運行管理者試験を受けて感じたこと

合格率30%台の国家試験
運行管理者試験は、運送事業者にとって必須の国家資格である。その難易度はやや高く、合格率は30%台にとどまっている。今回、中小企業経営のリアルを知りハンズオンの支援をするために、運行管理者試験(貨物)を受験した。

「受験者全員合格!」のミス
ちなみに今回の試験の合格発表ではセンターのミスにより受験者全員の受験番号が合格者としてウェブ掲載されたということがニュースになったが、訂正されてからのウェブ上にも受験番号が残っていたので無事合格ということで間違いないと思う。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240404-OYT1T50132/

過去問を解けば1か月で合格できる
合格率30%台と聞くと、難易度が高いように思えるかもしれない。しかし、過去問を解いて間違えたところの解説を読み、間違えたところは再度問題を解くという繰り返しをすれば、約1か月間のスキマ時間で合格できるものである。

受験者数は減少傾向にある
年2回開催されるのに22,493人もの受験者がいるのは驚きである。しかし、数年前は3万人以上の受験者がいたようなので、2024年問題もある中、希望者が減ってきたのかもしれない。
https://www.unkan-net.com/passrate2.html

パターン化された出題
試験内容は、ある程度決められた範囲からパターン化されたものを毎年順次出題している。絶対比較(正答率60%以上で合格、パート毎に最低1~2問以上の正解が必要)なので、各受験者が試験対策をした場合は、合格率が跳ね上がってしまう可能性がある。しかし、出題者は意地悪な問題を織り交ぜながら、合格率を一定レベルに保っているようだ。
https://www.unkan.or.jp/past.html

基礎講習で聞こえてきたため息
この試験の受験資格を得るには、3日間連続の座学を受ける基礎講習が必要である。講習では実例も含めながら丁寧に教えてもらうので、運行管理者が求められる役割や従うべきルールについては概ね理解できる。
しかし、頭では理解できても、「まるでパズルのよう、ドライバーも突然体調を崩すことがあるだろうに、人手不足の中で実際にこれを現場でどう行うの?」と思えるところも多い。私の斜め前の席に座っていた運送会社の社長さんは、「は~っ」と大きなため息を何度もつきながら、「もう仕事を辞めんといかん」と嘆いておられたのが印象的であった。
https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001383159.pdf

意識のギャップが大きな業界
基礎講習を受けたのは1月で、4月から運送業にも適用される働き方改革がまだ反映されていないルールでの説明だった。しかし、今後さらに守るべきルールが厳しくなることを考えると、事業者としては本当に頭が痛い問題だと思う。
いろいろな業界があるが、運送業界はルールを定める側とそのルールに従う側との意識のギャップがかなり大きな業界であるように感じた。

頭が痛い

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