[MHR:S]ランスの紹介・使い方まとめ(5):戦術編①(スキル)

はじめに

前回まではランスのモーションを総ざらいした。今回・次回では、ひろく「戦術」としてスキルと戦法という2要素について説明する。そして余裕があれば、今までの総ざらいとして、具体的な場面を紹介できたらと思う。

  1. ランスのスキル構成(特有スキル・バランス)←今回

  2. ランスの戦法と使い分け方針←次回

  3. (実践例を用いた解説)

今回こそはなるべく簡潔に説明しようと思うが、僕の悪い癖で長くなってしまったら申し訳ない。案の定スキルだけで相当の量を書いてしまったので、今回はスキルについて、次回はランスの戦法について記述できたらと思う。最終回も今回もなるべく正確な説明を心がけたい。

注意事項

これは紹介編から繰り返して述べていることだが、紹介編と実践編はかなり毛色の違う記事になっている。今回以降は必要な事項を淡々と説明を加えていくが、内容に人間味がなくてあまり得意ではないという人もいるのではなかろうか。そこで、紹介編と実践編は独立して読んでも楽しめるようにしたい。お好みに合わせて、片方のみ、または両方を読んでいただきたい。いずれにせよランスの面白さを感じて興味を感じていただければ幸いである。

ランスのスキル構成

今回はランスのスキル構成について説明したいと思う。ランスは剣士なので、概ね剣士のスキルと同様でいいが、ランスに特有…というかガード武器に必要なスキルについては説明が必要になると思われる。そのため、まずランス特有のスキルについてざっと紹介したい。
そして、1番の悩みどころであろう、スキルバランスについて説明できたらと思う。

  1. ランス特有のスキルについて

  2. ランスのスキル構成で考えること・バランス

ランス特有のスキル

ガード性能

  • 武器のガード値を上げる(+10~+30)

  • ガード時のスタミナ消費量を軽減する(最大50%)

  • 最大レベル:5

  • 装飾品:Lv.1(スロ2)、Lv.2(スロ3)

このスキルについて説明するには、あらかじめガードについての仕様を説明しなければならない。
ガード武器には各々の武器に「ガード値」(ノックバック小で抑えられる値のこと、と呼ぶことにする)なる値が存在する。そして、モンスターの攻撃にもモーション値のようなもの(威力値ともいう)が設定されている。ガード値を超えるモーション値を持つ攻撃をくらえばダメージを受け、スタミナ消費も大きくなり、ノックバックが大きくなる。要は、ガード値はいかなる攻撃を容易に防げるかの基準となっており、立ち回りの快適さ、攻撃の継続性にも影響を及ぼす。


ガード性能はこのガード値を向上させるスキルである。つまり、たやすくガードできる攻撃の範囲を広げることで、快適性・継続性を広げるスキルである。ちなみにランスの素のガード値は39であり、ガード性能を用いることで最大69まで防げるようになる。
またWorld以降、スタミナ消費軽減効果を内蔵するようになった。Lv5となればスタミナ消費を半分に抑える。突進やパワーガードのように、ただでさえスタミナ消費の激しいモーションが存在するなか、ガードのスタミナを軽減できるのは大きい。
ただ、どこまでいっても防御スキルなのには変わりはなく、火力に貢献できない。また、レベルを5も消費するのは重い。そのため、ガード性能はランサーの最大の悩みの種となっている。詳しくは後述。

ガード強化

  • ガード不能攻撃をガード可能にし、更に被ダメージを割合で抑える(最大80%)

  • 最大レベル:3

  • 装飾品:Lv.1(スロ2)、Lv.2(スロ4)

ガード武器は防御において最強、と思われがちだが、ガードできない攻撃もある。ラージャンの気光ブレスがその代表例である。ガード強化は通常ガードできないモーションをガードできるようにするスキルである。もっとも、「全ての」ガード不能攻撃を対象とはしていない。古龍の必殺技などはガード強化をつけても防げないことがままある。対応しているか否かは、調べるか、ソロで体当たりで確認する他ない。
ガード強化のもうひとつの効果は、ガード不能攻撃のダメージの割合的軽減である。これはガード性能の大きさに左右されない。逆にいえば、ダメージをゼロにすることはできないわけだが。最大8割カットとはいえ、傀異化ゼクスカリバーや傀異バーストは大きな痛手になりうる。
なお、その他のデメリット(スタミナ消費・ノックバック)はガード値に影響されると思われる。

攻めの守勢

  • 発動条件:モンスターの攻撃に合わせてガードした時(ジャストガードより緩め、キャンセル突きより厳しめ)

