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「地元杉材の椅子」夏休みDIY01
こんにちは、ツグミ工芸舎のソイです。最近は畑の野菜のことばかり記事にしていましたので、久しぶりに木工の記事です。
今回は初のDIY提案企画でアンティーク調の椅子を作ります。ほぞ穴加工なしでも強度のでる組手を使って作ります。
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身近にある地元の杉材と手道具を使い、難しくない加工方で強度があってちゃんと使える椅子が作れます。
小さめの椅子ですので、植木鉢を置いたり、ソファーの前に置いてテーブル代わりに使ってもよさそうです。
今回使う組手は凹と凹を組合わせることによって強度を出します。凹はノコギリと小刀があれば加工できますので難易度は低めです。素朴なデザインですが、アンティークな塗装をすることでグッと愛着が湧きます。
また、今回ご紹介する組手と塗装を応用すればちょっとしたテーブルや棚も制作できると思いますので、参考にしてください。
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写真はメインで使う道具類です。
ノコギリ、ノミ、小刀、ハンマー、直角定規、ケビキ、ノコギリガイド。
左上のオレンジ色の道具がノコギリガイドです。直角や45度で切ることができます。真ん中上はケビキです。同じ幅の線を引くときに使います。あと、物差しや鉛筆も使います。
まず、材料を切り出します。そして、必要な長さに切り揃え、細かい加工をしていきます。
材料のサイズは脚の部分が2.8x2.8cm の角材、残りの板はすべて1.7cm厚で幅が2cm,4cm,8cm になります。
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材料のサイズは
座面 17×80×360×4枚
前脚 28×28×313×2本
後脚 28×28×600×2本
背もたれ 40×17×400×2枚
両側側面 40×17×300×4枚
前後側面 40×17×340×3枚
筋交い 20×17×a×2本
a=実際に斜めに材料をあてて求める
ホームセンターなどで指定のサイズに木材を切ってくれるサービスがありますので探してみてください。
大まかな工程は、
材料とり→組み手の加工→仮組、調整→塗装、ヤスリがけ→本組→仕上げの塗装になります。
それでは、木口の加工から説明していきます。
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凹部分の加工も両端とその間に2~3本ノコギリを入れてノミで綺麗にします。
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すべての材料の加工が終わったら、墨を塗ります。すべての材料のすべての面に墨を塗ります。見えなくなる部分にも塗ります。木材は使っているうちに縮みや歪みが出ることがあります。そのとき見えないはずの部分が見えてしまうことがあります。そこだけ塗装していないと とても目立ってしまうのですべての面に塗ります。
もし、カンナを持っている人はすべての面を薄く削ってから墨を塗るとそのあとのヤスリがけが楽になります。
今回はカンナがけなしで墨を塗りました。
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次はヤスリがけです。材料が乾いたら、#180~#240番の紙やすりですべての面をヤスリがけします。自動カンナの細かな刃あとをヤスリで消して滑らかにします。
角も丸く落とし手触りを良くします。座面の真ん中や背もたれの真ん中は強めにヤスリがけし、色の変化をつけるとアンティーク調になります。
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次は組み立てです。小刀でサイズを調整しながら組み立てます。同じ形のパーツはどことどこが組合わさるかわからなくならないように見えない部分に丸や三角の印をしておきます。
組手部分は木工用ポンドと釘で固定します。ボンドを組手部分に塗り、釘を打ち付けて固定します。釘は材料に対して直角に打ち付けるのではなくて、八の字や逆八の字に打ち付けると抜けにくくなります。
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錆びた釘がない場合は打ち付けたあとに酢を塗ると黒く変色して目立たなくなります。
最後に平らなところに置いてガタツキがないか確かめます。少しガタツキがありましたので後ろ左の脚を3ミリ程落とし調整しました。
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もう一度ヤスリがけし、拭き取り、最後に荏油を塗って完成です!
オイルはクルミ油や米油でも大丈夫です。布に含ませて全体に塗ります。
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はい、いかがだったでしょうか?
実際に作ってみると時間のかかる工程が多くてなかなかたいへんです。組み手が合わなかったり、釘が曲がってしまったり、ぶつけてキズをつけてしまったりと、予想外のことが起こってきますが、それはすべて作品との思い出になると思ってゆったりと取り組んでみてください。工程を楽しめるようになると、とうとう完成してしまうとき、なんだか寂しい気分になります。それはつくることを楽しんでいた証拠ですね。
また、何かDIY提案記事書きたいと思います。お楽しみに。