人生は対照実験できない
京大卒元メガバンカーの総一郎です。
僕は京都大学在学中に一年間休学をしてカナダに10カ月の語学留学をした。
きっかけは、ある男と再会し絶望したこと。
そして、留学することを決断できたのは行動力の有る彼女がそばにいたこと。
なぜ留学をしたいか?を辿ったら過去にオーストラリアに短期留学をして日本人とつるんで終わってしまったという原体験が有った。
そして、同じ失敗を繰り返さないよう留学の目的を明確化し、目標の定量化をしてから留学生活をスタートさせた。
というお話をした。
#過去の記事はこちら
『僕を絶望させたある男との再会』
『一歩踏み出すには仲間がいたほうが良い』
『「またいつか」はいつなのか』
『”なんとなく” 満足か後悔をしないように』
さらりと書いているせいで決断力行動力の有る男に見えるかもしれないが、僕は石橋を叩きに叩いて渡らない男だ。
一浪してただでさえ周りよりも1年遅れているうえに、もう1年休学をするのか?
理系学部なのに語学留学なんかして就職活動に不利にならないか?
などとごちゃごちゃ考えた。
同じように今留学を検討したり、何か大きな決断をしようとしている方の参考になるかもしれないので、その検討の過程を備忘もかねてご紹介する。
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▼ 人生は対照実験できない
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繰り返しになるが、僕は1年浪人をして京都大学に入学した。
そして、理系学生にも拘らず大学院に進まずに卒業をして就職することも視野に入れて就職活動をしていた。
そんな僕に留学をするかどうか?という新たなカードが配られた。
学部卒 or 大学院進学
留学いく or いかない
の選択が有るわけだが、当時考えていたそれぞれのリットデメリットはこうだ。
学部卒は早く社会に出られるし興味の湧かない研究に2年費やさずに済むが、理系という専門性を活かせないので技術職にはなれないし、就職においてその分文系就職者との競争にさらされる。
院卒は個人的にあまり興味の湧かない研究を2年間追加でしなければならないが、就職が比較的簡単になる。大学生活をプラス2年謳歌できる。
単位互換制度を使うには準備が遅すぎたので留学をするには休学をしなければならないが、休学をすると同回生よりもすべてが一年遅れる。一浪したうえに一年留年をしたら就職にも不利になるかもしれない。授業を受けるにも就活をするにも仲間のいない孤独な闘いになる。が、昔から行きたいと思っていた留学によって得られる経験も大きい。
留学に行かなければ、憧れの留学を諦めることになるが、同回生と一緒に歩みを進めるので授業を受けるにも就活をするにも院に進学するにも有利だ。
一浪したうえに一年留年して+2歳というハンディキャップを背負わなくても良くなる。
これらの組み合わせだ。
ただ、単純に2x2の4択ではない。
①留学に行って学部卒で就職
②留学に行かずに学部卒で就職
③留学に行ってから大学院に進学
④大学院に進学してから留学にいく
⑤留学に行かずに大学院に進学
⑥学部でも大学院でも留学に行く
という具合に、留学を学部時代にするか大学院時代にするかのタイミングでさらに選択肢が増え6択になる。
タイムマシンさえあれば、①から順に試し、一つずつ条件を変えて対照実験をし、最も良い結果のでる選択肢を選びたいところだ。
だが、人生は対照実験できない。
結局のところ最後は「えいや!」で選ぶしかないのだ。
ただ、どの選択をしても無いものねだりで後悔は有るだろうが、なんとなく「えいや!」で選ぶのと、考えに考え抜いて「えいや!」で選ぶのでは後々する後悔の度合いが違う。
この6つの選択肢が有り、メリットデメリットも考え、最終的にどの選択肢なら最も後悔しないか?で僕は選んだ。
これだけ悩んでいる時点で「留学に行かない」という選択は最も後悔をすると思われるので②・⑤は無い。
②・⑥は①の後で考えても遅くない。
④の大学院生として留学をするとなると、「留学」の意味合いが変わってきそうだということが分かった。
大学院生で留学となると、一般的には専門性を持ち海外の大学で研究をするという方向になるとのことだった。
一般論に縛られる必要は無いが、別に海外で研究がしたいわけじゃなかったので④も⑥も却下。
最終的に残ったのは①だった。
わざわざここまで考える必要は無いのかもしれない。
直感で「えいや!」で選ぶ人の方が多くのチャンスを掴み、成果へ最短ルートでたどり着くかもしれない。
慎重派の僕の「最速」がこの熟慮の末だっただけだ。
良い子はマネをしない方が良いかもしれない。
PS(追伸)
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