  • 効果:12秒間、物理攻撃力を乗算上昇(最大1.15倍)

  • 最大レベル:3

  • 装飾品:Lv.1(スロ3)、Lv.2(スロ4)

「防御こそ最大の攻撃」を体現したスキル。アイスボーンより追加された。
発動条件はいわゆる「ジャストガード」を要求されるが、モーションのジャストガードよりは緩めでOK。つまりジャスガに失敗しても攻めの守勢は発動することがある。とはいえ、ガードに慣れてないと「ジャストガード」自体が大変であり、発動自体できないこともありえる。
効果は、12秒間限定とはいえ、最大1.15倍の乗算上昇という破格のバフをかけられることである。詳しくは後述するが、掛け算バフという自体上昇幅が大きくなりやすい。武器攻撃力の高いマスターランクなら尚更である。
ただ、12秒しか続かないのはネック。しかし、ランスの場合このデメリットを無視できる。なぜなら、ランスはガードすることが立ち回りの前提となっており、12秒間の間に少なくとも1回ガードすることは割と現実的だからである。
もちろん「ジャストガード」がままならないと死にスキルになる。
また、スキルのつけづらさにも難点がある。Lv.1装飾品の大きさがスロ3のため、微妙に融通が悪い。Lv.2装飾品がない…と思ったら、先日の第3弾アップデートでスロ4で追加された。圧倒的にコスパはいいものの、傀異討究をかなり進めないと作れないようだ。

回避性能・回避距離UP

  • 回避性能:回避モーションの無敵時間を増やす(最大9フレーム)
    最大レベルは5
    装飾品:Lv.1(スロ2)、Lv.2(スロ4)

  • 回避距離UP:回避モーションの回避距離を増やす
    最大レベルは3
    装飾品:Lv.1(スロ2)、Lv.2(スロ4)

いやランス固有じゃないだろう、と思われがちだが、次回説明する戦法「回避ランス」の常連さん達である。
回避性能は、無敵時間を増やすスキル。ランスのステップは即突きに派生できるので、ステップ回避の成功率を大幅に上げてくれる。もっとも、回避モーションの無敵時間の仕様上、最近は後述する「煽衛」に立場を取られがちである。
回避距離UPは、回避距離を増やすスキル。ランスのステップの距離もそうだが、空中回転の距離も増やす。カムラのハンターの忍者的身体能力ゆえか、Lv.3だととんでもなく距離が伸びる。Lv.2で十分な気がする。余った4スロ埋めに使えるかもしれない。


ランスにとって、このふたつのスキルの持つ意味は以下の通り。

  • ステップ回避の成功率を上げる(回避性能と回避距離UP)

  • ステップ回避の移動距離を長くし、移動手段として用いる(回避距離UP)

回避モーションの無敵時間と移動距離を増やすことによって、より広範囲で短い当たり判定を持つ攻撃をすり抜けられる(許容範囲を増やす)他、無敵時間内に長い当たり判定を持つ攻撃から判定外に逃げることが出来る。
また、鈍足のランスにとって、回避距離UPをつけたステップは簡易な長距離移動手段になる。敵に背を向けること、スタミナ消費があることは否めないが、突進やガードダッシュに加えて一移動手段として使えるのは大きい。

煽衛

  • 発動条件:敵に狙われている(ヘイトが向いている)

  • 効果は以下の4つ

    1. モンスターを怒らせやすくする

    2. 防御力上昇(+10~+40)

    3. ガード性能の向上(ガード値:+10~+30)

    4. 回避の無敵時間上昇(最大+5フレーム)

  • 最大レベル:3

  • タマミツネ希少種防具「陰陽ノ者」専用スキル(胴、腕、腰に一点ずつ)

最後にこのスキルだけは説明しなければならない。アプデ第2弾の目玉「タマミツネ希少種」の防具「陰陽ノ者」の専用スキルとして登場した「煽衛」である。相手を煽りつつ防御を固めていく、タマミツネ希少種らしいスキルである(僕はエルシャダイのあのPVのイーノックを連想したのは内緒)。


発動条件はモンスターのヘイトを貯めていることである。そもそも、モンスターのヘイトは与ダメや回復行動などの諸要素から、ハンター・猫・ガルクのうち1人に向く。そのため、煽衛が常時発動するのは1キャラしかいないオトモなしソロのみである。オトモありソロだとキャラは計2~3キャラいるので、ヘイトがハンターに向かないこともありえる。マルチはもっと分散しやすく、2~8キャラのなかから1人ヘイトを向けるので、狙って発動は難しい。盟勇クエストも同様である。
スキル「陽動」を使えばヘイトを向けやすくなる。しかしスキルの仕様上、攻撃を続けなければヘイトは向かない。また、生半可な攻撃だと、与ダメの大きい上手い人や回復行動の多い人にヘイトを奪われる。結局、絶対的な信頼を置けるスキルではない。ただ、つけておいて損するスキルではないだろう。


