で出すために必要な土地を揃える。出せない確率は13%以下で、そんなものは事故だ。そう割り切ります。
このような妥協点を設定してしまえば、以降の話は簡単です。
「先手2ターン目、初手7枚と引いてきた1枚の合計8枚の中に《山》と《沼》がそれぞれ1枚以上含まれている確率」を求めます。
まずジャブですが、「デッキの枚数が60枚のときに、特定のカードを1枚以上引ける確率」において、先手2ターン目にその値が87%を超えるためには13枚のカードが必要です。先手2ターン目までに《山》を引いておきたいなら、とりあえず13枚入れとけば私的には満足する、というわけです。
しかし、《隠棲した絵描き、カレイン》の場合は《山》かつ《沼》を引かなければいけない。この場合は、13枚だといけません。仮に《山》と《沼》を13枚ずつ入れたデッキで先手2ターン目に《隠棲した絵描き、カレイン》を出そうとするならば、その確率は77%にまで低下してしまいます。これは、私の満足領域ではありません。結果として、私の場合は《山》と《沼》をそれぞれ16枚ずつ入れないといけなくなります。
計算に用いたデータが載っているページはこちら。
https://mtg-jp.com/reading/katerumagic/0015170/
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土地については、こんな感じです。こんな感じの作業をすべての強いカードに対して行い、そのカードが出したいマナ域で出せるかどうかを、慎重に吟味していきます。
なお、これをやっていく過程で「試しに計算してみた。そんで、環境の多色土地とかもぶっ込んでみた上で、デッキに入れる土地の枚数が30枚になっちまったよ」になることもあるかと思います。
その場合は、妥協点を下げればいいということになります。87%では土地枚数が増えすぎてしまうならば、妥協点を83%程度に下げてみればいい。そうすると、デッキの土地枚数を減らすことができるでしょう。
逆に、「基本土地を入れなくていいくらいマナ基盤に余裕がある」という結果がはじき出されたとしたら、妥協点を引き上げることも考えてみてください。妥協点を90%程度に引き上げた2色マナベースを構築できるかもしれませんし、2色の妥協点を87%に抑えた上で、3色にタッチできるマナベースを構築することができるかもしれません。
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さて、強そうなカードを欲しそうな数だけぶっ込んでみたBO1お試しリストが次のようなデッキになります。
土地は環境の多色土地、ミシュラランド、神話土地から優先的にセレクトし、一旦25枚に収めてみました。細かいことは、ここではまだ考えていません。
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