道しるべを残して -花ちゃんズの新曲が待ちきれずに初めて作曲してみたからもろもろを記録しておく-
あれから3年か…
日向坂46の松田好花(このちゃん)と富田鈴花(すーじー)の2人組ユニット“花ちゃんズ”のユニット曲『まさか 偶然…』が収録された3rdシングルが発売されたのは、2019年の10月2日のことでした。
それからは、ひなくりで『まさか 偶然…』を弾き語りをしたり、去年はカバー曲を含めたセットリストでMTVでアコースティックライブを実現したり、最近でもSHOWROOMやメッセージアプリで弾き語りを披露してくれるなど大活躍してきたにも関わらず、花ちゃんズの2曲目が発表されないまま、気づけば3年もの年月が経っていました。
※ドラマ『声春っ!』内ユニット、まりりん&るびー名義で『レントゲン眼鏡』が公開されたことはある
花ちゃんズの新曲が欲しすぎるのになかなか発表されないことにしびれを切らしたので、いてもたってもいられず花ちゃんズが歌うための曲を自分で勝手に作ってみました。
恥ずかしさはあったものの歌詞にも書いたように形として残して振り返れるようにすることが大事なのかなと考えて、思い切ってYouTubeに公開してみました。(わざわざ聴いてくれたりコメントくれたみんな本当にありがとう)
♪ 道しるべ/花ちゃんズ(願望)
初めての曲作り
私はもともと音楽が好きで、何度も作曲したいなと思ったりすることはあったものの実際に曲を作るのは今回が初めてでした。
これまでライブや配信などでこのちゃんとすーじーが弾き語りを頑張っているのを見てきて、さすがにそろそろ花ちゃんズの新曲が出てもいいんじゃないかと思っていました。
ですが最新の8thシングルにも、花ちゃんズの新曲が収録されないことがわかり結構落ち込んでいました。
以前にも「俺が花ちゃんズの曲書くか」と冗談半分で言っていたこともあったのですが、さすがに待ちきれないから作ってみようと思い、もともと持っていた作曲への興味に花ちゃんズへの想いの力をかけ合わせることでなんとか完成させました。
自分で説明するのはダサいなとも思いつつ、今回はどういう思いをこめてこの曲を作ったかを書いてみます。
花ちゃんズや日向坂の歩みをイメージ
やっぱり花ちゃんズといえば弾き語りなので、2人の歌声とアコギが映えることを中心に考えて作りました。
一曲目の『まさか 偶然…』は切なさを歌うバラード調の楽曲だったので、ミドルテンポにして、2人笑顔で楽しそうに歌う姿を想像してみました。
他にも花ちゃんズの声が映える音域にしたり、楽器構成をシンプルにしたり、コードの弾きやすさ(特に序盤)を意識したりしています。
曲には主に歌詞に花ちゃんズの歩みを思い出せるような要素をいろいろ入れてみました。
まず1番のメロは、ひらがなけやきから日向坂へ紆余曲折しながらも進んできたグループとしての歩みやそれぞれの休養期間を経た心境の変化などをイメージしています。
まじめでいつも頑張りすぎちゃうこのちゃんとすーじーの2人が、いろいろな場面で立ち止まって気づいた大事なことを道しるべにしながら次に進んでいく様子が思い浮かぶように意識しました。
また曲名に『道しるべ』とつけて道をテーマにしたのは、このちゃんが長期休養から復帰したひなくり2020で花ちゃんズが緑のローブに身を包んで道案内をした演出も思い出してのものでもあります。
サビでは「不安なまま」という部分が個人的にキーワードになっていて、お互いの頑張っている姿が自らの背中を押してくれて、不安な気持ちにも向き合って進んでいけるというメッセージを込めました。
これは、花ちゃんズの2人だけじゃなくて日向坂のメンバー同士の繋がりや自分を含めておひさまが日向坂からエネルギーを貰っている様子も思い浮かべています。
花ちゃんズの楽曲『まさか 偶然…』の要素も混ぜていて、まず半音下げチューニングで、キーがF#と共通しています。
(半音下げなのでキーGのフォームで弾いていて、以降はギターの押さえ方基準でコードを表記します)
また2番のAメロの「遠く離れて 寂しかった冬」は、『まさか 偶然…』の歌詞をイメージと、ひなくり2019で2人が離れ離れの柱ステージで『まさか 偶然…』を歌っていた姿を思い浮かべました。
(「離れたステージで歌ったのが寂しくて…」とどこかで言っていたはず(たぶんひなくりのMC?誰か覚えてたら教えてください))
Bメロからサビは一転して、"他人との違いを受け入れて楽しむ"ということをテーマしています。
個人的に日向坂に対して、メンバーが個性的でかつお互いを認めあう関係性に魅力を感じていて、一つのグループとして活動や空間を共有しているなかで、それぞれがお互いを尊重しつつ自分のやりかたを大事にしているように思えたことでより日向坂が好きになったのでその思いを込めました。
そういった違いを受け入れて輝いている姿が『JOYFUL LOVE』の虹色にも現れているのかななんて勝手に思っていたりします。
カバー曲からのサンプリング(引用)
そして、歌詞にはいままで花ちゃんズがカバーした曲の要素も入れました。
ラップパートは、ひらがなけやき2期生のおもてなし会で はなちゃんず with K として初めて披露したゆいちゃんず(欅坂46)の『チューニング』で始めています。
そして、花ちゃんズ単独で行ったアコースティックライブのMTV ACOUSTIC FLOWERS -Until Full Bloom “Bell & Like”- でカバーした曲の要素も各所に散りばめました。
