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【VRChat】VRガンナガンで改めて実感した対面ゲームの魅力とVRの可能性

先日、自分が最近ハマってるコンテンツの一つである『VRガンナガン』のクラウドファンディングが行われ、それが無事に目標の1000%を達成。1014万円を集めて終了しました。

VRChat上のコンテンツであるVRガンナガンには、自分は最近毎週大会を開いたりするくらいにはハマってるので一ユーザーとしてクラファンの成功はとても嬉しいです。本当におめでとうございます!

そういえば自分のTwitterのフォロワーのほとんどはポケモン関係で知り合った人達ですし、自分のツイートの内容もだいたいポケモンのことが多いので、最近始めたVRChatやこのVRガンナガンについてはあまり喋れていませんでした。いい機会なので最近ずっと遊んでいるVRChatやガンナガンの話をここに書いてみようと思います。


ガンナガンについて

これから話すのはVRChat上で遊べるVRガンナガンの話ですが、ガンナガン自体は普通にリアルでも売ってるボドゲです。
VRでハマったので自分は出ているリアルで出ているシリーズ全部買いました。
ガンナガンはLCG(リビングカードゲーム)と呼ばれるジャンルのカードゲームで、TCGのようにパックを開封してカードを集めるのではなく、1つの商品で完結するボードゲームタイプのカードゲームです。

プレイヤーはそれぞれ特徴的な能力を持った機銃カード2枚と銃士カードを選び、その組み合わせで様々な戦略が取ることが出来ます。
使用するデッキは機銃ごとに固定で、遊ぶのに一からデッキを組む必要はないものの、機銃デッキ同士の組み合わせがデッキ構築を簡略したシステムにもなっているカジュアルながら奥深いカードゲームです。

銃のカードと対応するデッキを二つ選び、二丁拳銃で戦うボドゲタイプのカードゲーム

そんなボードゲームが、ガンナガン公式のワールドとしてVRChat上で無料で遊べてしまいます。
ちなみにVR機材を持っていなくてもPCさえあれば遊べます。

ワールドの細かいところまで作り込まれていて、実際に紙のゲームで遊んでいるような感触を感じられる一方で、相手の使うカードを読み込んでくれるテキスト確認パネルや、自動でカードをシャッフルしてくれる機械が備え付けられていてデジタル特有の快適さも兼ね備えています。
なにより銃を題材にしたゲームなので相手にダメージを与える際は実際にハンドガンで射撃します。楽しい!

テキスト確認パネル

更にはワールド内には配信卓とデカいモニターまであります。これで大会観戦したら絶対楽しい。

VRChatについて

VRChatは去年の10月に始めました。VRChatはVR空間上でVR空間で様々なユーザーと交流ができるVRSNSです。ゲームのような共有の目的はなく、存在するワールドもアバターもほとんど全てユーザーが作り出したもので出来ています。

VRゲームは昔から興味はあり、PSVRを買ったり、Quest2もQuest3も発売日に買ったりしてはいるんですが、なんとなく今までずっとVRChatは避けていました。 人とコミュニケーションをすることが目的のゲームで自分が上手くやれる自信が一切なかったからです。
が、いざ始めてみると完全にハマってしまいました。

VRは目の前に実空間として認識出来る世界が広がっています。自分はこれまでその中でゲームで遊んでいたりしていたわけですが、VRSNSの場合、そこに加えて様々な人やモノ、様々な文化やコミュニティが無数に存在します。

そうなるともうほとんど現実空間と持ってる機能は近いんですよね。電話越しの声が合成音声だからといってその声が虚構ではないのと同じように、デジタルで再現された実空間が目の前に広がっていて、そこに自分と同じ生きた人々がいるならば、それが現実社会として機能し得ることは何ら不思議ではない。

現実と大きく違うのは、一つは移動時間の有無。ヘッドセットさえ用意できれば家から移動時間0秒でどんな場所にもどんな時間にでも行けてしまう。そう考えるとあり得ないほどに便利で快適。もうやろうと思えば現実のあらゆる物事だいたいこっちで代用できるんじゃないかな…

仮想現実が現実社会としても機能し得るということは現実社会同様、なんならそれ以上に面倒な要素も当然あります。

VRChatは基本的にゲーム作品として楽しむものではないと感じています。
VRSNSやメタバースと言われるこのコンテンツは、言ってしまえばデジタル上に人々が存在出来る空間が用意されているだけです。アバターもワールドもイベントも、そこに生きる人々が自ら生み出し、それぞれ独自のコミュニティを築いています。
プレイヤー共通の目的や公式に用意されたゲームを遊ぶ為の導線といったものは一切用意されていません。

