「はい」としか言えない

最近のあれこれをトピックごとに雑記。


「はい」としか言えない

以前の記事でもチラチラ書いてたネームのバイト、一社受かった。
もう一社は最終選考まで行って落ちた。連絡がないので未払いで逃げるつもりかと思ったら、最後まで選考していて連絡が遅くなったらしい。そんなことある?
そしてまた次ネーム担当募集する時はまたコンペにはなるが参加してほしいと言われた。思わぬ好感触。
社交辞令の可能性もあるが、あの会社のドライな感じからして使えない作家はさっさと切りそうなので、マジと受け取っておこう。

そういうわけで10月から本格的に仕事がスタートしている。
担当者が「作画の人がネーム褒めてましたよ!」「この作品でもドラマ化狙えると思ってます!」など、精いっぱい感情労働をしてくれるのだが(ありがとう)、こちらがタイミーさん気分すぎてすべての感情労働に「はい」としか言えなかった。
だってバイトだし。ちゃんと金入ってくるならどうだっていいし。
「会議ではもう決め打ちで〇〇さんでいこう!ってなりました!社内でも評判でした!!」などと言ってくれたが、そりゃそうだろと思う。一応プロなんだから。
プロが結構力(りき)入れて取り組んだんだから、そりゃそうだろ。

私はシナリオのネーム化担当。シナリオは所謂不倫モノ。
ただ不倫モノも最近飽和してきたので、異世界系と同じくあの手この手のメタ的な工夫が見られてすごいなと思う。
主人公の精神性が妙にうじうじしていて全く感情移入できないが、それはそれとしてもらったシナリオ(文章)を漫画に起こす楽しさはあるなと思った。

担当者は若い女性なのだが、修正箇所としてセックスシーンのセリフを読み上げる時に照れていて面白かった。

しかし分業制の仕事ってクリエイター側はめっちゃ楽だが(まあ分業制ならではの擦り合わせみたいな作業は存在するんだろうけど)、担当者はたった一人でシナリオ担当・ネーム担当(私)・作画担当を管理して、挙句上記のような感情労働を行わなければいけないので、相当大変だろうなと思う。
と考えるとタイミーさん気分で「はい」としか言わなかったの申し訳なくなってきたな。せめて今後は元気に「はい!」と言おう。

新元号は「収納」であります

というくらいに、収納にハマっている。youtubeでも収納のショート動画ばかり見ている。無印のファイルボックスに100均の何何がシンデレラフィットみたいな動画、見てて楽しすぎる。

そんなわけで無印の収納用品買いまくっている。
今までIKEAのキッチンワゴンに、ゴミ袋等を雑多に積んでいたのだが、ホコリ被るわワゴンに積み重ねている以上取り出しにくいわ常に見えてて生活感あるわで、こちらを買ってみた。

これがかなり良い。雑多なゴミ袋とかが見えなくなっただけでこんなにスッキリするんだと思った。下段は高さがあるためマジックリンなども入る。
もう1個買って、そっちは食品ストック入れにしてもいいかなと思うくらい。
ワゴンは便利だけどやっぱ見せる収納?だからごちゃついたものは入れちゃだめだね。

IKEAのワゴン大小持ってたんだけど、大の方はこれを機に捨てて、小は積読ワゴンにしようかなと思っている。

大河ドラマ軟禁生活

以前の記事でもチラチラ、「漫画家になってから一切物語の類(ドラマ・映画・漫画など)を見なくなってしまっていた」「最近無職になったのでまた見始めた」ということを書いたが、ふと気づいた。

そういえば私は現実逃避できるから物語が好きだったんだ、と。

「現実逃避」というと、ちと言い方が悪いか?少なくとも物語を見ているときは現実のことを忘れ、その世界観に/出ているキャラクターに/物語に没頭できる。遠いところへ行くことができる。

まあオタクやってる人からすると「今更何言ってんだ」て話かもしれないが、私個人としてはここ数年忘れている感覚だった。

振り返ってみると、ドラマ見るために走って帰ってたり、わざわざなけなしの小遣いでゲオで昔のドラマのDVD借りて見てた頃って(当時はサブスクとか無かった)、現実が楽しくなかった。
でなんやかんやあって上京し、絵や漫画を描くことになり、そのままヌルっとデビューし、連載が決まり…と、まあ言ってしまえばここ最近は順調だった。順調だったから現実から離れる必要が無かったのである。

