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慢性閉塞性肺疾患(COPD)という苦しい病気

【日本における死因の第5位は「肺炎」】

「肺」という臓器は、血液中の新鮮な酸素と、からだの中から運ばれてきた二酸化炭素を交換するところです。血液成分のひとつ、赤血球の中にヘモグロビンという色素があります。この色素に酸素が結合してからだ全体に運ばれ、その代わりに生体反応で発生した二酸化炭素を受け取る。最終的に肺から体外に放出されるのです。

慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)という病気があります。
今まで慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれていた病気の総称です。気管支が炎症を起こしたり、肺の奥深くにある肺胞と呼ばれる部位が破壊されてしまいます。そのため、生きるために必要なガス交換(呼吸)が正常にできなくなってしまうのです。
このことから、「酸素と二酸化炭素のガス交換ができなくなる病気」と知るだけで、いかに辛い病気かが想像できると思います。せきや痰が出たり、少しからだを動かすだけで、息切れが起きて呼吸困難になる。そんなケースもあります。

確か、噺家の桂〇丸師匠が亡くなられた死因として、COPDが知られるようになりました。又、ご夫婦ともに有名な俳優さんも、奥様が無くなられた際の会見で、酸素吸入用のチューブを鼻腔に当てていました。しかも指にパルスオキシメータ(血中酸素飽和度を測定する医療機器)を指に挟んでいたので、この人も肺炎を患っていたのでしょう。

肺炎は日本の死因として第5位となっています。(*1)
この疾患の原因は、何と言っても「たばこ」なのです!
一時期新型コロナウイルス感染症でクローズアップされた疾患です。
けど、たばこのけむりが肺炎を誘発することを忘れてはいけません!!

たばこの本数を減らしても、ニコチンやタールの含有量が高い銘柄に替えたり、ひと息でけむりを深く吸ってしまうことがありませんか?それはニコチンやタールに飢えているとでも言いたくなってしまう。
ニコチンは依存性のある有害物質なのです。

たばこによる害は喫煙者だけではない。副流煙等による二次喫煙~三次喫煙によって、周囲に被害が拡大します。
こどもの「肺」は小学校低学年まで、盛んに成長します。副流煙などの受動喫煙によって、肺にダメージを与えてしまう可能性が大きいのです。(*2)

東京都は既に平成29年10月13日(金)付けの広報で、「都民は、受動喫煙における健康への悪影響に関する理解を深めるとともに、いかなる場所においても、こどもに受動喫煙をさせることがないように努めなければならない。」と告知しています。
なのに、未だに繁華街には喫煙所が設けられている。そして、そこから目に見えない有害物質が漂っている。

普通に呼吸できなくなるCOPDになんか、絶対になりたくありませんよね。

【出典】
(*1)厚生労働省 令和5年(2023年)日本人口動態統計月報年計
(*2)健検公式テキスト 第1刷

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