しかし、このスキルの効果は絶大である。整理すると4つの効果がある。
まず第一に、モンスターを怒らせやすくする効果。一見デメリットのようにも感じるが、スキル「挑戦者」や「顕如磐石」を使う場合は別である。両者は怒りをトリガーに発動し、各々会心率や攻撃力を上昇したり、リアクションを無効にしたりする。つまり、煽衛は上記スキルの恩恵を受けられる時間を増やせる。このような形で火力や快適性に影響を与えられる。
第二の効果は防御力上昇。マスター防具だと+40であってもそこまで大きな恩恵はない。まぁ気休めにはなるか。
第三、第四の効果が強力である。まずガード値上昇効果。スキルレベルが上がる毎に+10されるわけだが、「ガード性能」Lv.5でなせることを煽衛ならばLv.3で達成できてしまう。さらに、ガード値には上限がないので、更なるガード性能向上を狙える。そのため、①スキル節約目的だったり、②更なるガード性能向上を狙ったりできる。
次に無敵時間上昇。ガード値とは異なり、無敵時間は最大9フレームまでという制約がある。そのため、ガードと異なり、煽衛Lv.3を搭載すると「回避性能」は全くの無駄スキルと化すので、回避性能の更なる向上は狙えない。もっともランスとしては、ガード性能向上のおまけとして無敵時間上昇を得られるのは破格であるのは間違いない。


こういう専用スキルは防具の自由度を制約されるという弱点があるが、陰陽ノ者の該当部位は「弱点特攻」や豊富なスロットのおかげで、あまりその点は気にならない。傀異錬成も追い風になる。
それ以上に怖いのが、何度も繰り返すが、発動条件の不安定さである。例えばガード性能向上に煽衛Lv.3のみを搭載したとして、ヘイトの有無によってガード値が39か69に左右される。正直に言ってあまりにも危険であり、ランスの安定性を揺るがす。使うとすれば恐らくソロプレイorジャストガードを保険としており、ソロ専用装備か、玄人向けの構成のように思える。
ヘイトの向いている時だけ防御性能が上がるから良い、と考える人もいるだろう。しかし、カウンター技がひしめくサブレ環境下においてハンターが密集することはままあり、煽衛が発動しないまま攻撃を対処せざるを得ない場面はそれなりにあり得るはずである。果たしてそのような楽観視が妥当なのか、少なくともランスにおいては疑問である。いまいち位置づけにはいまだ困る、まぁ難しいスキルである。

スキル構成とそのバランス

装備を組む際に考えたいこと

ランスは剣士なので、火力スキルや斬れ味ケア、その他スキルについては他の剣士と同様である。
しかし他方で、ランスは「ガード性能」など防御系のスキルを入れなければならない。もしこれらのスキルを多く入れる必要があるならば、当然火力スキルは捨てなければならない。
また、火力スキルでも「攻めの守勢」といった特有のスキルがある。もし攻めの守勢を入れるとなれば、場合によっては王道の火力スキル(見切りや攻撃)を捨てなければならないだろう。
もっとも、良い護石を手に入れたり、傀異錬成でスキル・スロットを増やす、強力な装飾品を作るといった、枠を増やす努力をすることで多少は融通を良くすることができる。が、広がる枠は莫大に増えるわけでもない。もし拡張し切ったとしても、今度はその枠の中で火力と安定のバランスを考えることになる。

  1. 火力スキルのバランス
    …概ね他の剣士と同様
    …特有の火力スキル「攻めの守勢」

  2. 防御系スキルの要否
    …ガード性能、ガード強化、回避性能、回避距離UP、煽衛など

  3. その他のスキル
    …斬れ味維持のスキル、ひるみ軽減など

安定と火力のバランスはモンハンにおける永遠の課題だが、特にランスでは特有の防御系スキルが多いので、王道の火力スキルを十分に盛れないことが多い。以下では、特に1と2に関して、スキルバランスの悩みどころを探りたい。

