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山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第10回
ブエノスディアス!山本粧子です。
さて、前回に引き続き、ペルーのクリスマスの過ごし方について書いていきます。
Feliz Navidad(メリークリスマス)!
食事が終わったあと、ダッシュで2階へ上がり、2023年12月25日0時0分になった瞬間に、ワインを片手に乾杯をしました。
まるで日本のお正月ですね。
「Feliz Navidad(メリークリスマス)!」
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それから、全員とハグをします。
外から花火の音がバンバンバンバン鳴り始めました。各ご家庭で花火を用意し、ガンガン上げているようです。
私は館長のお父様と外に出て、大きな花火があがっているお宅の近くを訪ねて、記念撮影をしました。
すべてのご家庭から大音量、大爆音の音楽がガンガン流れてきます。深夜だというのに、日本では聞いたことのない音量で音楽を流していました!
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ゲーム仕立てのプレゼント交換会
家に戻り、パーティはここからが本番です!! クリスマスプレゼント交換のお時間です!
しかし、持ち寄ったプレゼントをただ誰かに渡すというだけではありません。人物当てゲームの要素が織り交ぜられているのです。
パーティの参加者は、それぞれ親族の中で誰にプレゼントを渡すのか、事前にこっそりと決められています。
そして、自分がプレゼントを渡す番になったら前に出て、プレゼントを渡す予定のその人の特徴を3つあげます。
例えば、「仕事ができて、真面目で、頭がいい」とかいう具合です。そのヒントをもとに、みんなでそれが誰のことを言っているかを当てるというゲームです。
当たっても当たらなくても、プレゼントの贈り主が最後に答えを発表します。もらった人は、その場でプレゼントを開けて、贈り主にお礼を言って、ハグをして写真を撮ります。これを人数分繰り返すのです。
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そして、プレゼント交換が終わったのにまだ部屋の隅に鎮座する大量の袋の中身は…?
印象的だったのは、プレゼントの開封方法。
全員が例外なく、きれいに包まれた包み紙をビリビリ、グシャグシャに破りスピーディーに開けていくのです。そして、包み紙はその場に捨てて帰ります。
日本人は包装紙が破れないよう、ゆーっくり綺麗にセロハンテープを剥がして開封する人が多いんじゃないでしょうか? それに、梱包材も一緒に持って帰りそうですよね。
私は昔から早く中身が見たくてビリビリ破る派だったので、「地球の裏側に仲間いた!!!!」みたいな感じでちょっと嬉しかったです。
プレゼント交換会、からの、プレゼント交換会
秘密の相手へのプレゼント贈呈が終わったら、次は“みんな”へのプレゼント贈呈式が始まります。
全員が、親族全員にひとつずつプレゼントを渡すのです。
つまり、この日のために、みんなそれぞれ20個くらいのプレゼントを準備してきていたことになります。
私はこの文化を全く知らず、手ぶらで来てしまったのですが、なんと初めて会ったわけのわからん私のために、皆さんはプレゼントを準備してきてくれていたのです。
お返しできるものもないのに、つぎつぎとプレゼントが手渡され、嬉しさと申し訳なさとが混在した、最高に複雑な気持ちでした。
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ヘアーキャップ、ボディーローション、コーヒーカップ、お菓子の詰め合わせ、ビーチサンダル、服など色々いただきました。
中にはお金(現金)が入ったプレゼントもありました! 驚きましたが、やっぱりお金は嬉しい。
こんなにたくさんのクリスマスプレゼントを一気にいただいたのは初めてです。
すべて館長に感謝です。私が来ることを事前に親族の皆さんにも共有してくださっていたとは!
みんなでプレゼント交換をするということを私にもちょっと教えておいて欲しかった、、、と思いましたけど、さすがにペルーへ来たばかりの日本人に突然プレゼントを20個も用意しろとは言えないですね。
(みなさんには後日、お礼をしました。)
ラストは踊り明かして
プレゼント交換会を終えると、フィナーレは、ダンスパーティーです!
ペルーで老若男女みんなに愛されている「Grupo5(グルーポ・シンコ)」というバンドの歌を中心に、次から次へとノンストップで音楽を流し、それに合わせてノンストップで踊り続けます。
やっぱりラテンの国なので、クンビアやサルサ音楽が中心でした。
さすが、ことあるごとに踊る国の方々、腰の動きや足のステップがものすごく自然で、素晴らしく、曲ごとに踊りも少しずつ変わるのです!
スペイン語ももちろん頑張らないといけないのですが、この国で本当の意味で現地の方と過ごすためにダンス習得は必須条件だなと気づきました。がんばります。。。
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その後もダンスをしつつ、チョコラテ(ホットチョコレート)を飲みつつ、パネトンを食べつつ……ゆっくりと、ながーい夜を過ごしました。
初めて会った人たちと過ごしているとは思えないほどリラックスをして、楽しんでいる自分にちょっと驚きました。
AM3:00くらいまで踊り続けてようやく、親戚はそれぞれのお家にお帰りになられました。新年は、もっと長時間踊るそうです。。。
それまでに館長に踊りを教えてもらわないといけません。
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ちなみに、ペルーのチョコラテはホンモノのカカオの塊から作ります。
まずは、お鍋の中でカカオの塊をガンガン削り、そこへシナモンとクローブ(香辛料)、水、砂糖をぶっ込み煮込む!
以上です。
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クローブはマゼランが求めた憧れのスパイスと言われており、甘く濃厚な香りとしびれるような刺激的な風味のある香辛料です。
ホットチョコレートに入れると、ちょっと大人なワンランク上の味がする気がします笑
***
夏のクリスマスを初めて体験しましたが、やはりクリスマスは寒いに限るなと思いました。砂漠と汗と強い太陽にクリスマスツリーはぶっちゃけマッチしません。
私がクリスマスは寒いのが当たり前な国で育ったからそう思うだけなのか、来年はまた感じ方が変わるのか? 楽しみです。
それでは、この辺りでアディオス~!
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〈プロフィール〉
山本粧子(やまもと・しょうこ)
神戸市生まれ。大阪教育大学教育学部教養学科芸術専攻芸術学コース卒業。卒業後、国境の街に興味があったことと、中学生の頃から目指していた宝塚歌劇団の演出家になる夢を叶える修行のため、フランスのストラスブールに2年ほど滞在しながら、ヨーロッパの美術館や劇場を巡る。残念ながら宝塚歌劇団の演出家試験には落ち、イベントデザイン会社で7年半、ディレクターとして国内外のイベントに携わる。また、大学時代より人の顔をモチーフに油絵を描いており「人間とはなんだ」というタイトルで兵庫県立美術館原田の森ギャラリーや神戸アートビレッジセンターにて個展を開催。趣味は、旅行の計画を立てること。2016年からは韓国ドラマも欠かさず見ている。2023年秋より南米ペルーのイカ州パラカスに海外協力隊として滞在し、ペルーとジャガイモと人間について発信していく予定。