そんな中VRChatを始めたばかりの初心者は、知らない人しか存在しない空間で、共通の話題もないであろう誰かに話しかけなきゃいけない、あるいは話しかけられなければいけない。正直相当に無茶な事を要求してくるゲームです。

とはいえこの構造があまりにも無茶であることはVRChatユーザー共通の認識である為か、幸いVRChatを始めたばかりの初心者に対してのサポートはコミュニティ全体でかなり厚いとも感じています。

毎日のように初心者向けのイベントが有志によって開かれていますし、迷い込んできた初心者に対してその場にいた人が操作方法や基本的な楽しみ方を案内する初心者案内という文化が根付いています。
自分と同じような初心者とも出会いやすく、同じ月に始めた人が参加できる"同期会"といったコミュニティでは自分の始めた23年10月グループだけでも280人近くの人が参加しているようです。少なくとも自分が今まで思っていたよりは遥かにハードルが低く、入りやすい世界ではありました。

コミュニケーションツールとしての対面ゲーム

そうは言ってもコミュニケーションの最初の一歩の難易度が高いことには変わりありません。
始めたばかりで知り合いが少ない、あるいは交流の輪を広げようと普段と違う場所に出向いても、初対面の人と何を話せばいいのか分からず、既に出来上がっている人の輪に入るのも難しい。
インターネットには場の空気感が分かるようになるまで"半年ROMれ"なんていう半ば死語もありましたが、自身の体があるこの空間では立ち聞きも気まずい。
なんとかフレンドを作れても、そこから共通の趣味を見つけるのもまた難しい。

ガンナガンのような対面で1vs1で遊ぶゲームは、同じ卓につけば全く知らない相手とでも、互いに勝利という共通の目的を目指した対戦が始まります。
対戦ゲームは直接的な会話が少なくてもプレイを通じて相手のことが垣間見えてきます。使うカードの好みや細かい所作、対戦中に発生する勝負の駆け引きは一つの対話だと言えるでしょう。

また戦略性の高いゲームは対戦が終わったあと感想戦がしやすく、ゲームが終わった後の話題も作りやすいのも交流に向いていて、これが他のVRChat上の人気ゲームワールドとの大きな違いでもあります。

勝負を決めた一手はどこだったのか、お互いのカードの使い方や他の選択肢など、終わった後も対戦相手とカードについて話していたらあっという間に時間が経っていた、なんてことを最近毎日やってる気がします。

1vs1で遊ぶ対面ゲームは対面している相手と遊んでいる感覚がとても強く、
より多人数で遊べるものや、逆に一人でも遊べるものと比べてコミュニケーションのきっかけが作りやすく、
半面TRPGや人狼ゲームのような、会話がゲームに大きく関わるものよりもコミュニケーションの難易度が低いです。

通常カードゲームはゲームを円滑に遊ぶ際カードの使用に宣言が必須なことも多いですが、ガンナガンのワールドはマイクを使わない無言勢でも円滑に遊べるような機能が揃っています。

カードゲームは交流のきっかけにはなりますが、必ずしも会話による交流をしなければいけない訳ではなく、当然ゲームを楽しむために遊ぶもの。
むしろゲームを遊ぶために遊んでいるだけで、勝手に知り合いが増えていくのが対面ゲームの一つの魅力だと思っています。

VRChatを始めるまでの経緯

自分は大学生時代、ポッ拳というポケモンの格闘ゲームにハマっていました。当時仲のいい友人なんてほぼいなかった自分は対戦ゲームの奥深さ、対面ゲームのコミュニケーションツールとしての面白さに魅了され、毎月のように東京の対戦会に足を運んでいました。

そこからポッ拳のユーザー主催大会のスタッフをやったり、ポケモンカードのジャッジの資格を取り大会のジャッジをしたり、今でも対戦ゲームではないもののポケモン関係のオンラインの配信イベントを主催するようになったりと今の自分を形作るきっかけになったわけですが、コロナ禍によってオフ大会は一時消滅、対面で対戦ゲームを遊ぶ機会が突然無くなってしまいました。

とはいえポッ拳にはオンライン大会を開催するという選択肢は残されていました。実際当時『ポケモンジャパンナショナルオンライン』という有志によるポケモン本編、カード、ポッ拳合同開催の大規模なオンライン大会が開かれ、自分もポッ拳部門のスタッフとして稼働していました。しかし、大規模なオンライン大会であってもオフ大会の熱気や体験の再現は出来ません。