1 火力スキルのバランス

ここでは、攻撃系スキルのバランスについて考えてみたい。とはいっても他の剣士同様に、巷でいう(見切り)7(攻撃)7(弱特)3(超会心)3を目指して構築すること、各属性強化を入れること、供応を入れてみるなど、共通することも多い。
これら全てについてランスではどうか言及するのも無駄な部分が多いので、特にランスの火力面において個人的に重要と思われる、以下の項目に絞って掘り下げたい。

  1. 弱点特攻とランス

  2. 攻めの守勢と他の火力スキルのバランス

  3. (New)粉塵纏とランス

(1)弱点特攻とランス

火力スキルを考える際、会心率を考慮することは多いと思われる。「超会心」と併用すれば物理火力が1.4倍に膨れ上がるし、属性面でも「会心撃属性」のトリガーにもなる。会心率を盛る場合、たいてい「見切り」に頼ることになるが、スキルレベルを7も消費するために負担は大きく、「渾身」や「狂竜症【蝕】」をつけたりしてスキル節約をするのはいつものこと。ランスにおいても同様だが、ここで強調したいのは「弱点特攻」は積極的に採用すべき(なるべく外さない方がいい)ということだ。
というのも、従前から強調している通り、ランスは弱点を突きやすい武器である。中段・上段突きという高さの使い分けに始まり、飛び込み突きのような1点集中形のモーション、流転突きや昇天突きのような場面に応じた大技が用意されている。詳しくはモーション編を参照されたい。つまり、ランスにとって弱点を狙い続けることは容易であり、現実的である。そのため、弱点をトリガーに会心率を50%上げる弱点特攻は最大のアドとなるわけだ。
もちろん限界もある。全体的な肉質が硬い相手には弱点特攻そのものが発動しないので、他のスキルに譲る場面はあるだろう。例えば、リオレイア希少種は通常時肉質45を下回る部位がない。そのため、会心率の高い武器を担いだり、見切りや挑戦者を盛ったりして、素の会心率を上げる方が全体的な火力は向上するであろう。

(2)攻めの守勢と「攻撃」のバランス

火力を向上させる方法のもうひとつは、素の攻撃力を上げることである。これは主に「攻撃」を盛ることで達成できるが、ランス特有のものとして「攻めの守勢」がある。
攻めの守勢はジャストガードを決めることで火力を向上させるスキルである。詳しくは上述。
スキル発動におけるネックは、①ジャストガードを決める必要があること、②12秒間しか続かないこと、の2つ。だがランスであればガードの回数が多いので①も②も容易に克服できることは前述の通り。このことがスキル選択の場面において有する意味は、発動時間を考慮せずに字面通りの倍率で計算してもあまり問題ない、ということである。
このことを踏まえて、「攻撃」と「攻めの守勢」について、少し試算をしよう。ここでは話の単純化のために、物理火力に関するスキルは「攻撃」と「攻めの守勢」しか発動してないとする。


物理攻撃力は以下のように計算される。すなわち、
「最終物理火力=(武器の攻撃力×物理乗算+物理加算)×狩猟笛などの補正」
今回は「狩猟笛などの補正」はないので、1と考えていい。「攻めの守勢」は「物理乗算」にて計算され、「攻撃」は乗算部は「物理乗算」に、加算部は「物理加算」で計算される。独自の用語で説明してしまったので、とりあえず下記の具体例を見てほしい。
以下では、よく使われそうな攻撃Lv.4の場合と攻撃Lv.7の場合、そして攻めの守勢Lv.1からLv.3までを組み合わせて場合分けをする(武器の攻撃力をnとする)。

  1. 攻撃のみ発動している場合(kで表現)
    攻撃Lv.4:k1=1.05n+7
    攻撃Lv.7:k2=1.1n+10

  2. 攻めの守勢のみ発動している場合(pで表現)
    攻めの守勢Lv.1:p1=1.05n
    攻めの守勢Lv.2:p2=1.1n
    攻めの守勢Lv.3:p3=1.15n

  3. 攻撃Lv.4+攻めの守勢Lv.X(hXで表現)
    +攻めの守勢Lv.1:h1=1.05×1.05n+7
    +攻めの守勢Lv.2:h2=1.1×1.05n+7
    +攻めの守勢Lv.3:h3=1.15×1.05n+7

  4. 攻撃Lv.7+攻めの守勢Lv.X(l(エル)Xで表現)
    +攻めの守勢Lv.1:l1=1.05×1.1n+10
    +攻めの守勢Lv.2:l2=1.1×1.1n+10
    +攻めの守勢Lv.3:l3=1.15×1.1n+10

