『ワンラインアート』とは?僕のライフワークを解説【イラスト・デザイン】
イラストレーター・デザイナーをしております曽我ジョニーと申します。
この記事では、僕が生涯をかけてライフワークにすると決めたイラストレーター業でのコンセプト『ワンラインアート』について、それがどういったものなのかと長所や短所についてご紹介していきます。
・ワンラインアートを初めて聞いた
・ラインアートや一筆書きに興味がある/聞いたことがある
・自ブランドにイラストを使用したデザインを検討している
・イラストを使ったロゴデザインを検討している
といった方に対して、毎日ワンラインアートをせかせかと描いている僕だからこそお伝えできる内容を、この機会を通して魅力を少しでもお伝えできたらと考えております。
ちなみに僕が何者かについては以前まとめてみた記事がありますので、お時間許しましたらご覧頂ければと思います。
『ワンラインアート』とは?
そもそも『ワンラインアート』というものについて、あまり聞き馴染みがないかと思います。イラストやデザイン業でない方はなおさらのこと。
日本ではあまり浸透していないのですが国外に目を向けますと「One line art」や「One stroke」といった表記で、一つのジャンルとして認知はされているようです。
アートやイラストレーション全体に通して言えることですが、属人的なビジュアル表現を言語化するのはとてもとても難しいことだと思います。(視覚の情報量が多すぎる)
この前提の中、あえてワンラインアートを一言で片付けてしまうと『一本の線で描かれた絵』となります。
ビジュアルに表しますとこんな感じです。
みたら「あーね」って感じかと思います。
『一筆書き』とワンラインアートの違い
ワンラインアートよりもメジャーな表現として「一筆書き」があります。
この違いについては個人で捉え方が変わってくる部分だと思いますが、自分の中では明確な定義づけがあります。
その線が一回で描かれたかそうでないか
と考えております。
つまり極論、まるっきり一緒のビジュアルをしていてもプロセス次第で「一筆書き」なのか「ワンラインアート」なのかが変わってきます。
ではなぜ僕がワンラインアートと名乗るかについては後述します。
ワンラインアートの長所や短所
自分がやっている分、親バカ視点でワンラインアートの魅力を書き散らかしてしまうところですが、ここはデザイナーとして客観的な物言いを心がけます。
ワンラインアートの長所
一番の長所は、ほかのイラストに比べ独特な表現のビジュアルになることです。
本来のラインアートであれば絶対に線を描かないような箇所に堂々と線を入れることが出来ます。それは閲覧者にも「これは一本の線で描かれているんだ」という共通認識が発生するからこそ出来る表現です(そこが非常におもしろい)
さらに、イラストにする対象物の概念を容易に壊すことが出来ます。
基本的に「猫を描く時は、口は”カモメ”みたいに描く」というような、対象をビジュアルに起こすときには世間が許すデフォルメ方法というものが存在します。
ただワンラインアートの場合は前述の「一本の線で描かれてるから変な線があるのは気にしない」という共通認識があるために、今まで試されたことのないような”カモメの代わり”に挑戦することができます。
ワンラインアートの短所
短所としまして、先程の共通認識があってしても対応しきれない対象を描くのは向いていません。
一番代表的なもので、人の顔。
これは自分自身「今日は多分いけるぞ」と挑戦こそしてみますが、いまのところ圧倒的な不気味から抜けられません。
この点は今後の技術力の向上によって乗り越えたい個人的な壁だったりします。
僕がワンラインアートを始めたキッカケ
そんな他のイラストと比べ一癖あるワンラインアートと自分が出会った経緯をサクッとご紹介します。
もともとそういうテイストが好きだった
ちいさいころから絵を描く時は、輪郭線のがっつり入った絵を描くのが好きでした。
そこで紆余曲折ののちにイラストを本格的に描き始めた際に、どうせなら独自な表現ができないかと試行錯誤をしていた時に「一筆書き」に行き着きました。
一筆書きからワンラインアートへ
「一筆書き」を描くうちに、自分の中の表現欲求が満たされていく感じが最高に気持ちよかったです。「こういうのがしたかった!」みたいな。
そこで一筆書きによる表現を続けていくうちに、どうしても難易度の高い線になったときに一筆書きじゃ物理的に表現しきれないことにもどかしさを感じました。
ただその時の自分の中には「二度づけ厳禁」のポリシーが浸透しており、「一筆書きとか言ってペンを入れ直すはあまりにもダサすぎる」といった考え方からワンラインアートに踏み込めず。ただ一筆書きじゃ表現しきれない線があるのが非常にもどかしい。
そんなことを考えていたのですが、このポリシーは限りなく自己満足なんじゃないか、といったことに気付きました。
まるっきり一緒のビジュアルをしていてもプロセス次第で「一筆書き」なのか「ワンラインアート」なのかが変わってくるんです。
つまりプロセスに興味のない方からすると、一筆書きなのかそうでないのかなんてどうでもよくて、「質のいいイラストデザインがみたい」といったニーズに答えるのが最優先なんじゃないかと考えました。
そう考え直せたことで、自分のベストな線を描こうと「二度づけ」をし始めたのが僕のワンラインアートのはじまりとなります。
目指すはワンラインアートのベンチマーク
ワンラインアートについての概要や長所と短所、僕自身が始めた理由についてご紹介していきました。
しかし自分自身、まだまだワンラインアートの真髄を見れていないなとつくづく感じます。
国内にワンラインアートをコンセプトにしているアーティストさんが本当に少ない分(というより今のところ見たことがない)、自分が代表してこのスタイルを世に広めたいなと密かに思っております。
今後とも一ジャンルとして、世界により良い価値を提供できたらと考えておりますので、どうぞよろしくお願い致します。