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0105「高校サッカー選手権観戦日記」
今日は他に予定もなかったので思い立って等々力陸上競技場に全国高校サッカー選手権大会の準々決勝を観に行った。お目当は第一試合の青森山田vs矢板市中。青森山田に北海道コンサドーレ札幌内定の檀崎竜孔選手がいるのが一番のモチベーションだ。
寒い中待つのが躊躇われたのでキックオフ1時間前に着くように出たが天気が良く、武蔵小杉駅からスタジアムに向かう間に汗だくになるほどだった。そしてスタジアムには想像以上の長蛇の列が。
青森山田vs矢板中央
試合開始後すぐに青森山田にチャンスが訪れる。右サイドのロングスローから三國選手がバックヘッド。クロスバーに阻まれたが、このロングスローからの攻めがこの試合を象徴するプレーとなっていく。青森山田はその後もボールを保持、最終ラインでパスをつなぎながら攻め手を伺う。左サイドでは檀崎選手含め数人が絡んだパスワークで崩しを試み、右サイドではバスケス・バイロン選手がスピードに乗ったドリブルで崩しを試みていた。
青森山田が押し込んでいるように見えたが先制は矢板中央。右サイドでスローインを獲得するとロングスローでゴール前へボールを送る。一度は弾かれたボールを再度ゴール前に蹴りこむとフリーになった眞島選手が決めた。青森山田のGK飯田選手は少し判断に迷ってしまったかもしれない。
その後も青森山田はボールを保持しフィニッシュにもいくつか持ち込んだが、ビルドアップがなかなか上手くいかず、それを拾った矢板中央が鋭い攻めを見せるようになり、流れは矢板中央に向かっているように見えた。しかし前半終了間際に青森山田が二階堂選手の得点で追いつく。これもまたロングスローが起点となっている。右サイドからのロングスローだった。
後半は青森山田がペースを取り戻したように見えた。私が座っていたメインスタンドの目の前で檀崎選手のプレーも何度も見えた。その左サイドのロングスローから青森山田の逆転ゴールが生まれる。一度弾かれたボールを再度ゴール前に蹴りこむと二階堂選手が技ありの2点目を決めた。
このまま試合は2-1で青森山田の勝利となるが、矢板中央の最後の怒涛の攻めは非常に見応えがあった。青森山田はGK飯田選手のビッグセーブに何度か助けられたと思う。矢板中央の終盤の気迫のプレーや、青森山田のあからさまな時間稼ぎを行わず攻めきる姿勢に魅せられて最後までサッカーを楽しませてもらった。
尚志vs帝京長岡
第二戦は手堅い尚志、多彩な攻撃を見せる帝京長岡という印象を受けた。帝京長岡の最終ラインでのビルドアップミスを見逃さず尚志の染野選手が先制し逃げ切った。この得点はしっかりボールを奪い切り、絶妙なスルーパスを通した二瓶選手とそれを流し込んだ染野選手の上手さが光った実に綺麗なプレーだった。
前半途中あたりから体が急激に冷えてきて観戦が段々辛くなってきた。日もかなり傾き、ピッチはほとんど日陰に。
我が北海道代表の旭川実業が壮絶なPK戦の末に破れた相手である帝京長岡を少し応援していたが、旭川実業戦でも見せたようなボックス内に鋭く入るスルーパスや楔のパスは見ていて面白い攻めだった。チャンスは作っていただけに、あと一点が遠かったのが残念だ。
感想
二試合ともかなり拮抗した試合で、本当に少しの差が勝敗を分けたと思う。どちらも最後まで白熱して見ていて面白かった。Jリーグのオフシーズンにもこれだけ面白いサッカーコンテンツがあるのだからやはり関東の人はラッキーだ。
高校サッカーもここまでのレベルになると所々にプロでも通用する、あるいはプロ顔負けのプレーが見られたりもするが、それを如何に長い時間継続できるかがプロとの差なのだなと今日の二試合を見て感じた。ドリブルにしろシュートにしろ、シーンを切り取ると素晴らしいプレーがたくさんあるがそれを80分間継続して同じパフォーマンスとして発揮するのは難しそうだった。もちろんこの過密日程ということもあるかと思うが。
過密日程で言えばバックスタンドからの声援も凄いと思った。私なんかコンサドーレの試合を応援したら3日くらいは声がかすれているが、彼らは4日間で3試合、あるいは6日間で4試合応援しているわけで、TVにどれくらい拾われていたか分からないがスタジアムには大きく応援歌が響いていた。