「かぞくの肖像」と「スカートじゃ走りにくい」
超〜〜〜〜今更なんですが、作品の解説をしようと思います。
本当に今更ではあるんですが、これからは後々読み返せるように、こういうことも記事として残していこう…と思ったので書きます。
まず、「かぞくの肖像」ていうのは一昨年(!!)の2019年12月にちばてつや賞で入選した漫画のことです。
こちらから読めます。
これは、ストーリー漫画としては2本目の作品なんですが、未だに一番気に入ってる作品です。当時やれたことはできるだけ詰め込んだ作品です。
最後の、社長が鼻血ブー!のシーンは本当に非難轟々で、「最後以外は好き」とか「うーん最後が…」とか言われる始末なんですが、私はあれはあれで結構気に入ってます…。
というのも、当時編集さんに「最後の1Pまで驚かせてください」と言われて、すごい感銘を受けたんですよ。で、最後の1Pまで展開が読めない作品にしよう!としたらああなった、というのが一つと、
「ゆれる」という2006年に公開された西川美和監督の映画で、まあネタバレになっちゃうんですけど、最後にオダギリジョーが出所した香川照之を見つけて「にいちゃーーーん!!!」て世間体とかプライドとか全部放り出してひたすら叫びながら全力疾走するんですよ。
で、なんていうか、「本当のこと」というか「大事なこと」?を言う時はその人自体が、例えば全力疾走してるだとか、鼻血出てるだとか、なんか言葉だけじゃなく行動・状態?も全力感・疾走感が出ているのがいいなと思ったんですね。
にしてもやり方があるだろって話なのかも…。そう言われると確かにそうかも。すみません。
どこまでリップサービスなのかはさておき、「あのまま連載に持って行けそうな話じゃないですか!」と数人の方に言っていただけたこともあったんですが、「いや、あの話はあれで終わりだし(^^;」と思っていたんですが、やっぱり私のやりたいこと?やれること?が詰まってるのはこの作品だな〜と思ったので、原点回帰で、今こんな感じの話を鋭意制作中です(いや、まだ考えてる段階…)。といっても、ボツにされたら元も子もないですが………。
次に、「スカートじゃ走りにくい」。これは去年の3月にヤングスペリオール新人賞で大賞をいただいた作品です。
こちらから読めます。
この作品は、「かぞくの肖像」の時に、「また男二人が車でどっか行く話ですか笑」と編集さんに言われたので、「じゃあ女二人がどこにも行けない話を書こう」というところから始まってます。
ヤングスペリオール新人賞は、「ヤング」て冠するくらいで、賞の傾向から「若い才能、求む!」的な雰囲気を察知したので、「かぞくの肖像」よりはテーマも少し幼くというか、若くしています。10代っぽさを意識しました。
しかし、ちば賞入選したばかりで調子乗ってた時期なのもあり、なんかやっぱり所々手を抜いたというか、妥協したというか、慢心が透けて見える作品だなーと自分では思います。てか、みんなもそう思うでしょ!?
まあ、前に出張編集部で「かぞくの肖像」を見せたときに、「コマ割りが短調」「演出をもっとしてください」と言われたので、1P打ち抜きのページを作るとか、演出を考えるとかはしたので、そこはまあ多少改善はしてるとは思うんですけど…。
この作品を通して、例えば「編集にOKもらう」とか「賞に引っかかる」とか目先の目標だけじゃなくて、その先の、公開された後読者に届く瞬間までを考えなければいけないなーと痛感した作品です。(といっても、この作品以降サボり始めたわけだけど……)
最後の「眼帯してる方の女の子がアイドルになる」というのも、結局親の支配から逃れてアイドルになったって大人に支配されてるのは変わらないんだよね〜みたいな、皮肉的ラストにしたかったんですが、そこまでは力不足で込められませんでした。
あ、あと「おかっぱの女の子が家でスマホからアイドルになった元友達を見る」というシーンも、おかっぱの女の子が親を殺した後の部屋とかでスマホで再生してたら面白いかな〜というのも思ったんですが、
編集さんに、「また男二人が車でどっか行く話ですか笑」の他に、「で、事件が乗っかってくるんですか笑」みたいなことも言われたので、もう安直に事件には持ってかないぞ!と思ってやめました。良くも悪くも、「男二人」「車でどっか行く」「事件が起こる」を禁止カードに設定して作った話でした。
ありがたいことに、なんと台湾の方に読んでいただいて、有志で翻訳していただいたりもしました。
かなり嬉しかったです!!!!
「かぞくの肖像」がまあ、BL的な作品で、「スカートじゃ走りにくい」は百合っぽい作品なんですが、それぞれのジャンルによる読者層みたいなのが結構変わってくるんだなとも思いました。
こういう、裏話的なの、もっと前からしようと思ってたんですが、「自分の作品に全然執着持ってない方がかっこいい笑」と思っていたのでしませんでした。その結果こんな誰からも忘れられた時期に一人で振り返ることになってしまったので、するならするでさっさとしとけばよかったです。
公開したすぐ後か、エッセイでバズってついでに読まれた時とかにすればよかった…。もう誰一人覚えてないでしょうね…。私も1年前に読んだ読み切りとか覚えてないし…。
鉄は熱いうちに、noteはバズったうちに…というのも来年の目標に追加しときます。
でもまあ、少し恥ずかしくはありますが、自分が漫画の巻末に書いてある作者の意図とかを読んだりするのが結構好きなので、これからはここで書いていこうと思います。自分で振り返る時にも役立ちそうだし。もしかしたら踏み込んだ話をする時は有料記事にするかもしれませんが。ていうか、 noteじゃなくてfanboxの方がいいのかな。
とにかく!いい加減、この二つに縋り続けるのはやめて、新しいやつ描きます!で、載せます!自分への、尻叩き記事でした。
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