しかし現実の方が小休止になったので改めて物語…てかエンタメを見るようになったけど、物語っておもしれ~~~~。
私が離れている間にこんなに面白い物語が出ていたのか、と思う。そしてまた遠い世界に連れて行ってくれるのか。おもしろくしてくれてありがとう(広末)

前にも書いたけど、今は「いだてん」を見ている。ほぼ軟禁状態でひたすら見ている。

やっぱり史実ベースとはいえ、エンタメとして見ている以上は主人公サイドに負け・不調が続くと退屈だったが、折り返し地点で主演が中村勘九郎から阿部サダヲにバトンタッチしてまた序盤のアップテンポさを取り戻し、俄然面白くなってきた。面白すぎるじゃんねえ~~~(田畑政治の使う浜松弁)

しかしここ最近阿部サダヲの出てる映画何作か見たけど、いだてんのまーちゃんがダントツでキャラが良い。クドカン作品のサダヲが一番輝いている。だというのに文春で連載してるクドカンのエッセイ曰く最近はほぼ口も利かず目も合わせないらしい。
なんで……?

単行本2巻が出ます

コミックビームで連載していた「地獄の三十路録」の2巻が10/11に出ます!!

一応各種購入リンク↓

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ぜひお手に取っていただけたらと思います。

しかし、元も子もないんだけど、この宣伝作業が面倒くさい。というかどうしたらいいか分からない。

今は電子漫画バブルなのもあり(それもそろそろ終わりかけらしいけど)、出版社以外にもあらゆる会社が漫画事業に参入し、編集部を立ち上げ、電子漫画をガンガン制作し、数うちゃ当たる戦法でやっている。
そのため昔のように媒体が雑誌しかなかった頃と比べると、相当漫画家の数が増えている。漫画家になれる人の数も増えているといってもいい。

作品数が増えれば増えるほど、出版社は一つの作品に注力できない。
なので出版社は電子あるいは紙として作品を世に出してくれるが、あとは自分でよろしくね、という状態なのである。作品の宣伝はほぼ作者のSNS活動にかかっているといっても過言ではない。
しかしバズれば売れるという単純な話でもないのがつらい所である。

ヒントを得ようとマーケティング系の本を何冊か読んだが、読んでいくうちに、「モノが良ければ売れる」という身も蓋もない結論に辿り着いた。

モノが良い(あるいはある程度のクオリティには達している)のは大前提として、見せ方を工夫すればさらに売れるだろう、その見せ方こそがマーケティングである、ということらしい。
これは結局真理だと思う。

まあ確かに隠れた名作というのは存在する。めちゃくちゃすごいのに話題にならず打ち切り!みたいな作品も。ただそういうのってこの大SNS社会ではもうごく一部になってきているなと思う。

誰も話題にしてないめっちゃ面白い作品を見つけたら、誰しも第一発見者としてツイートしたくなってしまうものだ。SNSというのはちゃんと「発見者」「紹介者」も承認欲求を満たせる仕組みになっている。
ちょっと前だけど王様ランキングとかこのパターンだったよね。こっそりマイナー漫画投稿サイトで連載していたのを誰かが見つけてそれがたちまち話題になり、商業化し、アニメ化までした。これぞMANGA DREAM

結局、「面白ければ売れる」のだ。まあ中には見つかるまでに時差があって、その頃には作品が終わってる…なんて場合もあるだろうけど。

そういえば拙作の「肉と恋」も、マンガMee連載時にはうんともすんともだったが(アプリ内でコメントしてくれる読者さんはたくさんいたが)、当時の担当さんの計らいでジャンプ+に出張掲載された際、一瞬だったがトレンド入りまで果たしたらしい。
(らしい、というのは日付変わった瞬間に出張掲載され、そこから一時的に話題になりトレンド入りしたようなのだが、私はその間寝ていたから。)
まあトレンド入りしたから売れたか…というと正直そうでもないのだが、これは嬉しかったね。

売れなくても何かしらで評価はもらえる。次の仕事に繋がったりする。見てる人は必ずいる。
これは実力社会として実に健全だと思う一方で、書き手としては残酷だな~とも思ったりする。

え?宣伝になってないって?いやそうなんだよ、宣伝って難しいんだよ。
しかももう正直新しい仕事始めちゃってるし。頭がそっちにいってるから、中々宣伝しまくる気分にもなれない。

しかし編集さん、デザイナーさん、印刷所さん…等色んな人が仕事で仕方ないとはいえ私の単行本に関わってくれたわけで、その点は本当にありがたいなと思う。

真心・人情・感謝

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結木万紀子
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