思いつく限りで、いくつか不等式を解いてみる。なお、マスター武器の場合、傀異錬成も考慮すると、nの範囲はだいたい「300≦n≦380」である。

  • 攻撃Lv.7と攻めの守勢Lv.3の関係
    k2≦p3なので、1.1n+10≦1.15n
    これを解くとn≧200
    また、マスターランクでは300≦n≦380
    →マスターランクにおいては、常に攻めの守勢Lv.3>攻撃Lv.7

  • 攻撃Lv.7>攻撃Lv.4

  • よって、マスターランクにおいては、常に
    「攻めの守勢Lv.3>攻撃Lv.7>攻撃Lv.4」

攻撃と攻めの守勢、いずれか一方しか付けられない場合、守勢を優先した方が得である。
それでは「攻撃」はまったく価値がないのか。ここでは「攻撃」と「攻めの守勢」の調整をする場面として、以下のようなことを考えてみたい。すなわち、①「攻撃」+「攻めの守勢」の組み合わせで、(攻撃なし)攻めの守勢Lv.3を超えるには、いくつ攻めの守勢を付ければいいか。またその亜種として、②「攻撃Lv.7+攻めの守勢Lv.X」が攻撃Lv.4+攻めの守勢Lv.3を超えるにはいくつ攻めの守勢を付ければいいか。
具体的に検証するのは以下の3通り。

  1. 攻めの守勢Lv.3<攻撃Lv.4+攻めの守勢Lv.XとなるXはいくつか?

  2. 攻めの守勢Lv.3<攻撃Lv.7+攻めの守勢Lv.XとなるXはいくつか?

  3. 攻撃Lv.4+攻めの守勢Lv.3<攻撃Lv.7+攻めの守勢Lv.XとなるXはいくつか?

それでは解いていきます。

  1. 上記①について
    1. X=1の場合(p3<h1)
    1.15n<1.05×1.05n+7
    これを解くとn<147.3…となるため、マスターランクでは常に成立しない
    2. X=2の場合(p3<h2)
    1.15n<1.1×1.05n+7
    これを解くとn>-1400となるため、マスターランクでは常に成立する
    →X=2、3

  2. 上記②について
    1. X=1の場合(p3<l1)
    1.15n<1.05×1.1n+10
    これを解くとn>-2000となるため、マスターランクでは常に成立する
    →X=1、2、3

  3. 上記③について
    1. X=1の場合(h3<l1)
    1.15×1.05n+7<1.05×1.1n+10
    これを解くとn<57.1…となるため、マスターランクでは常に成立しない
    2. X=2の場合(h3<l2)
    1.15×1.05n+7<1.1×1.1n+10
    これを解くとn>-1200となるため、マスターランクでは常に成立する
    →X=2、3

結果をまとめると以下の通り。

  1. 攻めの守勢Lv.3を超えるには攻撃Lv.4+攻めの守勢Lv.2以上が必要

  2. 攻めの守勢Lv.3を超えるには攻撃Lv.7+攻めの守勢Lv.1で十分

  3. 攻撃Lv.4+攻めの守勢Lv.3を超えるには攻撃Lv.7+攻めの守勢Lv.2以上が必要

発動スキル数を比べてしまえば、攻めの守勢はかなりコスパがいいことがわかる。①や③の場合は1~2個しか差がないが、②の場合は4個程差が生じることになる。
(なお繰り返しになるが、この計算は攻めの守勢を常に維持できることを前提にしている。そのため、たまにジャストガードする程度では上記の話は通用せず、DPS的には常時発動の「攻撃」を増やした方がいいことには注意。また、属性には一切影響がないのも注意)


もっとも、発動スキル数のコスパを単純化し過ぎてはならない。双方のスキルのつけやすさにはかなりの差異があるのも事実であり、上記の結果はしょせん参考に過ぎない。
「攻撃」は発動に必要な数は多いけれども、様々な防具に大量に振られていることもあるし、スロットの大きさも2である。「錬金術・極光」の追加で護石で2~3点は容易に付けやすくなったのも追い風である。
これに対し、「攻めの守勢」のスロットの大きさは3であるから使いづらく、また素で発動している防具はそう多くもない。もっとも、守勢Ⅱ珠がスロ4で追加されたことや傀異錬成で「攻撃」よりはつけやすいこと、Lv.1でも付けば大きなアドになるのも事実であるが。


(ここまで話しておいてあれだが)結局自分の装備と相談して決めろということである。ただ、「攻撃Lv.7も付けられないけど守勢Lv.3はつけられるなぁ」とか、「攻撃Lv.4まで振ったけど守勢は入れられない、でも攻撃外して守勢Lv.3まで振った方がスキルが節約できるんじゃないか」とかいった時に、上記の結果を元にスキル節約を図ることができることを祈りたい。

