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100年前のスペイン風邪に学ぶ投資方針
「終わらない狂乱」という言葉をご存じでしょうか。
今から100年前の1918年、世界を今のコロナ禍と非常に似通った状況に陥れた「スペイン風邪」の後に生まれた言葉です。
スペイン風邪は当時、世界的に猛威を奮い、世界のGDP(国内総生産)は3分の1にまで激減しました。
ただし、その2年後の1920年からは一転し、世界的に株価が上昇しました。牽引したのは、当時、大量量産が始まった自動車産業の株。それは、「終わらない狂乱(ローリング20)」という株の大暴騰が起こった1920年代を生み出します。
そして、1929年の世界大恐慌によって、当時のバブル相場は終焉を迎えることになります。
※ダウ平均株価は、1921年8月の64ドルから、1929年9月の381ドルと、590%と大暴騰しています。(その後、世界恐慌後の底値198ドル [ 1929年11月 ] と、高値から約48%下げています)
ここで、「パンデミックが生む中長期の株高」という観点で、一定の規則性を見て取れないでしょうか。以下に、2つの歴史的な例を挙げます。
① 米国市場(スペイン風邪): パンデミック前の高値から、5年間で3.5倍の株高
米国の株価(ダウ工業株30種)は、スペイン風邪発生前は、100ドルどころを上値としたボックス相場が10年以上続いていました。しかし、スペイン風邪のパンデミックの後、第1次世界大戦終結を受けた景気後退時の下押し圧力を受けながら、1924年末にスペイン風邪前の高値108ドルまで戻し、その後1929年末に記録した高値である381ドルまで、5年間で約3.5倍上げています。
② 中国市場(SARS): パンデミック前の高値から、4年間で3倍の株高
中国の上海総合指数は、SARS発生前は、一時2200ポイント台の高値もあったものの、基本的には1992年の高値以降は1600ポイント前後を意識した上値が重い相場でした。しかし、SARS流行後、ITバブル崩壊の余波の押しを経ながらも、2007年高値6000ポイント台と、4年間で約3倍上げています。
米国S&P500は、コロナ前で3,200。これら歴史に学ぶのであれば、上記の規則性を当てはめた場合、株価は既に実体経済との乖離を見せているとはいうものの、先3~4年のスパンで3倍、S&P500で9,600まで上昇、というのも決して可笑しな話では無いと考えます。(2025年までに米国株3倍?)
大統領・上院・下院が全て民主党となるオールブルーを受けて、米国10年債利回りは1%以上に上昇。株価にとっては長期金利の上昇は向かい風となりますが、中長期目線の株式投資の視点では、まだまだこれからの株高を期待しても良いのかもしれません。