ファンから長く愛された「タカガール♡デー」を卒業。新名称に込めた想いとは
皆さんこんにちは、ホークス広報室の鳥原です。
ホークスは今年、2014年から続けてきた女性向けイベント「タカガール♡デー」の名称を変え、「ピンクフルデー」として再出発を切ることを発表しました。
タカガールデーといえば、
昨年こちらのnoteに想いを綴ったように、担当者が毎年趣向を凝らして育ててきた思い入れの深いイベント。
そんな愛すべき"タカガール"の名前を変えるということは並大抵の決断ではありません。
今日は名称変更に踏み切った裏側のストーリーをお話しします。
このnoteを読んで、「ピンクフルデー」という新しい名前に少しでも愛着を深めていただければ嬉しいです。
「タカガール♡デー」卒業
「タカガール♡デー」は、今年から「ピンクフルデー」に変わります。
このイベントは、野球観戦はもちろん、入場者全員に配布されるピンク色の限定ユニフォームや、ピンク色に装飾された球場内、その日限定のピンク色のグッズやグルメなど、とにかくピンク一色に染められた”非日常”感を楽しめるホークスの人気イベントです。
そもそもこのイベントを遡ると、2006年に開催した女子高生デーにたどり着きます。
来場者の大半は男性という従来のプロ野球のイメージから脱却し、当時野球とは最も縁遠いとされていた女子高生をターゲットにしたイベントがはじまったのです。
イベントの人気が高まりを見せたことで、より多くの女性に楽しんでもらうため2014年に「タカガール♡デー」に変更し、女性来場者全員にユニフォームを配布しました。このときの女性来場者は多い年でなんと全体の7割~8割にのぼります。
そして2020年からはご来場の皆さま全員にタカガール♡デーをお楽しみいただくべく、女性だけでなく入場者全員にユニフォームを配布するようになりました。
コロナ禍で観客動員に苦戦していた昨シーズンも、最初に満員御礼となったのがこのタカガールデー。来場者の満足度も高く、イベント開始時から16 年の時を経て誰もが楽しめる人気イベントへと成長してきました。
そんな時、2023年のタカガール♡デーを検討する中で、ある疑問が生まれたのです。
当初は女性をターゲットにして始まりましたが、今や世代・性別問わず全員が楽しめる人気イベントとなり、その知名度は鷹の祭典に次ぐ大型イベントへと成長しています。
イベントの人気が名称を超えてしまったと言っても過言ではありません。
そこで、2023シーズンは「タカガール♡デー」を卒業し、このイベントにふさわしい名称に変更することに踏み切ったのです。
プロジェクトメンバーの葛藤
とは言うものの、ファンから長年愛されてきたタカガール♡デーの名称を変えるということは、簡単に判断できることではありませんでした。
このイベントは毎年5月~6月に開催されますが、ユニフォームデザインやイベントの検討は前年の秋頃から始まります。名称変更にあたって、いろいろな部門の担当者が集まり議論を重ねてきました。
最初はプロジェクトメンバーで案を出し合いました。
しかし、どの名称もふさわしく見えるし、どの名称もふさわしくなく見えました。
協議を重ねるものの、なかなか結論は出ませんでした。
とうとう頭打ちになった時、”タカガール♡デーとは一体どんな日なのか”という根本に全員で立ち返ることにしたのです。
タカガールデーは、他のイベントと比較して、チームの勝敗に関係なく来場者の満足度が高いイベントです。
通常の野球観戦は、試合結果や試合内容にその日の思い出が引っ張られがち。しかし、タカガール♡デーはピンク色に染められた球場内やバルーンの装飾など、徹底的に非日常の世界観を創出することで、ファンが主体的にそれぞれの楽しみ方でイベントを満喫してくれます。
このイベントは選手やチームが主役なのではなく、ファンが主役のイベントなのです。
新名称は私たちだけで決めるのではなく、主役であるファンの皆さんと一緒に決めたいという結論になり、一般募集することにしました。
「ピンクフルデー」誕生
名称を変更することについて、ファンの皆さんに私たちの想いをうまく伝えられるか、不安もありました。そんな私たちの不安をよそに、募集期間は12日間と限られていたなか、なんと1,545件もの応募があったのです。
新名称への想いを長い文章で綴ってくださったファンの方もたくさんいました。
ここで、ファンから寄せられた色々な名称アイデアを少し紹介したいと思います。
ここには書ききれないくらい、素敵なアイデアがたくさんありました。
さらには、応募とともにこんな嬉しいコメントも。
1,500件を超える応募数、そしてファンから寄せられた想いを見た時、これがタカガール♡デーが愛されてきた証なのだと感じました。
今までこのイベントを支えてくださったファンのためにも、誠意をもって選びたい。
そんな想いから、プロジェクトメンバーで応募の一つひとつを読み、複数のグループにカテゴライズしました。そして「イベント内容が伝わりやすい名称か」「全員が楽しめるイベント名称か」など、軸を持って絞っていきました。
その結果、タカガールデーの歴史と象徴であるピンク色と、満ちるという意味の「フル」をかけ合わせることで、球場がピンク一色に満ちるのはもちろん、来場した全員の「楽しい」や「感動」が満ちる 1 日になってほしいという想いを込めて、「ピンクフルデー」に決定しました。
前身となる女子高生デーが始まってから16年間にわたって、時代や世の中が変わりながらも、このイベントで変わらなかったものがあります。
それは、テーマカラーのピンク色と、ファンが主役になってとことん楽しめる”非日常”の空間を創出することです。
それが一言で伝わる「ピンクフルデー」こそが、このイベントにふさわしい名称だと、ファンの皆さまのおかげでたどり着くことができました。
おわりに
このイベントが始まった当時は、女性をターゲットにすることも、ユニフォームを配布することも、どの球団もやっていない画期的なものでした。ホークスの開催を皮切りに、各球団が追随して女性向けイベントに踏み切りました。
どこよりも先駆けて球界の常識を打ち破ってきたホークスだからこそ、もっと貪欲に進化して、もっとたくさんの人が楽しめるイベントにしたい。
名称変更をすることは、タカガール♡デーが終わるということではなく、タカガール♡デーがイベントの名称をも超え、誰でも楽しめるイベントに進化したということだと、今は自信をもって言えます。
今回皆さんに伝えたいことは、「ピンクフルデー」はファンと球団職員の想いが込められた名称であること、そして、名称が変わってもこれまでと変わらずファンの皆さんに最高の1日をお届けするイベントであるということです。
本日、このピンクフルデーで配布されるピンクフルユニフォームのデザインが発表されました。
新名称として始動する今年のピンクフルデーがどんな日になるのか、ぜひ楽しみにしていてください。
(文:広報室 鳥原早貴)