勿論オンライン大会には、誰もが自宅に居ながら遠く離れた相手同士とも遊ぶことが出来る大きな利点があります。
しかし、自分と同じゲームが好きな人たちが一つの会場に集う一体感、プレイヤー同士のドラマを目の前で見る面白さはオフ大会ならではのもので、オンラインでは対戦相手と気軽に感想戦すらも行えません。
知識が求められる対戦ゲームにおいて自分より実力の高い相手の思考を知ることは強くなる上でほぼ必須だと思っています。対戦後相手の思考を直に聞けるオフの場はオンラインと比べて圧倒的に強くなりやすい環境だということは間違いないでしょう。

コロナ禍は明けましたが、長らく薪がくべられなかったポッ拳コミュニティ全体の熱量も、自分自身の熱量も、コロナ前とは比べ物にならないくらい落ち着いてしまったと思います。

VRChatであれば、VRガンナガンであればオンラインでありながらオフラインと同じ体験をすることが出来る。自分が今まで悩み続けていたオフラインとオンラインのジレンマが、この環境なら全て解決する。

VRガンナガンのワールド内にある大きなモニターを使って、大勢で大会の観戦がしたい。このゲームに熱中する人たちを直に見ていたい。

対人ゲームは遊ぶ相手が居て初めて成り立ちます。
コミュニティもないまま大きな大会は開けないので、まずは初心者が入ってくる為の入口と、プレイヤーが遊び続けるための場を作ろう。
そう思い去年12月から『ガンナガン同好会』というイベント用グループを作成。毎週日曜に初心者体験会と小規模大会を開催するに至りました。
自分と同じ10月にVRChatを始めた同期の方たちにスタッフとして協力してもらいながら、今もイベントを開催しています。

VRChatはイベントも滅茶苦茶簡単に開けます。
会場費等のお金の心配も事前の予約も必要なく、移動時間もないので隙間時間に開催が可能。
誰もが自宅に居ながら一瞬でイベント会場に行けるので参加のハードルも開催のリスクも非常に低い。それでいてオフラインに近い体験が得られるのです。

VRガンナガンの盛り上がりと今

自分自身VRChat歴も浅くまだまだ知らないことが多いですし、なによりユーザー主催のイベントは一度の開催に心血を注ぐよりも今後も継続できることを優先すべきという考えのもと、ガンナガン同好会はひっそりと誕生しました。今でも大したことはまだ何もできていません。が、同じく12月、VRガンナガンに拡張セットを実装する為のクラウドファンディングが始まりました。

ワールド製作者様方の尽力によってクラウドファンディングは大盛況に終わり、ガンナガンのワールドも11月12月と比べて目に見えて盛り上がっています。

最近は夜の時間帯であれば平日休日問わずpublicワールド(フレンド専用の鍵部屋などではなく、誰でも入ることが出来る部屋)でも多くの方が対戦や観戦をしていて、一つの部屋に10人以上いることも全く珍しくないです。
一つの部屋には4つ卓があるので満席に加えて観戦者までいる状態です。
クラファンの盛り上がりから興味を持った人も大勢いて、やり込んでいる人だけでなく今日始めたという人も頻繁に見かけます。

有難いことに自分の開いているイベントも大した宣伝もしていないのにも関わらず回を重ねるごとに参加者が増えていっており、ガンナガンのコンテンツ力の高さと対面ゲームとVRの相性の良さを強く実感しています。

あまりにも勢いが凄いせいで最近は自分たちのイベントもキャパシティギリギリまで参加者が増えてきています。
本当はもっとちゃんと宣伝に力を入れたり、別の企画も立ててみたいとは思っているんですが、既に手一杯になりつつあるのが現状で、
最近は19時からの初心者体験会は大会などで縁の出来たスタッフ以外の参加者の方々に手伝ってもらいながらなんとか進行しています。

クラウドファンディングは無事大成功に終わりました。ここまでの盛り上がりは全てワールド製作者様方の力あってのものだと思います。
ここから先はコミュニティ側がこの面白いコンテンツに薪をくべる番です。きっと今の熱気を維持し、さらに拡大することも決して不可能ではないはずです。
自分は今後もガンナガンのイベントを続けていきたいと思っています。

ここまで読んでいただいたガンナガンに興味を持ったVRChatユーザーの方々、あるいはオフ大会が好きなゲーマーの方々、一緒にVRガンナガンで遊びませんか。

VR空間上で開催するオフ大会、滅茶苦茶面白いです。

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