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書籍「虚史平成」制作日誌 その2〜持つべきものは旧友(とも)の巻

7月22日、TBSを出て六本木へと向かう道すがら、昔の同僚にDMを打ちました。
川上健太。
彼と初めて会ったのは、24年前の5月、僕が大学を出たもののプーターローをしていたのを見かねた当時付き合っていた彼女の親父さんが「出版社、紹介してやろうか」とバイトでねじ込んでくれたCDジャーナルの神保町オフィスでした。

当時、彼はCDジャーナル編集部の丁稚奉公のようなことをしており、雑用を一手に引き受ける荒井注脱退前の志村けんのような立ち位置でした。
それがあれよあれよという間にCDジャーナル編集部の正規メンバーとなり、現在では編集長にまで上り詰めていました。

「けんちゃん、街裏ぴんくさんの本、おたくで出さない?」
通常、出版企画は企画書を作って出版社に持ち込み、編集者が「いいでしょう」と引き取ってくれたら企画会議の俎上に上げられ、そこで売れるのか、世に出すべき本なのかをねっとりと吟味されます。
僕のような外部の人間が、軽〜い気持ちで「出してよ」と言っても、すんなり通るものではありません。
DMを打って数分後、彼から返事が来ました。

下ネタのようにも読めるけど、そういう意味じゃありません

いいのかよ!!!!!

まじかよ!と思いながら、「虚史平成」スタッフに「出してもいいと言ってますけど…」と半ば驚きながら、半ば半信半疑で送るとえらいこと喜んでくれました。
いったん、顔合わせしましょうということで7月25日に再度打ち合わせになりました。

当日は「まじで出してくれるの?」=「お前、安請け合いしてるけどまじでやるの?」という、ごもっともな部分のすり合わせに終止したんじゃないかな、たぶん(覚えてない)。
たしか、川上がサボりやがって(言い方よ)TBSに来られず、ビデオ会議での参加で、しかも電波が超弱くてすぐに途切れてほぼ会話にならなかった記憶があります。

先に書いたか忘れましたが、当初、書籍「虚史平成」は9月末から10月頭に出したいとの要望をいただいていました。
でも、出版社との初顔合わせの段階ですでに7月25日。入稿から発送まで2週間と考えると、9月末に間に合わせるには制作期間が1ヵ月半しかなく現実的ではありませんでした。
そこで、この日は発売日を10月末日にする、その了承をいただきました。

漫談という素晴らしいコンテンツはすでにありました(虚史平成)。
本を作るための手足になる編集者が決まりました(僕)。
書店コードを持っている出版社が決まりました(CDジャーナル)。
本を作るために決めなければならないのは、「書籍のコンセプト」ともうひとつ「デザイナー」でした。

この日ですでに7月25日。10月頭に入稿となると、制作期間は2ヶ月です。
この「デザイナー探し」に、僕らは今後難儀することになります。

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