(3)粉塵纏とランス

(記事を書かずグダグダしていたら)第3弾アップデートが実施された。このアプデのランスに対する影響としては、①守勢Ⅱ珠が作れるようになったこと、②ガード性能の護石が容易に作れるようになったこと(錬金術・極光)ぐらいである。ただ強いて言えば、③ランスと相性良さげのスキル「粉塵纏」が実装されたことも挙げられよう。以下簡単に情報をまとめる。
粉塵纏について、wikiの情報などなどを信頼してまとめれば以下の通り。

  • 発動部位は現状リバルカイザー頭、胴、腰のみ(傀異克服テオ・テスカトルを討伐する必要がある)

  • スキル内容:
    ①一定回数攻撃をすると橙の粉塵を纏う(ランスの場合、13~27回)
    ②-1:20秒間吹き飛ばなければ粉塵が蒼色に変化、この状態で攻撃を仕掛けると攻撃力の1.25倍の固定ダメージを与える(追撃後、①に戻る)
    ②-2:20秒以内に吹き飛んだ場合、その場で粉塵が爆発し、橙の粉塵はなくなる(自傷ダメージは無いが、①からやり直しに)

  • スキルレベルは最大3。変化するのは①の必要回数のみ(最大で半減する)。ダメージ量は増えない

発動部位はリバルカイザーのみだが、相変わらずカイザー装備はスキルが優秀なので、スキルが圧迫されることは少ない。とはいえ、MR140にならなければ戦えないし、傀異克服テオが強敵なのも間違いないが。

ランスと相性がいいのは以下の3点。

  1. 「一定回数」を稼ぐのが楽

  2. 吹き飛ばされにくい

  3. 「攻撃力」には攻めの守勢やアンカーレイジの補正が乗る

第1に回数を稼ぎやすいことであるが、とりわけ「飛び込み突き」との相性が抜群。このモーションは一撃で3ヒットするため、これら全てがカウントされ、結局飛び込み突き9回(Lv.1)で達成できてしまう。次回述べるように「飛び込み突きループ」が戦法として確立している以上、狙うのは割と容易。この関係上、粉塵纏はLv.1で十分である。
第2に吹き飛ばされにくいことだが、ランスはガード武器なので、20秒間ガードで死守できれば蒼粉塵にいたる確率は他武器と比べても十分高い。
第3に「攻撃力」補正。粉塵纏で参照される値はステータス画面の「攻撃力」である。たまにメニューを開くと武器攻撃力よりも遥かに大きい値が表示されているが、あれである。そしてランスには物理乗算補正をかける攻めの守勢やアンカーレイジがあり、それをも反映される。物理乗算補正の強力さは上記の計算でも痛感することだろう。その結果、粉塵纏によってだいたい700~800の固定ダメージをモンスターに与えることになる。溜めなぎ払いを超え、十字払いにも匹敵するような追撃を与えることが出来るわけだ。しかも肉質無視で。


粉塵纏は火力もさることながら、固定ダメージという自体で硬い肉質のモンスターに有効打となる、優秀なスキルである。確かに粉塵纏は一定回数の攻撃や吹き飛ばないといった面倒な過程を経ることが必要である。しかしランスならばその面倒さを軽減でき、高性能追撃の発動確率を高められるのは大きいだろう。

2 防御系スキルのバランス

ここでは、防御系スキルのバランスについて、以下の項目に絞って掘り下げる。

  1. ガード性能(・煽衛)はいくつ装備すればいいのか?

  2. 常にガード強化をつければいいのか?

  3. スタミナケアはどうするか?

ランスの運用にとって特に悩ましいのがガード性能の数である。ただでさえ悩ましいのに、「煽衛」が乱入してきた。ここでは私見ながら、ガ性の数については深く掘り下げ、取捨選択の基準を示せたらと思う。
では、始めます。

(1)「ガード性能」の個数

はじめに結論を言ってしまうと、相手モンスターのモーションとプレイスタイルに依存する、というのが僕自身の結論である。モンスターとプレイスタイルを相対的に考えるということだ。
ただ、相対的とはいっても一応の目安というものはある。ガード値の高いランスの場合では、ガード性能Lv.3相当(ガード値+20)あれば概ね大丈夫とされる。ここから上げ下げする感覚で以下の説明を聞いていただきたい。