MTV LIVE MATCHのオープニングアクトでも披露した、Taylor Swiftの『We Are Never Ever Getting Back Together』はラップパートに「Never getting back」と入れているのと、前奏とラップパートのCadd9→G→D→Em7(IV→I→V→VIm)が、『We Are Never Ever Getting Back Together』でずっとループしている進行と同じコード進行になっています。(細かくは違うけど)
ZONEの『secret base ~君がくれたもの~』はサビの「笑顔でさようなら」を2番Bメロに、ZARDの『負けないで』はサビの「心はそばにいるわ」を2番サビで引用しました。
そして、フジファブリックの『若者のすべて』はラストの「同じ空を見上げているよ」をCメロの「君も空見上げてるかな 同じ月覚えてるかな」で連想しています。
すーじーラップ
すーじーは加入時から番組やライブでラップを披露するなどラップのイメージが強かったので、ラップパートを入れることは最初から決めていました。
ラップなのでもちろん韻と言葉遊びをしてみました。
韻は「ハートビート」ともろもろ、「contrail」と動詞(飛べる etc.)、みたいな感じになってるので興味があれば探してみてください。
言葉遊びは気づきにくいかもしれないけど結構頑張ったので説明します。
まずは名前で、「芽吹く"このか"んじょう」は"好花"、「絶や"さ(す)ずか“よわせる」は"鈴花"(発音で"すずか"に寄せてる)、「君"とみた"いんだ」が"富田"、「"まつだ"けじゃないさ」が"松田"と、2人の名前を全部盛りしました。
そして、他にも2人に関係するワードをいくつか混ぜています。
「ハイウェイ駆け抜ければ"さぁきっと"」は"サーキット"です。
すーじー自身が高速道路が好きと発信し続けて、スーパーフォーミュラの『GO ON !NEXT サーキットで会いましょう』のMCを務めたり、ついには"鈴花"の名前の由来の"鈴鹿サーキット"での「スタートユアエンジン」コールや首都高のリニューアルCMに抜擢されて夢を叶えたのは自分まで嬉しくなりました。
「I believe we "love it"」は2人がレギュラー出演していた"ラヴィット"要素ですが、番組のラヴィットも英語表記は"Love it"だそうです(ラップパート考えてるときに知りました)。
「ショートカット」は、サーキットなどのコースのショートカット(すーじー要素)とこのちゃん要素の髪型のショートカットを掛けています。
「高まるこ"どう なつ"ぞらに一筋」はごりごり"ドーナッツ"(後述)、そして「"みほ"れる」はごりごりドーナッツもう一人の渡邉美穂要素です。
あとは「一筋」は愛称である「すーじー」のサイン代わりにしています。
ごりごりドーナッツの絆
花ちゃんズの2人で思い浮かべるのが "ごりごりドーナッツ"です。
ごりごりドーナッツは、花ちゃんズの2人に今年の夏に日向坂46を卒業した渡邉美穂を加えた3人組ユニット(非公式?)で、2期生の中でも特に仲よしの3人組でした。
今回の曲は3期が加入してから長く続いた22人体制の日向坂から一番最初に日向坂46を飛び出して違う世界に踏み出した、2人と関係も近いごりごりドーナッツの一人でもある美穂を見送ることも裏テーマにしています。
ラップパートでは、前述した"ごりごりドーナッツ"の言葉遊びとともに"飛行機雲"という意味の「contrail」を最後に入れました。
美穂卒業前最後のシングルに収録された『飛行機雲ができる理由』は、美穂を見送るような歌になっていて、MVにも美穂を見送る要素が満載だったので美穂を見送る要素としていれました。
ラップパート・Cメロは、そんな『飛行機雲ができる理由』にも強く影響を受けています。
Cメロのコード進行は
という流れなのですが、前半進行のベースになっている王道進行(IV→V→IIIm→VIm)は『飛行機雲ができる理由』のメロでループして使われていて、どこか儚く遠く空を見上げている姿を想像できます。後半部分は『飛行機雲ができる理由』とは少し違うのですが、コードが上昇していくことで視点が目の前の道に向いて、強く前に踏み出していくような印象を持たせました。
2番Bメロの「あいつの背中 笑顔でさようなら」の“あいつ”は、Aメロの「孤独に押しつぶされた日々」だけでなく、自ら選んで旅立つ美穂も思い浮かべていて、Bメロはポジティブな気持ちで美穂を送り出す花ちゃんズの2人の様子にもかかっています。
もちろん2番Bメロ最後の「ワクワクさせるよね」もわくわくピーナッツ要素です。
ラストサビは、それまでのサビとほとんど共通した歌詞ですが、よりはっきりとした思いへと昇華させています。
そして、ハモリをいれることで花ちゃんズの2人の力強さを感じられるようにしてみました。
後奏はサブドミナントのIV(Cadd9)で終わることで、これからも続く道をイメージしています。
おわりに
初めての曲作りで作詞作曲に始まり、編曲や録音、ミックス、マスタリングまで一通り挑戦みましたが、たぶんまだほとんど理解できてないし、なかなかに大変でした。
花ちゃんズの曲じゃなかったら絶対に完成しませんでした。
この一歩を踏み出す機会と完成させる理由を与えてくれた花ちゃんズに感謝します。
そして、秋元さん?今野さん?、花ちゃんズに新曲をください!!