細胞質グルタミン合成酵素GS1;3のイネ穀粒の成熟と発芽への関与
要約
イネのGS1;3は、イネが登熟する時と発芽する時に種子で高発現することがリアルタイムPCRによる解析でわかっていた。
Tos17の挿入によってGS1;3の機能が破壊された系統を単離し、変異体種子の窒素、アミノ酸、アンモニウム含有量、発芽速度などを野生型の種子と比較した。
GS1;3変異体は、窒素が欠乏する条件では登熟歩合が著しく低下し、第12葉身から穂などへ送られる窒素の流出が減少することがわかった。
GS1;3プロモーター活性は種子の維管束組織とアリューロン細胞層に検出された。
これらの結果から、GS1;3は発芽時の窒素利用のみならず、窒素が欠乏する環境では、窒素転流を介して種子の成熟を調節していることがわかった。
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