まず相手モンスターに関して。だいたい序盤の相手にはガ性は少なくても問題ないが、メイン級モンスターや古龍種に対してはガ性は多い方がいい。例えば同じ大型古龍でも、クシャルダオラならガード性能Lv.3相当でもあまり困らない。一方で、シャガルマガラはモーション値が高すぎるので、ガード性能Lv.5あっても怖い。こんな按配である。
次に、プレイスタイルについて。カウンター突きなどGPを持つモーションや、アンカーレイジなどダメージ・のけぞり・スタミナ消費なしのモーションを使う場合、ガ性を減らす選択肢が生じる。これらのモーションは技自体にガード性能向上が内蔵されているので、そのぶんのガ性はモーションで代用できるわけだ。
ただ、これらのモーションを使用する頻度によってもガ性の増減は左右される。つまり、自分の取る戦法に依存する。例えば、①ランス初心者ならば通常ガードに頼る場面も多いだろうからガード性能は多い方が安全である。②カウンター突きなどを絡めるならガード性能Lv.3相当でほとんどの攻撃を対処可能である。一方、③ジャストガードを多用し、ジャスガ失敗することが少ない猛者はガード性能が不要になる。
無理をせず、自分のプレイスタイルによって変化させるのがベストといえよう。

(1)-2 「煽衛」の取り扱い

ここで(再び)悩みの種になるのが「煽衛」の扱いである。いろいろと取り扱いが難しいのは上述の通りだが、上述したことを踏まえつつ、以下のような使い分けをしたいなぁと思う。

  1. ソロプレイか否か
    …ソロプレイならば「ガード性能」と同様に扱っても問題ない(ただ陽動は欲しい)
    …マルチプレイならば、保険として活用し、「ガード性能」控えめ+「煽衛」の保険とする(ただ陽動は欲しい)

  2. 更なるガード性能が欲しいか
    …大技に対してもノックバックなしで即対応したい場合、採用の余地あり
    ※デュエルヴァイン、アンカーレイジ、ジャストガードでも対応可なのは留意

  3. その他の効果が欲しいか
    例えば、以下のような場合には積極的に採用する理由があるか。

    1. 挑戦者の発動を中心に添えている場合

    2. 回避ランスや「巧撃」の発動も共に狙っていきたい場合

ガード性能は常時発動するが、煽衛は発動自体が不安定。そこで僕は、ガード性能と煽衛を上記のような位置づけをしてみた。以下詳細に説明する。
発動条件を容易に満たせるソロプレイではガード性能の代用として使えるが、マルチプレイでは保険として使うのが適切か。とはいえ、ソロの場合でも安定性志向ならガード性能で固めて保険で煽衛を採用することもありえるし、マルチの場合でも火力を追求して煽衛を採用して従来のガード性能を落とすことも十分ありえる。そのさじ加減(例えば、ガ性5相当をガ性3+煽衛1にするか、ガ性1+煽衛2とするか、煽衛3とするか)は、安定性と火力のバランスを、装備や護石の事情も含めて、個人の価値判断で決めてほしい。
ガード性能の増強については、通常なら喉から手が出るほど欲しい。しかし、デュエルヴァイン(ガード値+20)という代用案や、そもそも気にしなくてもいいアンカーレイジ・ジャストガードのあるサブレ環境では旨味が薄い。とはいえ、一撃一撃の重いシャガルマガラや、龍閃を多用し始めた奇しき赫耀のバルファルクに対しては、気楽に通常ガードしたい場面も多いので採用の余地あり。
そして、煽衛のその他の効果「も」享受したいならば、煽衛の発動を狙っていく装備になるはずなので、代用しちゃっても構わない。もっとも、怒り時間を増やしたり、回避も活用するとなると、かなり立ち回りを洗練しないといけないが。

(1)-3 小括

以上をまとめると、このようになるか。

  1. 相手モンスターの威力は全体的に高いか?
    …目安:ガード性能Lv.3相当(ガード値+20)

  2. 自分のプレイスタイルはガード性能を必要とするか?
    …通常ガードを多用するか、カウンター突きを絡めるか、ジャスガで対応するか

  3. 煽衛を組み込むか?
    組み込むとして、どの程度採用するか?
    考慮要素:以下の3つ(詳細は上記)

    1. ソロプレイか否か

    2. 更なるガード性能が欲しいか

    3. 煽衛の他の効果も欲しいか

火力を求めるならガード性能は外したいけど、安定を取るならガード性能を入れたい。煽衛の話も、ガ性を外しスロット豊富な「陰陽ノ者」を採用して火力を上げたい、という話の一部でもある。この記事を参考に、大いに悩んでほしい。

(2)「ガード強化」は常につけるべき?

