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呼吸の瞑想

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お釈迦様直伝の呼吸の瞑想についてまとめていきます。いつでも参照できる手軽なテキストのようにしたいと思っています。全8話+1話(慈悲の瞑想)。
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#ヴィパッサナー瞑想

呼吸の瞑想(4): 快と不快

 おはようございます。前回は「感受」についてお話ししました。私たちはいつも感覚とともにそれに付随する快や不快を感じているということでした。  さて、前回は呼吸に対する喜びや安らぎを感じる訓練をしましたが、実は呼吸以外にも、私たちが普段の生活で受け取る様々な出来事には感受のプロセスが関わっています。たとえば冬の寒い北風に吹かれたときに、寒くて嫌だなと思うかもしれません。これは北風に不快さを感じているわけですね。あるいは暖かいシチューの匂いに心がほっとするかもしれません。これは

呼吸の瞑想(6): 煩悩からの解放

 おはようございます。前回、煩悩には貪瞋痴の3つがあることを学びました。この煩悩に気づくことができるようになったら、そこから心を開放していく訓練をしていきます。 第三の四考察(心に関する考察) 9. 「心を感じながら息を吸おう。心を感じながら息を吐こう」と訓練しなさい。 10. 「心を喜ばせながら息を吸おう。心を喜ばせながら息を吐こう」と訓練しなさい。 11. 「心を安定させながら息を吸おう。こころを安定させながら息を吐こう」と訓練しなさい。 12. 「心を解放しながら息を

呼吸の瞑想(7): 無常と無我

 おはようございます。前回は「心」について見ました。その中で心に生起する煩悩を見つめ、その煩悩との距離の取り方について学びました。しかしそれは煩悩からの完全な解放ではありませんでした。  第4の考察は「智慧」です。智慧とは何かというと、心の苦しみはどこから来るのか、そしてその苦しみからどうしたら解放されるのかについての理解と実践です。 第四の四考察(智慧に関する考察) 13. 「無常であることに意識を集中させながら息を吸おう。無常であることに意識を集中させながら息を吐こう

呼吸の瞑想(8): 執着心を手放す

 おはようございます。いよいよ今日で「呼吸の瞑想」のお話も最後です。前回から4つ目の考察である「智慧」についてお話ししています。前回はその中の第13の考察「無常であることに意識を集中させながら呼吸をしよう」についてお話しました。今日お話しする第14, 15, 16の考察は「色あせていくこと」、「解きほぐれていくこと」、「手放すこと」に意識を集中させながら呼吸をしよう、というものです。 第四の四考察(智慧に関する考察) 13. 「無常であることに意識を集中させながら息を吸おう