Whiz i &新機能でさらに広がる活躍の幅
ソフトバンクロボティクスは、10月より除菌清掃ロボットの新型機「Whiz i(ウィズ アイ)」を提供開始した。昨年提供を開始したWhizと比較すると、今回のWhiz i はさまざまな変化がある。
そこで、以前ご紹介させていただいたジョーンズ ラング ラサール株式会社(以下JLL)の大西様に、Whiz i を体験いただいた。
Whizを活用して大きな効果を生み出した大西氏から見た、Whiz i の可能性とは。今後の展望も含めて、お話を伺った。
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施設・会社概要
ジョーンズ ラング ラサール株式会社
不動産サービス会社。不動産投資・賃貸物件の仲介、テナント誘致、建設プロジェクト管理、ビル&商業施設の管理・運営、総務業務のアウトソーシングなど、商業用不動産戦略に関するサービスを展開している。
お話を伺った方
JLL日本 コーポレートソリューションズ法人事業部
大西保弘 氏
ハードフロア対応でWhizの活躍範囲が拡大へ
――Whizでは主にカーペットでの利用を推奨していましたが、Whiz i ではハードフロアへの対応が強化された仕様になりました。使い方として、どういった変化が期待できそうでしょうか?
大西氏:
Whizは徹底的に床を清掃できるというのはこれまでの利用でわかっていましたが、カーペットがメインであることから使用場所を限定していました。Whiz i ではフローリングなどのハードフロアにも対応可能ということなので、カフェやエントランスでも利用ができそうです。
特にWhizを導入している当ビルのカフェはフローリングのスペースが多く、これまでできていなかった部分です。この広さも稼働できるとなると、1日の稼働時間を大きく延ばすことができます。
カフェスペースは全体がフローリングとなっている
異なる床材でも吸塵率アップしたWhiz i ならより活躍できる
バッテリーの容量拡大で夜間清掃も可能に
――Whiz i では、バッテリーの容量や紙パックの容量が拡大しました。加えて、新しく配信したOSでは、任意の時間にWhizを自動で稼働できるタイマー機能も実装しました。これまでに以上に自由な使い方ができるかと思います。その点いかがでしょうか?
大西氏:
当ビルのフロア面積が会議室を含めて1,900㎡、含めない1,300㎡程度です。バッテリーが3時間から3.6時間に延びたことで清掃範囲が1,800㎡に拡大したとなると、ちょうど1フロア分を1回の稼働で清掃できる計算になります。
これまでのWhizは3時間で1,500㎡の稼働でしたので、会議室で稼働させるためにはバッテリーが足りませんでした。Whiz i でバッテリー容量が拡大したことでそこも狙えるようになることは助かります。
また、タイマー機能の実装も大きな変化だと思っています。これまでは稼働開始の時間に、スタートボタンの押下など必ず人の手による作業が必要でした。そのため、深夜・早朝での稼働ができていませんでした。そこがクリアできるので、もっと1台あたりの稼働を増やすことができて効率的になりますね。
会議室でも利用も今後は考えられる
スマートルート作成&複数ルート選択をお試しに
――最新のソフトウェアでは、「スマートルート作成」「複数ルート選択」という新機能も実装されました。実際に動いているところをご覧になっていかがでしたか?
大西氏:
Whiz i でエントランスなどでも利用ができるようになるのは嬉しいのですが、広い範囲のティーチングをしなくてはいけません。最初の1回で良いとはいえ、塗りつぶすように何度も往復するのは時間がかかります。
そこで「スマートルート作成」が使えるようになったことは嬉しいですね。外周を1回通るだけで良いので、ルート作成が各段に簡単になります。
ルート作成時に、従来の手押しかスマートルート作成かを選択できる
カフェのように、広さのあるスペースと椅子やテーブルがある複雑な環境では「複数ルート選択」がありがたいですね。「スマートルート作成」で広いスペースを清掃するルートA、従来のティーチングでテーブルのあいだを進んでいくルートBをそれぞれ作成して、繋げればいいですからね。これらを1つのルートにするとエラーなどのリスクも高まりますので、抑制できるという意味でも助かります。
広い通路はスマートルート作成でティーチング
椅子やテーブルの合間は従来の手押しでティーチング
より細かい動きが設定できる
これからは、Whizを清掃業者が管理するべきかどうかという時代に
――Whiz i の変化、新機能をお試しいただきました。いかがでしたか?
大西氏:
これまでは清掃業者にWhizの稼働をお願いしていました。つまり、清掃時間とWhizの稼働はセットでした。ただ、タイマー機能の実装やバッテリー容量が拡大したことで、我々ファシリティマネジメント(以下FM)がWhizを管理しても良いかもしれません。ひいては、クライアント自身が管理できるという可能性もあります。我々FMはWhizの使い方を指導していく立場になっていくかもしれません。
クライアントが使えるようになると、さらなる新しい使い方が出てくるかもしれませんね。
――今後はどういった展望が考えられますでしょうか。
大西氏:
我々はクライアントに対して、高い清掃クオリティを提供することを目指していきたいと考えています。
FMであれクライアントであれ、誰がWhizを使うのかというよりも、どれだけ稼働時間を増やしていけるか。Whizを使い続けることでずっと清潔な状態をクライアントに提供する。我々はそういったビジネスモデルを目指していきます。
編集後記
前回の取材では、どういった経緯があってWhizをご利用いただくことになったのか、そしてその効果を中心に伺った。効果を出すためにWhizを理解して現場での検証をされた大西氏から見ると、Whiz i の変化や新機能を使って稼働範囲を増やせる構想がたくさんあるようだった。Whizがさらに活用されて、助けとなれば幸いである。
著者プロフィール
岡田 亮
ソフトバンクロボティクス プロジェクト推進本部
AI清掃ロボット「Whiz」事業開発部所属。2020年2月にソフトバンクロボティクスに参画し、現職に。前職は旅行ガイドブックの編集者として図書制作や営業企画に従事。その経歴を活かして、現在は導入事例の取材や記事制作を担当している。