千日「かいほう」行 184日目
15日、映画『性欲』(監督・岸善幸、原作・朝井りょう)を鑑賞して、私自身を「かいほう」して行くことになりました。
あらすじを簡単に「回報」します。
検事・啓喜(稲垣吾郎)は「普通」を求めて、不登校の息子や妻はつながりを求めてSNSに動画を投稿するものの、検事や理解できず受容できません。
実家で販売員として暮らす夏月(新垣結衣)は転校した同級生で社会生活から断絶した思いで暮らす佳道(磯村勇斗)と再会し、ともに「地球に留学している感覚」とする共有し合うようになり、この地球で「擬態」して「普通」の同棲生活をします。
男性恐怖症の女子学生に「理解したい」と告白された大学生・大也()は「関わって欲しくない」とその思いに一方的と心を閉ざして突き放します。
佳道と大也らはSNSと通じてともに「水フェチ」であることを告白して、「水フェチ」のパーティーを開きます。
ところがその中に参加していた小児性愛者が逮捕され、佳道と大也も逮捕されます。
聴取する検事・は二人の「水が好き」という回答を理解できません。
そして夏月との聴取で頼まれた夫への伝言「いなくならないから」を理解できず、沈黙とともに終わります。
世間体や「普通」の暮らしの中で変わった趣味・趣向を持つ人やLGBTなど多数派の中で少数派の人が、誰ともつながれないことに苦悩しつつ、つながり合うことを求めています。
この作品では「水フェチ」が変わった趣向とされていましたが、「水」を「かいほう」する私も「水フェチ」のように「解法」されてきました。
水泳は得意でも好きでもありませんが、水中で浮かぶことや瀬戸内の穏やかな海の波打ち際で寝そべると「かいほう」されてきました。
ともに「水フェチ」だった佳道への夏月の伝言は、「普通」では「同棲生活を続けましょう」ですが、「水フェチ」では「地球から(水)はいなくなることはない」と伝言だと「解法」されます。
「水フェチ」は理解されずつながり会えない存在でも、「水」は誰しも必要なつながり合う存在ですべてを「かいほう」しています。
妻子を理解できず離婚調停中の検事が夏月の伝言に浮かべた最後の表情には、理解されないことを理解して行く、「普通」の中の「異常」、多様性のの中の「少数」・・・を「かいほう」できない自分に気付いた、との伝言が映画のキャッチコピーの 「もう、観る前の自分には戻れない。」にあるものと「解法」しました。
そして同棲生活で美月と佳道が性行為を「擬態」しながらその体位を「変態」とつぶやくシーンがありました。
原作者は「擬態」「変態」の隠された「性欲」ではなく、誰しも見せるものを「正欲(せいよく)」としたものと「解法」されました。
正欲:公式サイト
https://bitters.co.jp/seiyoku/#