次に挙げるのは、ガード不能攻撃があれば常にガード強化をつけるべきなのか、ということである。結論を先に言えば、ガード不能攻撃が逃げやすいか否かで考えることになるか。
例えば、バサルモスのガス攻撃や傀異化モンスターの傀異バーストは予備動作が分かりやすいので納遁術で逃げることが可能である。よって、ガード強化を入れるよりは、他の火力スキルに振るとか、心眼を入れるとかした方がいい。
これに対して、ガード不能攻撃の判別のつきにくいヤツカダキ(亜種)の火炎放射はガード強化を入れた方が安心である。とりあえず盾構えれば吹き飛びはしない。また、予備動作の早いラージャンの気光ブレスは、逃げる余裕がなく威力も高いので、ガードできる方が安心である。
微妙なところはナルガ希少種である。ナルガ希少種のガード不能攻撃は大技「朧月」のみであって、他にガード不能攻撃はない。恐らくここは意見が割れるだろう。大技だけ立ち回り回避して反撃に移ればいい、他に火力スキルを盛る方がいいと考える人もいる一方、当たれば痛いからとりあえずガードできるようにした方がいいと考える人もいる。僕は後者の考え方で、アンカーレイジで黄色を取るチャンスと考えているが、どう思うだろうか。
なお、スキルレベルは3あるが、正直なところ、ゼロかマックスかの選択がほとんどである。Lv.2は4スロ埋めに使えるからLv.2だけ発動することは有り得るか。ちなみに、この時便利なのがバゼル腕(ガ性1、ガ強1、挑戦2、スロ2-2-0)である。

(3)スタミナケア

ガードをするとスタミナを消費するし、ステップを移動手段とすればこれまたスタミナを消費する。ならば「体術」や「スタミナ急速回復」は必要ではないかと思うのが自然だが、あまりランス界隈ではスタミナケアについては意識されない。この点軽く説明したい。
「体術」に関しては積極的に採用している例をあまり見ないように思われる。
第1に、ガードによるスタミナ消費は「ガード性能」がまかなってしまっている現状がある。World以降、ガード性能Lv.2以上では、ガード時のスタミナ消費を抑える効果が追加された。最大50%(Lv.5)まで抑えるため、Worldにおけるスタミナの仕様変更(スタミナ軽減スキルの上限は50%)もあり、「体術」をつける意味がない。
第2に、ランスはステップをメインにして戦う武器ではない。移動手段としてはガードダッシュや突進があるので、必ずしも「体術」が必須とは限らない。むしろ、「回避距離up」を採用した方が簡単に距離対スタミナの効率を上げられる。
第3に、スキルの優先順位として最後にきてしまうことである。火力、ガード性能、斬れ味、ひるみ軽減、回避性能…と続いてスタミナケアを考慮することが多い。ここまで来るとスキルを詰める余裕がなくなる。
このようにして、ランスでは「体術」を導入することは稀である。RISEシリーズでは、ジャストガードやアンカーレイジ、シールドタックルなどスタミナ消費なしのモーションがあるのも追い風である。


「スタミナ急速回復」はスタミナ消費に直結するスキルではないので、「体術」よりかは採用する可能性はある。しかし、スタミナケアが最後に考えることになるのは変わりない。ランス御用達の「ディアブロ」シリーズや「陰陽ノ者」シリーズにはついているので発動することはままあるが、傀異錬成の引き当てにされがちである。


結局のところ、スタミナに関しては、知恵と工夫で補っている人が多いように感じる。僕は食事スキルで体術をつけたりしているし、場合によっては強走薬を飲む人もいるだろうが、それでもスタミナ消費を抑える工夫は押さえておきたいところである(詳しくは次回)。

おわりに

だいぶ時間がかかってしまった。ほとんどが僕のモチベが低下したことと怠慢にあるのだが、1ヶ月空けることになるとは思わなかった。そして、また書きすぎた。その結果、5回で終わるはずが次回に先延ばしになってしまった(世にいう「終わる終わる詐欺」である)。申し訳ない。面白い漫画作品ならまだしろ、ただでさえ眠い本記事でやってしまうのはとても宜しくないことだ。ただ、必要なことは十分に書いたかなぁと思っている。参考になることを祈る他ない。
次回こそ最終回である。戦術について、その後半「戦法」について掘り下げたいと思う。ここまで抽象論ばっかりだったので、できれば具体例を示しておきたいが、今回のようなヘマをする可能性もあるのでやるとは断言しないでおく。いや、できればやりたいけど。
どうか次回更新をお待ちいただきたい。

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