いぶし銀でアノニマスな2色ボールペン「三菱鉛筆 SE-800/SE-1000」(加筆しました)
SE-800/SE-1000という名前の回転繰り出し式2色ボールペンなんですが、調べてもほとんど情報が出てきません。そんな謎多きボールペンに魅了されてしまいました。
まず文房具系のSNSやYouTubeを検索しましたが全く紹介されていません。次に三菱鉛筆のウェブサイトで調べてみました。驚いたことに商品が掲載されていません。それなので当然公式オンラインショップでも販売されていません。uniの総合カタログにはSE-1000のみが掲載されているのを見つけました。SE-800はおそらく前のモデルではないかと予想しています。
そんな不遇の扱いを受けてるような、このボールペン、実はモノタロウやAmazonでは普通に販売されています。しかもレビューはどちらも★4以上と高評価。レビューには「20年以上使っても壊れない」というコメントもあるので、僕が知らないだけで密かなロングセラー商品なのかもしれません。
では、このボールペンの魅力についてですが、今風のデザインとは異なる質実剛健で無駄のないシンプルなデザインだと思っています。
塗装がなく、グリップ部分には細かい溝が彫られているだけ。メーカ名や軸を回す方向、色の表示もない潔いデザインで、商品名がなく、型番だけなのもプロ仕様みたいで通っぽい。まるで工具や実験器具のようなアノニマスデザインです。エメコチェアや貝印のピーラ(僕はDH6500が好きです)、D&DEPARTMENTで取り扱っているロングライフな製品を思わせます。
軸の材質は真鍮製なので、使う中でぶつけてへこんだりすることもありますが、それがまた味になりそうです。持ってみると手に馴染み、軸が細めなので手帳用のペンとして使いやすいと思います。無骨な感じがトラベラーズノートにも合いそうです。
僕は街の古びた文房具店で偶然、このSE-800を見つけて購入しました。もともと2色は黒と赤ですが、現在はリフィルをジェットストリーム芯0.5mmの青と赤に交換して使っています。リフィルは4C規格です。
機能的に目立つことはありませんが、しっかりとした実力と魅力を持った、いぶし銀のようなボールペンだと思います。このまま販売が継続されることを願っています。
※Amazonへのリンクはアフェリエイトリンクを使用しています。
SE-800はメタリックブルーに見えますがSE-1000と同様にシルバーです。
2024.7.6追記
SE-1000を買ってみた
記事を書いた後にどうしても気になってしまい、SE-1000を購入しました。すると自分が勘違いしていたことに気付きました。
回す方向と色の表示がありました!写真の通り、バーコードラベルの他に「◀︎クロボールペン」「アカボールペン▶︎」と書かれた帯のシールが貼られていました。Amazonの写真はシールが付いてない状態なので、剥がして使うのがスタンダードなのかもしれません。
おそらく僕も購入してすぐにバーコードラベルと一緒にこのシールを剥がしてしまったようです。ただシールがついているときでも、黒と赤の細いラインがドイツっぽく、かっこよく見えるので、これはこれでデザインの一部として楽しめると感じました。
三菱鉛筆さんに聞いてみた
曖昧だった点をはっきりさせるために、三菱鉛筆さんにいくつか質問してみました。
Q: SE-800、SE-1000はいつから販売されているのか?
A: SE-800は1992年から発売され、2017年に製造終了しました。SE-1000は、その後継品として2017年から販売されています。
つまり、SE-1000も含めれば、このシリーズは32年間も続いているロングライフデザインの商品ということになります。こんなに長くみんなに愛されているなんて、すごい!
Q: SE-800とSE-1000の違いは何か?
A: 材料費の高騰により、品番と価格は変更されましたが、仕様自体は変更されていません。
安い部品に置き換えしていないことは、従来品のSE-800から愛用している方にとって非常に嬉しいことだと思います。
まとめ
SE-1000を手に入れてみて、改めてそのデザインや使い心地、そしてその背景にある歴史について新たな発見がありました。長く愛されてきた商品にはそれだけの理由があるのだと実感しました。これからもSE-800とSE-1000を愛用していきたいと思います。